モンスター、レッドブル、ミクニユキオ。

(「三国、どこ行ったか分かる?」級友の一人に待ち合わせ相手の所在を確認するが、確かな情報は得られず。人混みをあてもなく歩き回って探す選択肢は到底得策とは言えないが、どうせあの背丈だ。直ぐに見つかるだろうと一人教室を後にする浅紫地に咲く白と柳染色の椿が揺らいで暫く。中々見当たらないまま人通りの少ない廊下の隅に力尽き蹲み込んだ所で、当人からのLINEに今更気付けば居場所を返信。斯くして合流は叶おうか。その姿が見えたところで立ち上がり、裾を直して)おかしいわね……すぐ見つかると思ったんだけど。どこにいたの?(第一声は挨拶代わり。ハンカチで首周りの汗を拭えば、ローシニヨンをとんぼ玉の簪で留めた黒髪の後毛が肌にはりつく。粧した肌は平生より血色良く映るだろうか。)あっつ…涼しいところに行きたい。どこ? ……いや、全然元気なんだけどね?全然(喧騒から少し遠のいた現在地にて、壁に貼られているあさま祭マップを眺めながら)もう何かした?それともこれから?
北村伊鶴 09/10 (Thu) 17:07 No.707
(ウォッシュに似た皺加工を施した片身合わせデザインの浴衣は薄グリーンのストライプと白無地の組み合わせ。深緑の帯に手刷毛でひいたような玉子色を遊ばせて、人いきれの熱冷まし用にどこぞのクラスで配っていたちゃちな団扇を差す。クラブメイトに売り付けられたぬるいタピオカドリンクを片手に音沙汰ないスマホを幾度も確認する内実なんか、少女は一生知らないでいい。おかしいなと首傾げて居るだけでフラッグと化すのっぽが自クラス近くの片隅に目当ての少女を漸く見つけたら)おい!(蹲る人影に下駄が強めに鳴る。)どこにいたの?じゃないよもうスマホっていう文明の利器知らないの?(屹立する姿へ睫毛を伏せたら怒気と呆れが綯い交ぜになった呼気を打つ。薄朱色に染まった顔貌を気休めに扇ぎながら半分程度ミルクティーの残るカップを差し向けた――ところで思い直して引っ込める。うなじに張り付くほつれた後れ毛を指先で払えば少女の息が整うのを待ってから壁面へ視線を向け)さっきバスケ部にタピオカ売られた。七宝焼のアクセサリーも買ってけってせっつかれてるけど逃げたいとこ。(平生幽霊部員の気後れが先行して売り付けられた分は大人しく売り付けられる現今。)あ、あれ。つめたい足だけプールあるんだって、ちっこいドクターフィッシュ泳いでるやつ。(指差す先には「足湯&駄菓子カフェ」と一学年上の出し物。)
三国雪緒 09/10 (Thu) 23:09 No.721
……お、怒ってるの……?(あまり聞いた事のない三国の怒声にぽかんと双眸を丸める様は驚愕と動揺が丸見え。己の行動は棚上げ、いっそ珍しいものを見るような目で顔を見上げる。差し出されたカップに僅か動きかけた指先も、捉える前に引っ込められたところでLINEの遣り取りを思い出し)私が気にしてたのは感染ではなく間接キスだから。あんたが気にしないならいいのよ別に。(かと言って貰い損ねたミルクティーを態々催促する事はないけれど。伸びてきた指先に一瞬身構えれば、当然のように頸に触れて離れていった手を見送ってから顔を上げ、眉根を寄せて至極複雑そうな顔をした。)あーそのタピオカがそれか……え!(ふと耳朶を打つ魅力的な言葉にすぐさま視線を指差す先に向ければ、返事より先に足が動いていた。何も言わずに数歩進んでから思い出したように振り返って手招きし、足取り並んだところで教室内へ)すごいすごい…これは企画力の勝利ね。流石二年。(二人で案内された先、椅子に座れば浴衣の裾を少したくし上げてビニールプールにそっと足を沈め)そういえばだけど。LINEの。他にも約束してるから〜って、勘違いのね(掘り返したのは自分の中の靄を払うため。)そんな感じわるいこと言うと思われてたの?私。
北村伊鶴 09/13 (Sun) 02:36 No.773
どっかでくたばってないかって心配したほう。(心配が昂じて安心と綯い交ぜになった末の感情と言えば伝わるか、憂さ晴らしに普段より血色の良い頬を抓ってから離して)あ え?ああ そっち……な~んだもう…。俺は別に…そんな唾液たくさん入ってるわけじゃないし。じゃ、はい。(紐解かれてゆく内実に気の抜けた呼気打てば遠慮なく太いストローをその口元に突っ込んだ。如何やら感興を引けたらしい爪先へ一歩出遅れて映じる後姿が可笑しくて、バレないようにふっと眦を緩ませたら「待って」と追従し隣り合うまでは大股3歩で事足りる筈。案内されるまま一角に腰掛けたらパイプ椅子にゴザを引いただけの簡易足湯でもそこそこの風情が出るか、窓外から差し込む秋の空気が微かにはだけた胸元を攫う。)え?うん、(爪先に群がる無数の稚魚を態と避ける悪戯の傍ら卒然たる口上に瞬き一度、続く二の句に二度目の目弾きを重ねてれば「ちがうちがう」は倉皇呈した様相だった。)や、もう約束が結構あるから体力持たないかもごめんねって意味だと思ってて それってそんなに感じ悪いの?俺がむしろ考え無しだったかなて。北村って誘われたら断れなさそうだし。(体力面とか時間とか諸々の素因を顧みた過日を想起したら小首傾げて認識のすり合わせ。の傍らに手持無沙汰な指先がソーダ味のグミの包装を剥く。)で、俺も結構北村にたいしては強引だし。(これは自覚あり。)
