柊はなにで釣られてくれる?ねじねじポテト?梅きゅうり?

あら素敵な男の子みっけ。もうお手付き?(藪から棒の三文芝居は色彩のごった返す教室の片隅でナンパ男宜しくはなたれる。嗜好が知れず浮き彫りになった過日、死にたくなったと宣った通りの己の浴衣はまあ二の次にしても買い出しのひとときをよもや忘れたなんて言わないで。蝉時雨よりしつこく耳朶に吹き込んだ希求が叶うんだったらどんなのかなって感興に瞬く双眸がいちのいち少年を探すのだって無理あるまい。編み込んで露になった額が良好な視界を手に入れたら遮るもののない瞳にその風采を迎え入れる準備は万端だ。予め胸裡に用意してあるとっときの褒め言葉だって謡うように出ちゃう未来は如何に。斯くしてふと教室の右一角に屹立する屋台の中にへちゃむくれた装飾を見留めたら)ねえあの切り絵のかざり絶対柊が作ったやつでしょ。ぶさいく。(揶揄交じりの笑声がちっちゃく埃っぽい教室の空気を裂く。)
小田仁希 09/11 (Fri) 13:23 No.730
仁希と目が合った5秒前くらいから客引き向きの営業スマイルほどけてたな。あと5分で無印になるよ。(ヨーヨー釣りのブースで担う店番の縛りは残りおよそ5分。どうだろう。与太話を交わす内に自由時間まで残り3分を切り始めたかもしれないな。)実はお手付き払ってフリーになったら校内一緒に回ろうよって誘いたい子がいるんだよね。その子、今日はサクレ色の浴衣着るって言ってたんだ。(あさま祭の名前が入ったチャチな団扇で髪をなびかせながら、男は絞染めの柄を散らした濃灰の浴衣の腰元を白い献上柄の綿角帯で絞る装いを教室に溶け込ませていた。)誰かさんの浴衣姿に比べれば不格好だね。(視界の端ではブスを極めた様相をセロハンテープで補強された提灯が担っていた。切絵で模した提灯を引合い「可愛くしてきたね」を語る対象はもっぱら“誰かさん”に絞られる。)知ってる?中庭で2年がレモネードの屋台出してるの。一緒に行こうよ。おまえの柄見てたら酸味が恋しくなった。(椅子から立上がる序、「自転車のさ」口火を切る話題は矢庭に過日の思い出をなぞる。)後ろに乗るのってそこそこ運動神経いるんだね、あれ。知らなかった。(2ケツを選んだ買出し道中。荷台に乗るのに向かなくて結局延々ペダルを踏んだ男の主張だった。)
葉邑柊 09/14 (Mon) 12:15 No.793
えーっ…。なんだあ…。(もうツバ付きなのと不満たらしい物申しは落胆を隠さず、しょぼくれ混じりの呼気。然して舌先に名残った気さえするアイスの名が耳朶打てば思惟耽る一瞬、自分の浴衣へ視線を落としてまた一瞬。眉間の皺は正誤を探るように「それ あたし…?」は自信3割の切り出しで)あたしじゃなかったら大暴れする。(後押しというか強引というかな言ったもん勝ちを発揮した。)誰かさん?の浴衣姿も柊の浴衣の前だったらちんちくりんだよ。すごい素敵。似合う。やだな大人しくしててほしい。(称賛と暴言が綯い交ぜになったちぐはぐさは承知しているが上から下まで眺めての感想としては正解。見つかっちゃわないでと危惧する心持ちで「でもオリジナルでいいのかも。かわいくて。」とぶさいく~な提灯も思い出の一幕としてスマホに収めてみた。)行く!はちみつレモンとレモンスカッシュとフローズン。どれにしよう。(はやくと急かす指先が帯をつっついて、燥ぐ爪先に合わせてレモンが踊る。教室を抜けて人いきれを縫いながら中庭へ向かう道行き、) ふ  ふふ…。そのまま後ろ乗ってたら落っこちるか共倒れでずたぼろだったかも。でもずーーーっと荷物とあたし乗っけて漕いでたから、今日まで筋肉痛で死なないかな?って心配だったよ。大丈夫だった?(それは過日海でコケた姿とか水飲んじゃった姿とかを想起しての所感だが、面白がってる風采は否めない。軈て目を引くレモン色の手作り看板を双眸が映じたら「あれ! あれかな?」と弾む爪先が浴衣に頓着せず駆け出す勢い。)
小田仁希 09/15 (Tue) 04:01 No.811
