キミがケーキのロウソクを吹き消す姿が想像できないよ、あらた!

(胴上げ失敗からそれほど間をあけず主役その人へ駆け寄る。南の島を同じ部屋で過ごした彼に対してただひとつの“おめでとう”だけで済ますはずもなかった。)あらた、誕生日だな!ケーキが食べたいか?そういえばキミの好きな食べ物はなんなんだ?何かほしいものはある?(欲しい物があれば何でもかんでも用意するという気概が質問攻めに現れて、周りをうろちょろする落ち着かなさは動きだけで喧しい。文化祭を明日に控え最終的な仕上げへかかりきりになるこれからを思えば、彼の時間を頂戴できる時間も限られてくるだろう。捕まえておくような気持ちで肩を組んだがその直後、思い出したように「あ!」と声をあげた。)そうだ、あらた。これがアポロちゃんだ!(卒然と取り出した馴染み深い長方形の箱を取り出せば、パッケージのピンクいうさぎを指差す。過日その存在を知らない様子だった頃から紹介したかった彼女を彼に引き合わせる事がかなえば、満足顔で開封済みの箱を上埜へ押し付けるように手渡した。)今のところはコレにしておこうかな。星アポロがあったら教えてくれよ!あと何か欲しいものを思いついたら声をかけてくれ。(そうして肩の拘束を解けば無遠慮に数度上埜の肩を叩く。明日は死ぬほどに楽しもうな。だが明日よりも今日がキミにとって楽しい1日でありますように。体躯を翻す間際にこめた手のひら越しのおまじないもどきは、なんてことはないただの願望なのだけれど。)
橘鷹銀河〆 09/12 (Sat) 16:31 No.759
(胴上げ失敗の要因は人数不足だったか、それともやる気不足だったかいざ知れず。何せわらわらと人が集っては去るまでが早く、理解が追いつかないまま硬い床に打ち付けた気がする腰を擦った。顰めた顔が方向転換したのは鼓膜を叩く喧騒があったから。視線を左右に移ろわせながら口開こうとする度、彼に勢い負けして噤む。繰り返しに耐えきれぬ性根が頭を擡げ、終いには「おい、止まれ」簡素な言葉で制し漸く自分のターンを手に入れて、)ケーキは別に、今は肉、…泳げるプールが欲しい。(欲しい物は7割本気。文化祭準備の被害に遭った朝間高校屋内プールはさて彼にどうこうできるか。本気と書いてマジと読む双眼を級友に向けるも、肩に腕回される頃には半目と化している。)こいつか。(眼前現れたピンクのそいつに説明加えられれば曖昧だった知識に輪郭が生じる。何だかずっと前から知っていたような心地憶える彼女とまみえるなら、箱を受け取るや表面を親指の腹でひと撫でし、)教えっけど俺が食う。  んだよ、いってーな。(アポロを巡る彼との悶着はまだまだ続いていこう。衝撃受けて眉根に皺刻み大袈裟な抗弁発するものの、唇は波立っている故に効力は何も無い。)もう貰ったからいい。(頼めば金銭やら騒がしくも腹擽る反応、喜色滲む言葉、何でもくれる彼に望むのは。遠ざかる背中を満ちた眼差しで見送った。)
上埜新太〆 09/22 (Tue) 23:09 No.954
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