奈尾の人生の中で16番目くらいに美味しいクッキーになると思う。

はい奈尾。ちゃんとつけてね。(台所での出迎えとともに渡したエプロンと三角巾は丁寧に折り畳まれている。道具材料のみならず二人分のそれらを用意してくれたのは、もちろん花島家ハウスキーパーにしてエスパーかもしれない女性であった。彼の断りは端から考えていないが唖然の間がもし生まれるならば、押し付けだってもう迷いのない力で着衣を促す。そうして彼が着替えする傍らで。)いい?今日は口より手を動かすの。でもでも、部活以外でだれかと作るのって初めてだから、楽しくていっぱい喋っちゃうかも。なんか調理実習みたい。(とは現状を客観視した上での感想。小さい笑いを跳ねさせたなら手を洗ってさっそく取り掛かろう。お湯の入ったボウルに浸るよう一回り小さいボウルには刻んだチョコが入っている。彼にゴムべらを手渡して)湯煎するからぐるぐるっと。さて相談しよ。うちね、遊園地はパレードまで見たいから最後まで居たい。サマリン楽しかった?(逸らしませんの意志が異なる話題を同類に並べ立てた。)
秋山紘 08/25 (Tue) 21:05 No.516
本当に用意してくれたんだ。…三角巾つけるのいつぶりだろ。(抜け目なさに過日の戯れめいた応酬を想起すれば断る理由は無論ない。眦和らげつつ、少々ぎこちなく三角巾身につければ「良い?」と首捻って結び目を見せようと。)それこそ調理実習の先生が言うみたいな台詞じゃない?もう既に無理そうだけど、そもそも無言で向き合ってたら絶対にらめっこしてるみたいな気分になると思うよ。黙ってるだけで笑えてきそう、っていうか。(自然な会話がない空間は平素とは異なるからこそ笑いを生みそうで、小さな笑い重ねながら手洗いの水滴をタオルで拭う。「チョコクッキー?」と単語の疑問符は素直にゴムべら片手に作業しながら。)じゃあ一日がかりだ。パレードっていうとディズニーランド…?小学生の時に家族で行ったきりパレードまで見たことないや。乗り物は、何となくそんなに怖くないイメージがあるかも。(手元から甘い匂いを漂わせながら矢継ぎ早の話題に笑って)楽しかったよ。今日も楽しいし、飛行機乗るのいやだって理由じゃなくて、帰りたくないなって思ったりして。
奈尾秀実 08/26 (Wed) 22:50 No.533
(心配ない結びであったから頷きで十分だったものの、意味なく結び目に触れてから「おっけ」と返した。彼の言う先生に対して今度はすんなり首を縦に。)今日のうちは講師でもある。でも今日いっしょに作れて良かった、奈尾が見学しなくてほんと…。そう、チョコクッキー!好き?食べれる?出来たらお茶いれておやつにしよーね。(意図して目線落とすけれどすぐに顔を上げたら、味の好みを把握する問いを向ける。ゴムべらが回る度に「お上手」と言いつつ、その隣でバターの入ったボウルを指先で捕まえながら同じように混ぜていく。会話への支障なんてこれっぽちもない。)うんっディズニー!春休みに行ったからうちが奈尾をうんと楽しませる。コーヒーカップあるよ、大好きな。いつ行く?文化祭の後かな。いついつ?(期待とやる気が作業の手を早めた。口約束と思っていないがそれでも絶対と確信を欲しがり気が急く。)それ知ってる、奈尾の煩悩!ね、おんなじ。けど帰り道も絶対楽しいよ。…そーだ、ピカチュウ買う?羨ましくなった?(今を含めてくれた嬉しさに笑いながら、彼との始まりを思い出した。冗談と理解しながらも結果を聞かずに終えられない。)
秋山紘 08/29 (Sat) 02:19 No.566