三国雪緒 09/14 (Mon) 14:33 No.795
あ…そっち…よかった。大丈夫よ、校内だから。(安堵は隠さず、抓る指先は甘んじて受け入れよう。解放された後、その部分を指先で撫でて慰めつつ)な〜んだって……っむ゛(所詮その程度ということだろう。気の抜けた呼気とは似て異なる溜息を溢した唇に容赦無くストローを差し込まれれば、いっそ開き直り空にする勢いで吸い込んでやった。)悪いわよ。なんだかそれをあんたにわざわざ言うのって、私が三国に対してだけ甘え てるっていうか…胡座掻いてるみたいじゃない?(プラカップに注がれたジャスミン茶を受け取れば口を付けて喉を潤し一呼吸。変わらず隣を見る視線は居心地悪そうに眉根を寄せて)それで自分のこと考え無しとか言うのやめてよ。…なんか……難しい問題を与えられて、頑張れば解けるのに、解くのを待たずに「お前にこの問題は早かったよねごめんね出題した俺が悪かった」って言われた気分。(例えばと持ち出した話は果たしてどれくらい正確に彼の心に届いてくれるだろうか。それに不満ならもう一つ。)私は別に嫌なら普通に断るわよ。弱っちく見すぎ。(片手を差し出せば、グミを一粒ねだるつもり。そのまま続けた問いは理由を求めるように首を傾げて)それは私があまりつれないから?(もう一口、カップの中身を喉に通した。心当たりは十二分にあったから、尋ねる表情は穏やか可笑しそうに。)
北村伊鶴 09/16 (Wed) 01:59 No.833
なんか俺たち意思疎通出来てなくない?(互いの本意とは別の伝わり方をしている事が侭ある気がして問い掛ける。空っぽになったカップをお役御免とそこらへんのゴミ箱にポイ捨て。意思疎通の延長線上みたいな会話はドクターフィッシュに角質を食われながら何だか間抜けな一幕だがさて置き、涼やかな水をまぜくるみたいに爪先を遊ばせながら)そう?そうかな、  そうかあ…。(相槌三段活用は、その例え話を理解できるようなできないようなの境目をうろつく胸裡を素直に吐露。味に飽きてフルーツ餅に伸ばした食指が爪楊枝を掬い上げる。)だから、それで短時間でもいいならって無理してくれるのかなって思ったから、それに気づかないでごめんねって。これも変?(大切なのは擦り合せ。ひとつひとつ紐解くみたいな疑問符差し向けたら暇な爪先が隣り合う真っ白な親指をつっついた。)夜通し連れ回して死んだのに?あれで懲りたかもって。(台詞の割には深刻味を持さぬ瞳が懐かしむように細まる。餌やりの気分でぽいとその口にグミを投げ込んだら)じゃ、今ここに居るってことは嫌じゃないってことじゃん。良いこと聞いた。(転じて得る所感は楽観的だと言われればそれまでだが純然たる喜色が浮かぶ。)ううん、怒ってたりキーッ!てなってる顔見るのが好きで。楽しくて。(思い返せば突っ込まれたりダルがられたりうざがられたりイキられたり、その全部が澄まし顔しておほほと笑う顔よりよっぽど感興惹かれる素直な心地だがこれは”キーッ”の顛末だろう。ちょっと隙間を開けるは攻撃回避の一手。)
三国雪緒 09/17 (Thu) 00:02 No.849
私たち、仲悪いの?(そんなことあるわけがないからこその問い掛けは戯れの範囲内で。万が一肯定されようものなら、やめてよと笑いながら小突くくらいは許されたい。互いの気持ちをひとつずつ擦り合わせる感覚は、最初から比較的遠慮の無い遣り取りが多かった二人にとって少なからず新鮮であり同時に重要さも感じられた。数度目の疑問符に向けた眸は、足の浸る水面のように僅か揺蕩い)それは…変じゃないわね。でもいつもはもっと……、……あぁ。(図々しいし遠慮もしないはず。そう続けようとした言葉は、先に告げられた理由を聞いて腑に落ちた。グミを求めて差し出した掌は仕事をせず、代わりに口元へ向けられた一粒に一拍置いて唇を開けば甘受。空っぽの手を引っ込めて、視線を落とせば大きさ異なる二人の足を眺めながら)……言わなきゃ分からないか。