ド派手に打ち上げていくわよ、三国。

三国。(Peppermintの名札がさがる扉の前までやってくれば、ノックを数度、平坦なトーンで名前を呼んだ。風呂も終えてすっきりとした顔色は普段の青白さと比べれば幾分か良好。長い黒髪は片側に寄せて緩く一つ結い、薄手のタンクトップにグレーのパーカーを羽織り、同色のリラコから伸びる素足はリラックスモード。合流が叶ったところで海外サイズに持て余したスリッパを鳴らしながら玄関を潜れば、日没あと少しの夕暮れに気温も丁度良く)花火って帰り際にやるテンションよね。まだ来たばかりだけど。(目的地は徒歩数分も掛からないショップ。日中の喧騒も静まりつつある道中、口を閉ざせばプライベートビーチの波音が聞こえる。)
北村伊鶴 07/19 (Sun) 21:00 No.9
おむかえ?今行こうと思ってたんだけど。(ノック二度目を待つ前に扉を開けたら幾分あどけない少女の姿があった。頭からかぶったネイビーのTシャツに前髪から滴る雫のいくつかは丁度風呂を終えた所を報せている。ジャージ素材のハーフパンツにクロックスを突っ掛けたら同室の彼へ一言告げて後手に扉を締める。「修学旅行の夜みたいだね」は互い寝間着に近い格好を映じての感想。)俺も、それは思った。今?って。(語尾の笑いは揶揄めいたものでなく両者を笑う軽やかさで、「今も終わりもやればいいよ」は途方も無く先への無責任。夜でも毳々しく人口灯放つファーマーズマーケットの一角へ爪先を向けながら)もう色々と遊んだ?体力はついていってる?(第一印象から一貫して病弱の二文字が脳裡に浮かぶ少女の旋毛と見下ろしながら告げる。)
三国雪緒 07/19 (Sun) 22:08 No.11
先生がいない分自由度マシマシね。(大凡卒業学年で迎えるであろう一大イベントは、高校一年生にとってはまだ記憶に新しい。部活動にも所属しておらず、且つ友人関係も然程豊かではない人間にとってクラスメイトと日没から夜道を辿る経験は些か新鮮に思えた。傍ら上から降ってくる雑談のトーンを出ない穏やかな声を耳に相槌を零しながら未だ淡い空に星を探すように仰ぎ見て、そのまま旋毛を見下ろす眸と目が合ったところで、首を戻し)なかなかねぇ…でも楽しんでるわ。漁船に乗ったし海にも行ったの。ほら見て、日焼け。(袖を捲り見せつけた腕は、通常の不健康色に比べてほんのり赤い。美に日焼けは大敵だが、それとは別に話す口調は存外誇らしげに目を細めて鼻を鳴らし)フフ、何ならあんたより遊び回ってるかもしれないわね。……あ、ねえ。(店の出入り口を潜れば、視線は目的物を探しながらふと思い出したように)何でも治せる葉っぱってなに?
北村伊鶴 07/21 (Tue) 21:01 No.19
キツい監視の目を掻い潜るスリルも結構好き。(遠慮がちに刻む笑みは一夜の共犯者染みて。とはいえ自由度高く特段何かに警戒する必要のない現今では徒行する爪先も伸びやかに、幾分か過ごし易い夜の風にアッシュヘアを戦がせる。人工灯に釣られるような爪先は優柔不断に道草を欲しがり「これ変じゃない?」とカラフルな被り物を手に取っては置いてを繰り返す。)女子っていうか漁師だね、遊びの種類が。こういうとき「映え」を欲するのが女の子かと思ってた。(剥き出しの細腕は漁師と似ても似つかぬ頼りなさで失礼千万を舌に乗せたら赤らむ皮膚をつんつん。「俺は真っ黒になるタイプ」は無意味の与太話。燥いでいるんだ。)海でぼーっとしてて終わりの日が俺は3日あったよ。おじいちゃん?って自分でも思、(老成した日常を吐露しながら一角のショップの扉を潜れば見慣れぬ文字列のお出迎え、順路に沿ってお目当てを探す視線は然し卒然たる声に遮られて再び青白い瞳を見下ろす。)ふっ、  は。あれ、うそ。本気にしてた?(目弾き一つ置いて笑声が弾ける。決して揶揄している心算はないが聞き手によっては嫌味に聞こえるか。目先に花火らしき商品を取った掌をちょっと待ってと突き出せば空港の幕間を彷彿とさせる。)
三国雪緒 07/22 (Wed) 13:04 No.23
