仁希。かわいい。

おはよう。(文化祭当日朝。まだ半袖の制服に通した侭、女子が着替える控え室で親友の姿を発見したならさり気なく隣を陣取る図々しさ発揮。「お祭りやと何がいちばんすき?」「わたしはスーパーボールすくい」とか何とか与太話を淡々と告ぎたくて、けれどお隣さまの居る今日は雀躍隠しきれず言葉尻が跳ねる。斯くしてふたりとも着替え終えてしまえば、LINEで伝った約束は絶対叶う。)かわいい。見せて見せて。(白地に水縹の紫陽花が咲き誇る浴衣に眸の色に合わせた薄紫の帯を締めて完成としたなら、彼女のをよく見せてとばかりに乞う。朝一番の店番すべくして準備したてづくりの出店を見渡したなら、)あれ。うちらどれの当番からスタートやっけ。(店番決めの際の唯一の拘りが彼女と同じであることだったから、忘却の彼方の記憶を引っ張り出すより問う方が早いと判断。)
巽志真 09/10 (Thu) 21:48 No.716
はやすぎない?(眦下げて噴き出す朝は上々の出だし、だって隣に巽が居る。キャミソール一枚に制服のスカートホックへ指先掛けたタイミングでの邂逅はその実約束されたものだったから「奇遇、あたしも!」「あと梅きゅうりとフルーツ飴は外せないよ」と雑談も滑らかに唇を割る。スカートを床に落としたら、夏の盛りを取り戻せ。)もう反射でかわいいって言ってない?ちゃんと見たあ?(値踏みするような視線はけれど秒で瓦解し破顔一笑。淡い水色と白のおおぶり市松が手描きタッチで描かれる浴衣はその上にレモン柄を散らした涼やかさ。きゅっと締めた同系色の太ストライブのカラー帯を翻してくるくる回る様相は何は無くとも燥ぎたがり)志真とってもかわいい!こういう涼しい色が似合うよ、無敵かも。(薄紫の帯を弾く指先には互いのイニシャルが淡く光っていることだろう。飾り立てた教室はクラスメイトの色彩でごった返すか、その中を縫いながら)最初に輪投げで、その次が あ、やったじゃん、スーパーボールすくいの当番だって。キッズに意地悪しちゃお。(編み込んで適当にだんごにしてバレッタぶっ刺しただけのほつれ毛を掬って笑う。)
小田仁希 09/11 (Fri) 11:42 No.729
(「それなら箸巻きも」「フルーツ飴ならりんご」。尽きない雑談は容易に花咲いて、脱ぎ捨てた白シャツの折り目も今日くらいは適当でいい。着慣れぬ装いだとて、隣とお揃いは何だって心地好いから背で帯も喜悦に揺れる。)だってかわいいから。(瓦解前の眼差しに頬膨らませて眉根寄せるのは幼子のかんばせに近いけれど、つられるようにして口端が快活に笑みを落とした。淡色の市松を彩る檸檬は彼女のために作られたみたいに感じるのは贔屓目の自覚こそあれど、そう見えたのだから仕方ない。360度どこを切り取ってもその所感は覆らないから今一度、)うん。やっぱりとくべつかわいい。今日はおだんご?仁希のニックネームと一緒。(てっぺんで丸まった髪を眺め入っては、自身が彼女の名を素敵と口走った日の話題に遡った。自己に手向けられた賞賛は含羞も確かに胸裡に渦巻いて、でもそれ以上に「うれしい、ありがとう」。)わ。ちょっとポイ、破れやすくしとく?  や、さすがに冗談。(神妙な面持ちで宣った意地悪は、口から出たあとあまりの性悪さに訂正印。訪れる推定年齢小学生のキッズたちに、投げる位置の説明やらルール説明は淡々。慣れぬ相手には業務的口調でしか話せないさまがありありと。)
巽志真 09/12 (Sat) 13:48 No.751
そいえばこないだサマリンのカップル特集の写真も見ちゃった。それもかわいかった。(互い互いの前で一番可愛いと燥ぎ合う朝を想起して、芋蔓式につい最近になって配布された映像を引っ張り出してのしたり顔。鏡の前でリップを塗り直す最終確認を終えたら控室の扉を潜って)そ、おだんご~♪って呼んでくれていいよ。志真は髪型変えたりしないの?(目に馴染んだおさげの先っぽをつんと引っ張る。クラスメイトと時折言葉を交わしながら持ち場の輪投げのエリアで備品の確認の傍ら「ヤカラだ、ヤカラ」と茶化すが然し己のフープピアス程度の輪っかを探り当てれば「これ高橋くんと作ったの。