……あ、あれ、そんなに気にしてた?ちょっとした冗談のつもりだったんだけど、あんなに慌てられると思わなかったから。うん、好き。…何か至れり尽くせりだから、お茶おれが淹れるよ。(下降した視線に少々硬い声色で探るような視線向ける最中は、手元が暫時お留守になった。慣れた手付きを前に作業を思い出せば集中度合いはそこそこ。諸々の準備を鑑みれば自然にまろび出た申し出も、「紅茶とかコーヒーとか、こだわりがあるなら任せるけど…」とあくまで提案の域だ。)うんとって何だろう。案内してくれる?おれと秋山さん、基本散歩しながら話してるから、ディズニーランド行ったら待ってる最中も楽しいと思うけど。文化祭の後が現実的かな。秋山さんが忙しくなかったら前でも大丈夫。(矢継ぎ早の疑問符が過日伝えた安心感に拍車をかけるから、彼女次第の約束結ぶまではきっとすぐ。)なんなら、帰った後も遊ぼうって話してるのだって煩悩だよね。……楽しいかな。…いや、不安は不安だけど、楽しかった事思い出しながらだったら案外すぐ着くかもって思えるよ。……ああ、(心配性の根治は難しくとも緩和に傾倒する思考は、楽しいで溢れた夏休みの為だ。空港でのやり取りに思い至ってゆるく首傾げる。)うん、正直、羨ましくなった。…なったけど、おれが愛着沸いてるの、ピカチュウじゃなくてなりたなんだよな……。
奈尾秀実 08/29 (Sat) 21:49 No.576
(平等を担う提案も、一切のこだわりないから「おねがい」の一言で任せよう。漠然の物言いは気持ちの先走りで、疑問符にすかさず頷いたも時折苦痛ともなろう待ち時間を先んじて彼が変化するなら心の浮つきは口元に表れる。)ついつい喋っちゃうし尽きないの、話が。奈尾が聞き上手の話し上手かな。うちは文化祭の前が理想的!我慢って知らないので、前に行こ。はい小指出して。(彼の言葉を真似て欲望を乗っけた。伝えるなり一旦の作業中止は指きりげんまんしようと小指を向けて。)それもそうだし、隣に橘鷹乗せたら空の上だって不安吹っ飛ぶよ、それどころじゃなくて。奈尾と橘鷹のコンビね、見てて楽しいんだけど高校で初めて会ったんだよね?(過日の夜、友の名を受けた反応の良さとそれ抜きにしたって二人の姿を見た日は何度かあった為、またも懲りずこの場に居ない名前を出しては問うた。そうして誰も彼も知らない秘密みたいな名前が耳に触れるなら、笑いが息に溶ける。)あはは!それもなんとなく分かってた、なりたにプレゼントくれたもんね。でもなりたは秋山家の子だから……。あ!なりた連れてくる?一時間の暇が出来ちゃうし。(代わりばんこの作業は滞りなく、次なる工程は生地を冷蔵庫で冷やすとなれば生まれる空き時間を考えての疑問符が添えられる。一瞬だろうともこの場離れ難さが彼の言葉待つもの)…やっぱり、取り戻らなくてもいい?
秋山紘 08/30 (Sun) 03:41 No.588
(溶かし終えたチョコレートをそのままに、きちんと整理されているティータイムセットのコーナーより紅茶缶を手にとりにらめっこ。「冷たいのと温かいのどっち?」の問いは湯沸かしポットをセットしながら、彼女の口許へ自然目が向いた。)初めて言われた。だったら良いけど……。並んでるとき、煩悩のシンクロできるか試す?うん、なら後で……、じゃなくて。じゃあ、最初の土曜日が理想的?…はい。(真似られた言葉をそっくりそのままなぞっては、一瞬改めての相談に持ち越そうとした唇がとある日付を指定した。小指絡めるまでの一瞬の間は、子ども同士みたいな約束の仕方に含羞差したがゆえ。)…秋山さん、もしかして行きの飛行機の中、見てた?そう、高校で初めて。最初は圧倒されてたけど、橘鷹は何だかんだ言って、待ってって言ったら待ってくれるタイプだから。(友人との賑々しい往路を振り返れば自然笑みが漏れる。過日なら口実として必要不可欠に思えた黄色が、今この空間に無くとも支障ない変化に気付けば、プレゼントの言葉に眉下げて笑った。)あれは、…なりたに付けたけど、秋山さんが貰ってくれて良いんだよ。あ、そうなんだ。うん、…うん?(粉類も登場して工程が進む中、彼女の提案を止める理由はなかったから軽く頷くも、翻った言葉にまじろいだ。溢れる言葉は笑い混じりで、責める色はきっとない。)…自分で言ったのに。いいよ、行かなくても。もしかしてもう荷物の中にしまい込んだ?