意外だわ。三国ってもっとのんびりしてて穏やかな人だと思ってた、つい最近まで。(夏休みのバカンス行きが決まり、共に昼食を摂ることが多くなってきてから日々変わり続けるクラスメイトへの印象は当然悪い心地はしない。余計な意図を持たない声色はあくまでシンプルに淡々と。)でも私、別にインスタとかやってないし……、………三国さ。(見せた腕をつつかれ、日焼けの話が続いたところで一度閉ざした口を開き、名前を呼べばその顔を改めて見上げ)もしかして、夜行性?…というか、朝に弱いだけかしら。いつもより元気に感じる。(馴染みのない真新しさを面白がるのは同じとして、例えば目に映った変な被り物を手に取ってみたり、口数が心なしか多く感じたのは気のせいだとしても。未だ日中の姿しか知らないから、続けた言葉には少し笑みを滲ませながら──それも束の間、すんと降りた口角。「なっ……」騙されたと気付き、薄く開いた唇は震え、刻まれた眉間の皺、青白さはやがて怒りと恥で染まった赤に。)うわっ……うわ!!むっ むか、むっかっつっく……! は?つまり完全にデタラメってこと?ちょっと笑ってんじゃないわよ、おい返事しろコラ。ゲラ。ちょっと。こっち見なさい。(花火を取り上げ、ハーフパンツから伸びる脹脛を蹴ったった。当たれの念は込めど、仮に当たったところでダメージなんて無いに等しい威力。)
北村伊鶴 07/23 (Thu) 22:34 No.34
え?(それは到底日本じゃ手に取らないシュールな面を手に取った折。夜市の路面店の雑多なガラクタ犇めく一角て卒然と名を呼ばれたきり沈黙が包めば頭上に疑問符浮かばせ数秒後。瞠目ののち目弾き一つ挟めば鼻面に皴を刻むのは解り難いが確かに笑みだった。表するなら悪戯が見つかった頑是ない餓鬼。)楽しいんだよね。燥いでるんだ。うるさかった?(でもそんなに明け透けなのは恥ずいなと緩くウェーブする髪の毛を掻きあげたらトンチキお面で少女の相貌を覆わんと。気温でない暑気に充てられ熱冷ましを試みる掌は然し数秒後富士山噴火に劣らぬ事変に見舞われ防御一辺倒と化すだろう。)あっはは!ごめ、ほんと ごめんって、(のっぽの体躯を折り罵詈雑言を背に受けながらも鎮火の兆しを見せぬ笑声は見事顔色グラデを為した少女の神経を逆撫でするだろうか。最もな憤怒へ真摯な「ごめん」を真面目腐った表情で告げんとするも一秒で瓦解、「っぶ」と再び見舞われた笑みの渦は)ッイ!(蚊みたいな力加減だとて痛がる素振りを免罪符とする狡猾さも明け透けか。一頻りの嵐ののち眦へ浮かんだ水分を指先で払えば)これ買ったげるから許して。どうせなら「なんでも治せる葉っぱ」見つけにいこうよ。ここにいる間に。(そのままひょいと取り上げた花火を会計に通し怒りの名残を伺う表情はご機嫌とりと言うよりは純然たる願望。夜気香るビーチサイドへ爪先切り返せば序のバケツとライターを揺らして場所探し。)
三国雪緒 07/24 (Fri) 23:03 No.41
(煩いかどうかの問いにはただ首を横に振るのみの返答ながら、現地の味が溢れていそうな面が被されそうになれば容赦無く手の甲で払うように拒否しつつ、その面の横から暖簾を潜るように首を傾げた顔を覗かせ)はしゃいでるの…三国って普段何して遊んでるの?こっちじゃなくて、日本にいる時。はしゃいで遊んでる想像があまりできない…(彼が燥ぐほど楽しくなるツボを探るつもりの疑問符を投げ掛けてみる。ハリボテ1秒の真面目謝罪はこの女の鼻息を荒くさせるのみ。騙した彼よりも騙された自分自身に対する羞恥の方が何なら大きいが、そんな内情を顔色のみから察する事は難しいかも知れない。歩み寄りの言葉と共に会計を済ます傍ら、続くように店を後とすれば歩きながら肩を竦め)毒味は勿論三国がするのよね?そのデタラメを言う口がきちんと治ったら私も頂こうかしら。(砂浜に足跡を残すように一歩一歩を大きくゆっくり進みながら、やがて手頃な場所で足を止めれば両手を差し出して花火の開封を急かし中身をねだる。)私、今年初花火!三国は?