(自信3割の切出しも発言主が彼女ならば自惚れにはあたらない。いうより寧ろ心の内を掬い取ってくれる察しの良さこそ希求していた展開で、「“あたし”じゃなきゃ俺は嫌だな。」と吐いた主張は彼女のものによく似た探り探りの語気。)やなの?店先で延々大人しくしてたらサクレ色の浴衣の子を誘いだせないけど。(なんだそれ、と発語する吐息に笑気が混ざり出す。自分にとってはどうだっていい不細工な提灯ひとつとて思い出の一ページに切取ろうとしてくれる律義な彼女の指先も好感が持てるけれど、「映すなら俺はこっちの方がいいな。」と放つ願望込めたこちらの指先は身儘に彼女の液晶に触れる。インカメボタンを押下することが叶えば前後切替わるレンズが二人を映し出すだろう。)仁希。笑って。それからデータ俺にも頂戴。(気紛れなテンポで何度かシャッターを押したから、彼女が1ショットめから表情作りを間に合えたかどうかは知らない。過日なつの盛りの海中遊泳を思い出すそんな距離感が笑顔の後押しとなる。)近所の店から急な注文あった時には、店の手伝いで酒瓶積んで走るんだけど。比べればおまえなんかよっぽど軽かったよ。原チャの免許取ったから、自転車に乗らなくなるこれからだったら体力落ちて悲鳴あげてそうだけど。(とはいえ全身筋肉痛に陥る現実は見栄を張って口割ったりしない。置いて行かないでと駆けだす黄色の浴衣の裾を捕まえつつも釣られてこちらも足早になる。)フローズン、レモンクリームにレモンソース掛けだ。これは分けて食お。飲み物なら俺はレスカ派。
葉邑柊 09/18 (Fri) 03:52 No.876
うん、体育になると途端幽霊みたいに気配消してる男の子、くらいの印象が覆っちゃうかもしれないでしょ。かどわかしちゃいたくなる。なんで?(”あたし”のルビに”小田仁希”が正解なら誘われたがりの欲と天秤に掛けた末の渋面は悩ましげな呼気となるか。手作り感満載の提灯から途端華やいだ自分たちが映じられたら一枚目のシャッターに間に合わず、ぱかっと口開けた間抜け面が切り取られて。)ちょっとー!(予告してよって咎める一瞬から澄まし切った笑顔まで気まぐれな指先がカメラロールに枚数を増やしていけば、堂々とひっつく大義名分を失った今じゃおりこうさんな距離を保った侭「一枚くらい柊の間抜けなショットないかな」と熱り立つ。)原チャ?…… !二人乗り出来る…??(耳慣れぬ単語に感興湛えた瞳が輝いたら無知をひけらかす唇が恩恵に肖らんと弾む。「そしたら今度こそあたしが前漕いだげるから、後ろ乗る練習しよっか」と共倒れ回避の未来にひた走る気合は満点だった。せっかちに棚引く裾が捕まったら少しだけ緩慢に代わる下駄の音がふたつぶん。)超おいしそう賛成!太陽捕まえた日レスカの話したの覚えてる?(やったやったやったと天井知らずのテンションは真っ黄色を前にして尚顕著。サクレを溶かしたみたいなフローズンに黄色まるけのソースとしゅわしゅわ弾けるレモンスカッシュとまあ手に入れてみれば)今99%くらいレモンで出来てそう、あたし。(眦下げて含羞混じりに噴き出したら先んじてフローズンを掬ってその酸味に舌鼓。レモンスカッシュは酸味を恋しがる葉邑にストローを差し向けて堪能してもらおう。)おいし?
小田仁希 09/19 (Sat) 06:39 No.902
(人攫いの策をたてて彼女と一緒に文化祭の波に溶込もうとしているのは寧ろこちらだというのに。かどわかされる身に転じる運命がワンチャン残っていようとはまさか思わなかった。)小田仁希と一緒にいる時間が癖になってるんじゃない。その子と過ごす予想外の展開が好きみたいだから。(向き合う“なんで”の答えは彼女が求めたものと同じかどうかはさて分からないけれど、自分なりの解釈を団扇で仰ぎ風に乗せる。)見てないよ、まぬけ顔なんてちょっとも。(先制して押下したシャッターに間に合わぬ彼女の表情を液晶ごしに見つけてすぐ。堂々と吹出した癖に唇はうそぶく。戯れの一環。おかげさまできょとん顔からの目尻に皺が刻まれた爆笑顔に過渡する葉邑の表情がカメラロールに残っていた。)物理的にはできるけど、危ないから仁希をのせるなら自転車。……前に一瞬乗った時、後ろ、あんなにめちゃくちゃ恐怖だったのに?(焦燥に駆られる未来しか見えない筈なのにきっと明日の帰り道なんかには前後のポジを替えてニケツしてるんだろうなとすら思う。)勿論。レスカの略語はおまえから教わったも同然だし。これを貢いだら仁希の腕が俺のメモ帳になるんだっけ。(手渡されたストローを彼女が持ってるんだろうレスカのボトルに差込んではいどうぞのつもりだったけれど、どうやら彼女のレモン成分99%を崩すのはこちらの番らしい。腰を屈めてストローに口付けるレスカは予想以上のうま味。いっそボトルごと受取って二口目を喉に流すあたり、レスカは奪ったも同然の状況。)うん。手放し難くなったくらいには。レスカを手に入れた代わりに、メモ帳代わりの腕を差出すのは俺の番になったな。(貸切りの太陽を瞳に閉じこめた過日に交わした茶目99%の口約束はあっけなく対象がすり替わる。)
葉邑柊 09/19 (Sat) 16:24 No.906