超難易度高い輪投げにしてやろって言って」と治安悪めの目配せを送ることだ。斯くして客入りもそこそこの学祭開始から暫く。)ね、あたしたちさ(徐に口を開けば真剣極まる様相で告げる二の句は)確実に子供の相手、向いてないよね…。(横目に映じた業務口調といい小児向けでも融通の効かない己と、畏まってユーモア1つ把持せぬ現今が可笑しくで言った傍から笑ってしまった。)あ、もうそろそろ交代じゃない?ずっと店番してたいつもりだったけど志真どこか行きたいなら一緒にいく?(例えばフルーツ飴とか何とかカフェとか、今日のために配布されたマップを片手に広げたら「どこいこっか」は忙しなく紙面を滑る視線の片手間に。)
小田仁希 09/13 (Sun) 00:30 No.766
それは仁希がかわいくしてくれたから。(終ぞ渦巻いた羞恥に打ち勝てず、朱を知った耳殻を隠したい指先が毛先を編み直し。自分は棚上げして、「あの笑顔の仁希の写真可愛かったな…葉邑グッジョブ」の本音が本音らしく静かに落ちた。扉潜って響き渡る廊下の独特な誼譟も何故か耳障りが良い。)なあ、おだんご。  て、わたしが呼んだら好きやのに意地悪しちゃう小学生男子みたいになりそ。(馴染みないあだ名を大仰に声音凄ませた悪舌も、「他にできるのポニーテールくらい」はあっけからんと不器用種明かし。縁日専用のチケットボックスを整理しながら、目配せの先の輪っかを見るや口端が歪に持ち上がる。)ムズッ。イキッてる先輩きたら渡したろ。(ふたりの空気に於いては笑んでばかりの癖、ウィットに富んだ対応など一切ない店番時間は右に同じく可笑しくて「まず話し方が分からん」は対ちびっこへの苦手意識。漸くの交代時間に存外凝った肩を浴衣崩れぬ程度に回転させては、)ずっと店番は気を遣って肩が爆発しそう。3年生がコスプレ喫茶店やってるらしいから、ちょっと休憩しよ。(彼女の手元で広がる地図の上に視線滑らせたなら、「あった。ここ」と人差し指がとんとん。それからと追随したなら、彼女の双眸を捉えた薄紫の目を弾いて浮かべるはひとりの級友。)心のダンス部のステージも見に行きたくて。
巽志真 09/13 (Sun) 13:49 No.777
あたしに可愛くされた姿で違う男にほっぺ染めてたの誰よ。(まるで浮気者を糾弾するかのような視線は茶番めいているから直に瓦解し、「全身から好き好きオーラ駄々漏れてなかった?」と羞恥心孕んで苦笑いを浮かばせたらその名残でも気にするかのように自分の肩を掻き抱く。華やいだ装いに胸が弾んでテンションは高め一辺倒だったが然しイキり散らす先輩よりも寧ろチビッ子たちに逆に手玉に取られる未来なんて誰が予想したか、或いは予想に容易い顛末か。)なんか超真面目くさった話し方になっちゃう。泣かれなくてよかった…。(互いに若干よれた風采と相成るか、早々に「いいねそれ」と転じるのは当番交代まで残り5分の折。)楽しそう。おいしいのあるかな?喉かわいちゃったし、フルーツ飴もいきたいね。(人差し指の差す場所へ視線落としながら)もちろんいこ!ついでに差し入れも買ってく?ちゃんと超可愛い姿おさめたげなきゃ。(言うが早いかタイミングよく店番交代を報せるクラスメイトへ頑張ってねと一言告げてから巽の指先を引こう。「飲み物買って、心んとこいって、喫茶店いってフルーツ飴。どう?」とマップを脳内で繰りながらコースを立てれば人いきれを縫う道行き。)タピオカかバナナジュースか、心にミルクセーキ差し入れるのってバカかな?(砂漠でバウムクーヘン食わすみたいな嫌がらせ未満悪戯以上を思い付きで、照準定めぬ指先がどれにしようかな。)
小田仁希 09/14 (Mon) 14:33 No.796