北村伊鶴 07/26 (Sun) 02:03 No.49
(素気無い掌に敢え無く退散喫したら面をもとの場所へ戻しがてら)ゲームも好きだしアウトドアも嫌いじゃないよ。誘われたらどこにでも行くけど拘りは無いかな。一人になるとヒキっちゃう逆に。(日本での生活を想起しながら当たり障りない日常を吐露。「でもね、聞いて…」と切り出すのは憂慮染みた視線を添えて「そういう北村は普段何してるの?」と切り返すのいまいち顔色から感情掬い切らぬ少女へ早々と話題転換するが吉を判じたが故。)なんでもかんでも食べたげる。それが毒でも薬でも死なばもろともでよければ。 あ、やだなふざけんなって言われそう。(数十分の会話の経験則はぴょんと一歩距離空ける保険へ託ちてビーチまでの数mは緩い駆け足。粗雑に破いた包装からセロファン付けの花火を種類毎に並べながらバケツに海水をくんで準備万端。)俺も。花火大会も今年は行ってないから、火薬のにおいでワクワクだよ。(ポケットからライター取り出せばどれから行く?と視線で問いかけ仰せの通りに指先が右倣え。軈て火花が噴き出せば「おっ!」と感嘆めいた声が零れ落ちるだろう。)
三国雪緒 07/27 (Mon) 14:48 No.65
ふーん……(特別拘りは無さそうだから、一層燥ぐタイミングを掴みかねているのが事実。返答にいまいち煮え切らない曇った相槌を落とすが、まだ続くようなら細くなった双眸がまた一握りの期待に僅か見開かれ、急かすような「なに?」)私は、日本じゃ何もしないわよ。やっても本読んだり映画観たり…あんまり一人で外歩き回ってもねえ、出先で体力切れたら終わるから。(並べ始めて、大して面白味のない日常に気付かされれば視線を斜めに落として決まり悪そうに黒髪を指先で弄る。その眸が再び、極論に引き寄せられるように傍らを向けば)重いわ。三国はゼロヒャクなの?サボテンは水与えすぎて枯らすタイプ?(良くも悪くも加減が下手そうな印象に変わらず無遠慮な言葉を返す。危機予知能力で置かれた距離に鼻を鳴らし「言われたかったのかねぇ」とひとりごち、追いつきはしない足取りで後ろに続いた。大凡同じくらい盛り上がる中、礼と共に受け取った花火が間もなく火花を散らすなら感嘆の声も同じく)あは、本当に明日帰るみたい。一緒に島一周したの楽しかったわね。三国の自転車が途中でパンクしちゃって…(未だやって来ていない未来を好き勝手に作り上げてそれらしく思い出を振り返る遊びは突発的に。)
北村伊鶴 07/28 (Tue) 21:34 No.90
あれ?俺今何言おうとしたかな。(沈鬱染みた視線を持ち上げて一拍、とぼけている訳でなく本気で一瞬の内に忘れ呆けたら「思い出したら言うね」は拍子抜けの風采で。)そんな気になる?俺の生態。あんまり個性的な生活はしてないと思うんだけど。(斯くして急かすような色を双眸の端に見留たからこそ不可思議に小首傾げ問い返す。互い面白味の無いと自認する日常の吐露へ至れば苦笑いも揃いの顔貌だが「一緒のときはおんぶしてあげるね」は特段揶揄も孕まぬ台詞。体力だけはあまりある上背をフル活用する気概だが一蹴されればそれはそれでちぇと舌の端を噛むだろう。)メンヘラじゃないんだから。たまに唐突だねって言われるくらいだよ。(NOメンヘラを証明すべくまっさらの手首をひらりと掲げ告げたるは否定半分肯定半分、「これでも担任に夏休みの花壇の世話を頼まれるくらいだからね」と植物との親和性をアピりながら)でもあれタンデム自転車だったから結局二人揃ってとぼとぼ歩いたの楽しくなかった?俺はクジラ見に行って船酔いしたあげく飛沫ぶっかけられた北村がおもしろかったな。10段バーガーチャレンジでして秒で死んだのも…。(結局俺が全部食べたよねと告げたる口吻は嬉々として捏造未来は天井知らず。意味のない茶番なぞ世界一楽しいに違いないから未来への思い出話は一本目の花火がさやけさに消えるまで)2本目はド派手に行っとく?(掲げるのは手持手筒。)