今、すごく、顔がにやけて鼻がふくらみました。ふ ふふ……。(怪しげな笑みは我慢する傍から零れ出るから折角の一張羅で放送事故が起こらぬように顔を覆う防衛策。はあと呼気ひとつで表情取り戻したら「ぜったい嘘じゃん」と見るまでもないカメラロールにコマ送りで残されている証拠を印籠みたいに突付けるより先に。)笑ってるのはこの小憎たらしい口かしら?(噴き出した唇毎ぎゅっと抓ったら力行使の鬱憤晴らしは序に間抜け面を拝めたらいいなの希望則。)わかった、それはあたしのふらふら運転のせいかも。脚力鍛えとかなきゃ。ジェットコースターは平気なタイプ?(悲しき哉帰宅部の体力不足へ一拍遅れて気が付いたらいつかの未来とか例えば明日とかに向けての意気込みもわけない。「そう。明日の持ち物、録画予定のリスト、テストの範囲。なんでもござれだよ。」いつかメモ帳代わりの交換条件として提示したレモン色がお気に召したらしい現今、指先から離れていくボトルを映じてから「あーっ ぜんぶ飲んだらだめ」は半分本気の食い意地が覗いて不満たらしい物申し。残されたフローズンのクリームを掬ってからもう一口と確実にレモン100%に近付いてから「すっ  ぱ」と唇を窄めるのは欲張りたがった大口のせい。)油性マッキーで書かれる準備できてる?ちなみにちなみにあたしのポッケにはいつもマジックが常備されているよ。(風貌を変えても例えば浴衣の袖の下とか帯の隙間に、トンチキ奇癖をドヤ顔でひけらかしたら「手始めに―…」とそのまっさらな腕に落書きする戯れがはじまるか。斯くしてどちらが攫ったのかかどわかしちゃったのか最早境目もぼやけるひとときは玉響の如く過ぎ去る筈で、夕暮れに程近い刻には「もどる?片付けある?次の予定とかも」とその後の予定に合わせて解散と相成るか。それまでにもうちょっと隣を歩いていたい胸裡がやたらめったら歩みを遅くするから、慣れない下駄を口実にする小癪な前準備だけは万端だった。)
小田仁希〆 09/21 (Mon) 01:32 No.926
顔覆ってるのに掌の内側晒しちゃうのはどうなの。俺は袋とじの中身はネタバレ聞くより自分で開きたいタイプだよ。(折角の防衛策を無下にしたがる手指が伸びて彼女が固める指先の防御を一本一本崩そうと試みるけど、もしかすると彼女の抵抗力の方が強いかもしれないし、上手く崩した所で彼女の笑みはとっくに冷静を取戻しているかもしれない。葉邑にとっては結果よりも過程をたのしむ戯れだった。腹を立てられたって可笑しくないだろう悠然とした表情は、それでも永遠を保つことは叶わなかった。瞬いた瞳が、どこを摘まんでるんだよとでも言いたげな吃驚を宿したところで言葉が明瞭に発せられないのはスピーカーを塞がれたも同然な状況がそうさせていた。状況の滑稽さに寧ろ笑える身としては、やめなよを捏ねた指先で、唇を抓る側の彼女の横腹を擽りにかかるのが考えついた反撃の手。笑声が口端から零れたし、なんなら同時刻には逆手で彼女の手を口許からもぎ取っていたからやっぱり滑稽。)華奢で可愛いか、逞しく頼れるか。(脚力の鍛錬に励むか否かで枝分かれする道はどっちを選んで貰ったって良かったけれど。別に今のままでも良いんだって思う心は残しておいた。)飛行機の乱気流に涙目になる男だからお化け屋敷の方が好き。レイジングスピリッツはいけるけどええじゃないかは魂口から抜けていくと思う。(なんでもござれを呈示し返すにはレベルが低い身としては、“うん平気”だって得意げな即答はできかねた。「ジェットコースターは平気なタイプ?平気そう。」「フローズンは俺の分残ってるの。」レスカのカップを彼女に向ける所作はあげるよっていう意味を溶いて。そのさなかに酸味をあらわにする感情豊かな表情見つけたならば自然と吐息に笑みが混じる。酸いた感情伝播して、なんだかこっちまでレモンを丸齧りしたような気になった。)サンセット眺めた時は水性マッキー持ってたじゃん。どこに隠した。例えショッキングピンクでやられても祭だから許される気はしてるけど。(無防備にさらした手の内側は、覚悟の上とて書出された直後はきっと待ったを口走るだろう。)知らなかったんだけど俺ってもしかしてヒ弱かも。降参。(こうも簡単に。遊ばれるペン先はやけにむず痒かった。)遊園地いつ行く?日付だけ書いておいて。それでおしまい。(行こう、とだめ押しの誘い文句。解散の訪れは近いけれど、ならまたかどわかせたらいいかなって。)
葉邑柊〆 09/24 (Thu) 23:54 No.966
name
color
pass
0文字