Pretty good.　これ合ってる？（出会い頭はカタコト英語の体たらく。ブルーレーベル定番のサマーニットドッキングワンピは黒と赤基調のチェックをチョイスし、フィット＆フレアの腰元にあしらった同布リボンが軽やかに遊ぶ。揃いのチェックを配ったヘアバンドでつるんと額を露にしたらなんちゃってボブに纏めたカシオレはくるんと外にワンカール。クレストブリッジのモチーフが光るアンクルストラップサンダルへ押し込んだ爪先は導かれる侭暑気降り頻る屋外へと駆け出そう。）止めてよしてその話は聞きたくないの。やり残したことまだまだある気がしてない？（さくらんぼモチーフのピアスが揺れる耳朶を抑えたら幼子宛らのイヤイヤ期を模して、けれど「でもちょっと日本恋しい。ど？」と問い掛ける軽やかさ。お目見えするダイナーへ撮影よりも空腹が勝ってぐうと腹で一鳴きすれば一も二もなく食べる！といつもより1mm太めに輪郭を取った唇が開く一瞬前。）腹が減ってはなんとやらって思ったけど食べた後ぽんぽこに胃が出た状態はなあ。さきに撮っちゃお。すごい可愛いお店。（かき氷のいちごを彷彿とさせる指先をちょんと折れば残りの数ｍは駆け出す勢い。振り返りざまに）はやくー！（と手招きしたら先ずは入口付近の真っ赤なレトロカーのそばにしゃがみ込んでピースサイン。）心ここで働いててもぜんぜん違和感ないかも。（抜けるような笑いは景観に馴染む少女を映じて、「バッドガール気取ったポーズのお手本は？」は無茶振り投擲するやスマホを持つ指先がスタンバイ。）

心もすごい可愛い。結構ギャルなイメージだったけどこういうのも似合うね。（ポロワンピの襟元をつんつんと突付きながら燥ぐ道行き、「わかるやりたいことどんどん増えてくけどその分帰りたいて気持ちもそこそこあるよね」は日本の風物詩を満喫しきらぬ今夏への感想だが、今を楽しい場所へ変えられる魔法使いの少女に肖る心算だけは満タン。斯くして後ろから追従の気配を感じれば振り返ったイェイ！とポーズとツーショにもキメ顔で対応する俊敏さ。ボンネットへ威風堂々腰掛ける様相がどうにも似合いすぎて）あっはは　すごい！インスタでよくみる。（と暇を知らぬ指先がシャッターを切りまくる。相反して隣にハンドバックを両手持ちのお澄まし顔を作ったり小道具のリップを取り出してサイドミラーを覗き込んだりの戯れを経て暑さを空腹がピークへ達する頃、涼しい室内へコツと爪先を踏み入れる。）かわいい！みてみて、これ、中に超大きいチューインガムある。ピンバッジも！帰り小糸にお土産でやってかない？（ビビットカラーのビッグサイズのガシャポンは中に雑多なガラクタ塗れ。席の一角へ腰を落ち着ければ全てのメニューのLLサイズへもぷ、と噴き出して。）どうしようおいしそうだけど目だけでお腹いっぱいになるボリューム。心何にする？あたしアボカドバーガーってキメてるんだけど。あとドクターペッパー。あっ見て、ハバネロとかもある。（どうする？とひとつのメニューを覗き込んでわいのわいのとメニュー決めが済めばオーダーは勿論スペンサー頼み。）

噛むだけで顎外れそうじゃない？オッケ、じゃあ帰りに5回引いてこ。そんで今日の夜紘の部屋集合してえらびっこ。（ハッピーなロゴからゲテモノ類まで種類豊富なピンバッジを指差し「あたしあれ狙い。」と赤いスポーツカーにロゴが乗っかってるピンバッジを狙い撃ち。「別添えソース貰ったら道連れになってくれる？」「あ、それいいシェアしようね。」とオーダー通せば暫しの与太話。）こういうとこで働いててナンパされるイベント、洋楽のMVで100回は見た。秋になったら金髪にしちゃおっかな。（数週間後に控えた新学期へ向けてトンチキカラーの相談しながら時間を潰せばあっという間にバーガープレートが目前へ運ばれて来るがまずはそのボリュームが可笑しくてだっは、と砕けた笑声が散る。）見て心の顔より大きい。（ペーパーで包んだバーガーを少女の顔面隣へ掲げれば食べきれるかなと憂慮を口にするもお決まりの台詞へ勿論でその双眸が煌めいて）あーん。（茶目を多分に孕んでのポーズは齧り付くような大口。次いでバーガーを隣へ掲げたらお澄まし顔の笑顔を添えるだろう。レトロなパッケージの缶のプルタブへ指先を掛けてのショットも無事収めて貰えたら勿論かわりばんこの撮影係。）30Day着回しコーディネートに出てくるモデルみたいなポーズキメて見て。（とはわっかりにくい無理難題。暫しの撮影タイムが終了すれば「いただきまーす」はご一緒に。不格好なぞ頓着せぬ大口で齧り付けば）うわっ　ひとくちじゃいけない！（と唇の端にケチャップ付けるのだって構いやしなかった。）