三国雪緒 07/29 (Wed) 18:18 No.99
うわ。(すかしを食らうなら、内心期待していただけに忌まわしそうに歪む表情も不満な声も明らか。絶対思い出さない…と独り呟く声は波の音に消えたか、確かに関心以上執着未満のベクトルが察されるようなら)焦らされたから余計気になったわ。別にふーんで流せたのに…(尖る口はされど続けて開けば)まあでも、そこら辺はひと月以上一緒に暮らせば追々分かりそうね。ヒキるなら偶には声を掛けて。私もどうせ暇してるだろうから。(運搬方法の提案には間髪入れず「嫌よ」と拒否の意思を見せれば、傍らで鳴ったちぇにフフと満足げ小さい笑い声を返した。)あー頼まれてたわねそういえば。……でもなんか、あんたって一部から怖がられてそう。三国って部活入ってるんだっけ?バイトしてる?清掃員とか似合いそう。帽子深くかぶってね。いかにも怪しそうなやつ。(エアでつばを握って深く被る仕草と共につらつらと印象を並べ。砂浜に吸い込まれて消えていった火花を見送り、予想以上に膨らんだ不穏な未来の話に手元からまた顔を上げれば)とんだ不憫体質じゃないの、私。じゃあ三国は、そうねぇ…いきなり現地の女の子にプロポーズされてぇ… お。賛成。(両手を突き出し受け取れば着火。先程よりも強めの火花に機嫌良く浮いた声を上げて)楽しい!あ、ねえ三国。先に消えた方が生き残った方に帰りハイチュウ買ってあげるルールね。よーいどん。(有無を言わさずスタート。さて、生き残るのはどちらの花火か。負ければきっと、残りの花火使い切るまで何度でも挑むつもり。)
北村伊鶴〆 07/31 (Fri) 19:06 No.124
「わざとだよ?」ってこういう時使うのかな。でも憎らしいってまた蹴られちゃうかな。(某少女漫画の使い古された台詞を耳朶に乗せたのは思い付きに過ぎないが既に小憎たらしいレッテルを賜っている現今、マイナスに作用する未来に天秤は傾いているか。「いいの?かけるかける。一緒に暇つぶそう。」と一も二もなく提案へ乗じれば何からしようかなとは尚早な期待と次なる機会へのお楽しみ。さやけさに消える花火をバケツへ放れば2つ目を着火して波のような軌道を描きながら)お  俺が?怖がられてる?(は腑に落ちないとばかりの鸚鵡返し。言外にどこが?も含有して)バスケ部と文芸部だよ、頼まれて入っただけだから幽霊部員だけど…。俺へのイメージ大火傷してない?(眦下げて泣きそうと顔貌が物語るが日頃の行いと言えばそれまでの自覚は余りあるからいじけ虫の様相で。「ぜんぶ本当の未来にしたいって事だよ。不憫なとこだけは除いてね」と素直な希求を吐露したらYESorNOはNOイエスマンの彼女へ任せよう。ド派手な花火を一頻り楽しんで燥ぎ尽くしたら互い全身に煙臭さを纏わせて)お風呂入ったのにせっかく。まあいいか。いいよ、負けないし。(フライングダッシュへ負けじと腰落とせば儚い灯火にめいっぱいの賭け勝負。一度ならず二度ならず、花火を使い切って尚勝負が付かなければ次回へ持ち越し大歓迎にて今宵は互いにハイチュウをプレゼントする両成敗に甘んじよう。)次は負けね。
三国雪緒〆 08/01 (Sat) 00:40 No.130
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