(寸劇の彼女は「そういう仁希だって」と語気を荒げたがるも、一笑がその邪魔をした。そんな時間とて経過と共に不慣れ故の独特の疲弊感に見舞われるから、一層子供たちへの対応はマニュアルから一歩も逸れないそれとなる。)な。わたしは小学生の男の子に「なんやこいつ」って顔されたん、ちょっとショック。(愛想笑いのひとつも出来ぬ仏頂面が苦々しく訪客を想起するけれど、少し歪んだ帯を指先で整える頃には疾うに苦さは消失。次なる刺客のキッズが来る前に予定を決める口吻は雀躍が彩って「美味しいケーキ出てくるってうわさやで」。当番交代の報せ受けて指先引かれる侭に廊下に出たなら、外気吸い込みたくて大仰な深呼吸を一度して)一週間分くらい気遣ったかも。喉カラッカラ。大賛成。(手掌で顔を仰いだとて然程の風は来ず、人混みをすり抜ける足取りは彼女任せに近しい。辿り着いた先、素直なひりつく喉も級友への悪戯心も、どちらも持ち合わせた視線がメニューの上を滑った。)心なら喜んでくれそうでちょっと良心が痛む。(口振りとは裏腹に口端が持ち上がれば笑みは止められず、「わたしはバナナジュースにしよっかな、はんぶんこする?」の決定報告とともに隣に眼差しを送って)それからお水のペットボトル一本とミルクセーキ。(は、悪戯の顛末に向けた注文の心算。)
巽志真 09/15 (Tue) 09:15 No.814
志真はなあ、あたしの前だけかわいい顔するからダメ。(仏頂面違わぬ頬へ指先を当てたら自惚れ甚だしい台詞がやれやれと態とらしい所作と相成って、「浴衣だし肩も凝るよね」と廊下を歩みながら着慣れぬ浴衣の裾をつまんで見せる。教室の安っぽいカーテンを潜ってドリンクの見本が立ち並ぶ中で真っ先にと悪戯な提案は互い顔を見合わせて、ひひひと笑うお気楽な帰宅部二人。)わかる、心って結局優しいから飲んでくれちゃうんだよね。(はんぶんこすると首肯したバナナジュースとミルクセーキと巽の良心のひえひえペットボトルを手に取ればダンス部の出し物は近付くにつれ熱気と漏れ出る音楽が聞こえてくる筈。)あ、いた!あれじゃない?(舞台中央で今をときめくアイドルソングを歌って踊るスペンサーへ野次馬宜しく「心~!」と声をあげたら気付くか否か。ファン宛ら手を振ったら「今あたしたちにレスくれた?」とすっかり熱気に当てられて、舞台裏でお疲れ様と差し入れを手渡すくらいの時間が取れれば上々だ。)はあ楽しかった。こういうの見てると部活入るのもいいなって思うよね。志真、後夜祭は誰かと行くの?(斯くして再び徒行する先はコスプレ喫茶かフルーツ飴か、目的地を決めずともただ歩いているだけで雰囲気に当てられて愉悦極まる心地は否定出来まいて与太話を挟む。)
小田仁希 09/16 (Wed) 11:03 No.839
仁希がかわいいって思ってくれたらいい。(ああ言えばこう言うの様相は然程嘘偽りでもなく、浴衣の紫陽花が揺れる。差し入れとは裏腹に熱気に充ちたステージで輝く虹色を此方が発見するのにきっとそう時間は掛からない。彼女に追随して大手を振ったなら、かち合う視線が気のせいじゃないと信ずる侭に隣の声に興奮の頷きが返った。斯くしてキンキンのそれがぬるくなる前にステージから降りた級友の元に渡れば、鼻唄に混じるは先刻聞いたばかりの話題のアイドルソング。)キラキラしててかわいかった…。あはっ。仁希知ってる?わたし幽霊卓球部員。(「出し物とかしてないけど」はごくごく緩い部活であることを示唆するそれ。道中数メートル離れた教室にフルーツ飴の売り場があれば示し合わすでもなく足先は揃うだろうか。喧騒に塗れても伝わる程度の声量が喉元を潜る。)誰とも行く約束してないや。(「そういえば」と裾はためかせて体躯の前で二本の腕を組んだなら、彼女にだけ教えたい秘めごとを何でも無い風采で自然唇を割った。)好きなひとができた。(ほぼ同時フルーツ飴の看板の前まで辿り着いたなら、「仁希どれがいい?」は数多のメニューを指先が迷いながら問う。)
巽志真 09/17 (Thu) 21:10 No.865