あっはっは、難しいとか言ってるわりに完璧なんだもん…。（カメラを構えたつもりがヴィヴィットピンクのテーブルに突っ伏す顛末は吹き出しに似合いのポーズ故。「完璧すぎ」「変顔ももらわなきゃ可愛いとのバランス取れない」と無茶苦茶理論を掲げながらシャッターを切ればスマホは暫しお役御免とバーガーへ齧り付く。お行儀悪くも舌先でケチャップを舐め取れば「芋けんぴ、髪の毛についてたよ…♪の亜種？」と噤口を知らぬ唇が食べ進める隙間、先んじてハバネロの餌食となった少女を見れば慌てて水の入ったグラスを差し出すか。）だ　　大丈夫？うわ、待っって心すぐあたしも追いつくから…。（一人じゃ死なせないからねと出鱈目な仲間意識が働いて同じくポテトにハバネロをたっぷり浸せば）～～～っ、これ　このかんじ…！（と激辛狂いに恥じぬ顛末と相成るか。たじろいたボリュームも何のその、全て聢り完食する頃には笑い疲れと食べ疲れの両方に見舞われてバッドガールも型無しぐだりと気の抜けた姿があるだろう。）っぁ～もうだめ　もう口元まで全部バーガー…。（へにゃりと笑ばめば「見て、お腹すごい」とワンピースを内側から押し上げる胃袋へ一笑い。濃厚なチーズソースが後引く口内へ爽快感を求めてドクターペッパーを流し込んだ。斯くして数分の休憩を挟めば早速と興味は入り口近くのガシャポンへ移ろい）ね、ね、ね。ガシャポンやろう。（お会計が先かどちらでも構わないが兎も角、オブジェとしての役割も担うトイカプセルに硬貨を投入せんと。）

はあ、このさ、涙目になりながら食べるのがたまらないんだよね。（激辛狂いのトンチキ理論を披露しながら涙目の顔を見合わせて噴き出せばバッドガール程遠い姿も無論スマホに収めて。ぽこんと出た胃袋を擦りながら「わかる、今はお米食べたいんだよね。」無尽蔵の胃袋は若気の至りと片付けられるか、数分後には勇んでトイカプセルの前で燥いでいる姿があるだろう。）わっ、ださ！みてみてこれは？あたり？セブンアップの缶出た。うわっ、なにこの丘サーファー…。（半分当たりで半分ハズレのピンバッジだとて友人らと選び合いっこする未来を描けばその実何だって良かった。楽しいひと時へ早変わりするためのグッズを鞄へ突っ込めばガチャの片隅に腕を乗っけて、更にその上に顎を乗っけてお澄まし顔のピースサイン。ざっとカメラロールに100枚位溜まった今日の思い出はけれど再び暑気孕む天球のもと屹立するやまだまだ1日が終わらないと報せてくれるから、少女の提案へくしゃりと破顔してしまうのも無理からぬ話だった。）あたしもそれ今言おうと思ってた。あたしね、三角のヘアクリップ？とか欲しいんだ。あとピアスも、心に見立ててほしくて。あ、キャップも！（次々出てくる希求は無理くり少女を「あたしのファッションコンシェルジュ」と任命した過日から陰らぬ信頼。今日を帰結するまでに何枚のベストショットを増やして見せようかと目論む胸裡は愉悦に満ちて、もう暫く我が物顔で闊歩するボードウォークは粋がる無敵のハイティーンふたりだけのもの。）