(呟き、顔を上げれば向けた表情は平生よりもおだやかさを保って)私は三国が自分で思ってるより、三国と過ごす時間を結構楽しんでるわよ。いつもは思いっきり図々しいくせに、根っこはやっぱり控えめなの?(普段凡ゆる雑用を振られてはいいよいいよと受け入れる級友の姿が、こんなタイミングで重なって見えたのが何だか可笑しくて笑った。思い返せば、確かに伝える事をサボっていたかも知れない。全て三国雪緒に対して甘えきっていた証拠だろう。姿勢を正せば、)もっと私に対して自信持ちなさいよ。今日は誘ってくれてありがとう!(真直ぐな感謝の気持ちは濁りのない笑顔と共に。その表情のまま「何もしないわよ」と開いた距離を戻させるような手招き後、返ってきた所で容赦無く脇腹を抓った。)
北村伊鶴 09/18 (Fri) 00:36 No.874
(確かに図々しいし確かに無遠慮。北村の前では多分いつだってそうだった筈だと己とて納得は出来るからこそ互いに浮かばせた疑問符の行方は中途半端に姿を晦ませて、「北村が食べてると安心する」と駄菓子をその口にぽいぽい、いつまで入れ続けられるかのチャレンジ。指先は加減を知らない。)?(何がと差し向けるより先角質を食われて心無しつるんと白くなった爪先を戯れに持ち上げ、飛沫を飛ばす。)ぶっ、(斯くして一拍。場違いだとて感情にミリも齟齬のない笑声が室内に弾けた。)あっはっは!なに!?うっそ、 まって  だっっはは…まっ  ん゛っ、(横隔膜が死ぬレベルのツボに襲われて転がったら肌蹴た浴衣の腹部あたりへ掌を宛行ってタイムのポーズ。終ぞ咳き込むまでに発展した笑いの渦は少女からしたら不可解に他ならないが決して馬鹿にするでもない内実は伝わって欲しい。だって、)そんな嬉しいこと言われるの?俺。まさか過ぎて死ぬかと思ったよ。(根っこが控えめだとか自信が無いとかそのどれもがきっと正解だから否定する気は無いが、それよりも少女の言葉ひとつで立ちどころにに弾む胸裡と無敵感をどうしてくれよう。今以て白日の下に晒された情操へ羞恥心を抱いたら含羞孕んだ笑みが交じる。涙さえ浮かぶ眦を指先で払ったら大きな嘆息は心地よい疲弊に満ち足りた、)ありがとう。は~あ、でも素直な北村ってなんかキショ  いってぇ!(不埒が唇を割るより先に脇腹へ容赦ない一撃を食らったら「サイアク暴力女」「せっかく浴衣かわいいねって褒めるターンだったのに」は餓鬼宛らの物申し。)自信もたせたら最後だよ。だって俺はひたすら北村が「キーッ!!!」てなってる顔させるのが好きなとこあるからね。(真面目ぶった宣言も舐め腐った一言に違いなければ再び笑声弾かせて、詰られる未来は予想に容易いが故に「へいへいすいませんでした」と湯上がりの御御足を拭かせて頂く下僕位には成り下がろう。みじんこでもありんこでも遠慮は殺したから、休憩を挟みながらでも開放したがらないひとときはもう暫く続く筈。)
三国雪緒〆 09/18 (Fri) 22:53 No.885
(グミは二粒目にして早々に入場を断り、向けられる指先を前に再び唇を開く事はなく。他人が安心しようがしまいが、満たされたそこが北村のゴール。三国相手にこんなことを態々改めて伝えることになった気恥ずかしさに居心地悪そうに顰めた眉は、次ぐ小さな破裂音に瞠目。そこからじりじりと青白い顔に熱が灯り始めれば、やがて大きな笑い声が上がったのと同時、首まで真っ赤に染まって噴火。)なっ、 わ……〜〜っ、笑うな!今のなし!やっぱり今のなしッ…!あー最低最低最低、やっぱり言わなきゃよかったもーー………ムっカつく……っあ゛ーーーー。(何を好んであんなくっさい台詞を改めて自ら発することがあろうか。だって三国のテンションが落ちていると思ったから。だって三国が。あんたが。後付けで幾ら彼のせいにしようにも、最早手遅れ。爆笑を傍らに、顔を反対側に向ければ片手の甲で頬や首筋の熱を冷まそうと努める。後から嬉しいだとか何だか聞こえたが、それを丁寧に拾って返す余裕をこの女は持たない。「ウッサイ情緒ゼロ馬鹿ノッポ」「褒めるターンとかないわ毎秒褒め続けろ」幼稚な殴り合いは相変わらず進歩無く。)何を堂々と宣言してんのよ。私がこの後ストレスで寝込んだら10割あんたのせいだからね。……はーもう…やっぱり少しきらいになりそ…(片手を額に当てて項垂れながら差し出した足を水滴一つ残らず拭かせれば、重い腰を持ち上げて次へ。辿る廊下にて、時折彼の足を踏んづけんと仕掛ける程度の理不尽さは許されたいところ。)
北村伊鶴〆 09/21 (Mon) 01:51 No.928
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