こんなの見たら好きになっちゃうよねえ。えっ、うそ。(その笑顔見てるだけで幸せとか無欲だなあとかなんとかアイドルソングにケチ付ける無責任な戯れの隙間吃驚に目弾きひとつ。「見えないこともないけど」「知らなかった」「運動できるの?」は失礼千万な物申しだが帰宅部には盛大なブーメランとなろうか。通りすがりの屋台へ揃いの下駄を陽気に打ち付けたら)ぶどう、いちじく、いちご、みかん、あんず。全部ほしい!でもレモンが有力かな。ぶどうも捨てがたい。3つ買ってはんぶんずつは?(食い気盛りを存分に垣間見せるが然し卒然と耳朶打つ台詞へ瞠った瞳が、途端に色褪せて見えるメニューから少女へと移ろう。)あたしよりってこと?あたしの次にってこと?(斯くして大真面目な風采で紡ぐのは自意識過剰だとて戯れではない真剣そのもの。やだなと独占欲を吐露する心理は把持せずとも天秤に掛けてみる感興をそのまま唇に乗せたら、「いいね」はひめごとと面白がるみたいな声色で。)いいな、毎日楽しくなるね。ジェットコースターみたい。恋したらどんなふうになるの?(未知の世界へ一足先に体躯突っ込んだ少女を映じて羨望みたいな憧憬みたいな口吻で問い掛ける。列が進んだら)ぶどうと、いちごと、あと志真。どれがいい?(と手向けて念願の串を片手に後夜祭に身を投じようか。薄暗い中に人工的な照明とばかっぽいBGMが流れるフィナーレ。)
小田仁希 09/18 (Fri) 12:38 No.880
(垣間見えた一驚が予想の範疇であったから、「内申点が下がらない程度には」は可否の返答を冗句に織り交ぜた。文字色からカラフルなメニューに目移りしたとて、はんぶんこ以上の魅力はそこにない。注文への思惟の狭間、順位を問う声が耳打つならば今度は此方が喫驚の色が睫毛に乗る。)比べようとおもったこともなかったな。(真剣そのものの声風は心裡を如実に顕した。眉根を寄せて真摯に思案に耽る様相は歪かもしれないけれど、心情の変化は瞬きと共に広がる彩り豊かな世界が教えてくれる。)こっち向いたらいいなとか今日話せたらいいなとかおもう。(花恥ずかしさ故に逸らした視線がのちにかち合う瞬間があれば、「でも仁希にも同じようなことおもってるかも」と宣うは冗談半分本気半分。不慣れな下駄が軽快に地を鳴らす。)もうすっかりわたしは檸檬の気分。(彼女の浴衣の袖を小さく指先が摘まんで選択の理由としたい。ふたりで三本を分け合いながら実行委員のコメントが喧騒と化して盛り上がる校内を見渡したなら、)仁希といるときだけは、自分が自分でいい気がする。(夏の残り香が胸襟をひらけば、独り言のように鼻先から呼気が抜ける。単純明快の所感はお揃いだって信じた侭、秋の気配にともにいる未来を伝う。)文化祭一緒にまわれて良かった。打ち上げ楽しみ。なにしよっか。
巽志真〆 09/19 (Sat) 18:14 No.908
(手に入れたレモンとぶどうとあんずとを手に入れた指先が途端に華やぐ。斯くして返答を聞いてから噴き出したのは小田のほうが先だった。)あたしたち今結構真面目な顔でばかみたいな会話してたね。(数秒前を思い返して眦下げたら「はいどうぞ」とぶどう飴を手渡す筈で、懐かしいような甘ったるさを舌先で齧ったらじゅわっと弾ける果汁に満ち足りた呼気を打つ。)そうなんだ。せっかくとっても可愛いから話せたらいいね。褒め言葉くれくれオラオラヤクザになっちゃお。(ド厚かましい様相が想像付かぬ巽へ視線をくれながら「?そうなの?片思いの気分てこと?」と真意を掴み倦ねて首を左に傾いだ。歩む道行きに感興引かれる出し物があれば逐次覗いてみる爪先が文化祭を堪能しながら他愛無い与太話は日常の延長線上。これなんだろう?と暗幕垂れ込める3年の教室の一角へ辿り着く頃合い、喧騒に溶けそうな声へ一拍の反応が遅れたのは出し物に気を取られていたからじゃない。)ばかね志真。もったいないよ、いつも自分で居ていいんだよ。(目弾きひとつ重ねる頃にはまるで幼子を見るような眦へ慈しみを含ませて、柔らかい罵倒が風に乗る。「むつかしいこと考えちゃったの?」と半ば茶化すような笑みはひらかれた胸裡の暖簾をくぐってみる軽さで耳朶へ届くだろう。涼しい風に少しだけ秋の清澄さが交じる空気を肺腑に送り込む。)とっても楽しかった!ぜったいぜーーーったい花火。それは外せないでしょ、あとね、それからね―…(食べるも見るも花火もなんでも。夏の終わりを出来るだけ先延ばし、場合によっちゃ捨てていい。)
小田仁希〆 09/21 (Mon) 01:50 No.927
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