奈尾秀実 08/31 (Mon) 01:30 No.600
(溶いたチョコと生地となるものにチョコチップとを混ぜ合わせながら、観察していた彼からの問いに「ホット」と次いで「飲みやすい熱さで」の注文を足した。)試す。奈尾がうちの煩悩に追い付いて来てね。はい!理想的!あの、時間にちょっと遅れても怒らないで、デートは可愛くしていきたいでしょ(幼い交わしを解いた後、決定した喜びに笑みを浮かべたまま事前の予告と理由はお咎め無しに値するか。語尾は何故か賛同促し。鋭い推理に否定せず、彼が語ってくれる級友の人となりに耳を傾けて映した朗らかさに胸を温め。)ゴールデンレトリバーが頭にぱっと浮かんじゃった。うちが待てって言っても待ってくれるかな?(なんて目の前の彼を通し、いつかの場面をともに思い描こうと。振り回すみたいに裏返った意見に向く言葉に、だって、と開いた口は形を変えて質問に答えるべく。)ううん、なりたは抱えてくから。だってさ、奈尾がうちと遊ぶ理由がなりたになったら…、なんか結構、いや…?かも、って。……人形なのにね(切欠の有難みはあれどそちらに傾く未来を嫌がって。そうなったとしてきっと種を蒔いたのは自分だって自覚もあるけれど。吐くなり生地を冷蔵庫に突っ込み、思考を菓子作りに戻す。)あとは1時間待ってからオーブンで焼いて完成。ぜーったいに美味しいクッキーになるって分かる。これからもお菓子作りする?(今日はこちらがエアマイクを彼の口元へ。そうして迎えたおやつ時間も楽しく過ぎていく。この夏の思い出を語れば、奈尾の名前が欠かせないことを彼は知るべきだ。)
秋山紘〆 08/31 (Mon) 21:34 No.618
飲みっ、…大丈夫、熱くても喋ってる間に冷めるよ。たぶん。(ともすれば冷めきってしまう可能性を多分に孕む提案は自信のなさゆえ。気の早い謝罪にまず笑ってから、デートなる単語を意識してしまう青臭さが途端緩ませた唇を内側に巻き込んで真一文字。)怒らないけど、たぶん何かあったのかもしれないって心配すると思うから、遅れそうなときは連絡して。秋山さんいつも…、(無意識にまろび出た言葉は尻切れトンボ。誤魔化しの続きを探そうとして、意味もなくうんと頷いたなら賛同になるか。)わかるよ。騒がしさで言ったら小型犬なのかなって気もするけど。待ってくれると思うけど、秋山さんは一緒に走り回れそうじゃない?(派手に騒ぐタイプではないにせよ、おとなしくもないと知っているから眼差しは窺うように。生地を彼女に任せれば手持ち無沙汰に洗い物、の手がだっての続きに暫時止まった。) ならないよ。(ザーッと出しっ放しの水音に混じって、それでも短く一言否定。反射みたいな返答に一人焦ったみたいになったのがほんの少し決まり悪くて、開口は苦笑いを伴った。)……最初は言い訳にしてたけど、もうそうじゃないから、…だから安心して、って言うのも変な話だけど…。(話の終着点を探した挙げ句、「たまには連れてきて」とこれから先何回もの機会がある事を前提として請うた。)一人じゃやらないよ。(笑って首振ったくせに、焼きたてクッキーの甘さを味わう頃には「また出来たらいいね」と同意を求めたがった。否定の限定解除の条件は勿論エプロンの準備なんかじゃない。)
奈尾秀実〆 09/03 (Thu) 20:57 No.646
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