前世は恐らく魚類・上埜新太

(どうやら先方の事故が生んだ事の発端は、始まりと同様あっさりと終わりを告げた。一方的に振り回された心地の良し悪しはさておき、彼の極めてマイペースな誘いに向かうべく砂浜を踏みしめる足は強い。)北村さんも行く?じゃないのよ。(見つけたその背中へ向けた第一声は、唇尖らせ不貞腐れた相形と共に。)せめて電話してる時に言ってよ。なんかこう、もしかして変なこと言っちゃったかなとか…嫌われたかなとか……悩んだわ!悩ますな!(鋭利な口調はまた彼の琴線の一端に触れる事になるだろうか。他人の言動一つに振り回される事を嫌う女の眉間には相変わらず皺を刻みながら、ああそういえば。)勢いで来てはみたけど、声掛けといて流石に…私を置いて一人で泳ぎには、行かない…わよね?(交流の浅い彼に対して、それがないと言い切れる程の信頼はまだない。帽子のつばを摘んで陽射しを遮りつつ、視線はビーチに常備のパラソルエリアを探して彷徨いながら)泳ぐの飽きないの?いつも泳いでるイメージあるけど。
北村伊鶴 08/22 (Sat) 17:38 No.468
(海面が陽光を反射し輝く明るい一帯。グレーのノースリーブパーカーは、背に一声掛けられフード部分を揺らした。)切った後に思いついた。(言い訳めいた事実がご挨拶。物言いのまま不満露わな彼女の様相と反対に、男は崩れぬ面持ちにて当然を宣う。)いや別にあれで嫌わねーけど、もう悩み解決した?(相手が己と感覚違える苦悩抱えるなら直接尋ねる他経過確認の方法は無い。「飲むか、開けたばっかのやつ」と表面が未だ白く曇る、購入間もないミネラルウォーター入ったペットボトルを徐に差し出し、思考の冷却効果も狙おうか。)……、たしかに。北村さんは、泳がねーか。(確かめるような疑問符投擲され、丸い帽子の天辺見ながら一瞬閉口。納得の言葉落とす傍ら彼女の装いを上から下まで不躾に見ては自身の中で印象を完結した。)疲れたら中断するくらい。でもまあ海来たら泳ぐだろ。他なにすんの。あ、バーベキューと花火は良かった、この前の。(ざり、とビーチサンダルの底面が砂を潰す。そこに刻まれた、思い出と称すには新しい記憶に言及して。)
上埜新太 08/24 (Mon) 07:00 No.491
でしょうね。(上埜新太への理解が然程深くなくともそれくらいはある程度想像ができた。言ってみただけに近い言葉が矢張り本人によって改められるなら、それを受け入れる応答も軽くて早い。)した。でももう同じようなことで悩みたくないから、この時間で出来るだけあんたの人となりを理解するに努めるわ。(他人事みたいに…と恨めしく呟く声は恐らくビーチを賑わす人の声や波の音に隠れる。差し出された水を丁度良いと言わんばかり端的な礼を伝えてすぐ受け取れば一口飲み、十分に喉を潤したところで再び彼へ返さんとし──た手が止まったのは。)………あれ、これまだあんたの?それとも私の…?(間接的にやってしまったか、或いは未遂か。そういえば緩かった飲み口のキャップと彼の言葉を今更思い出しやや硬直。嘘みたいに何も考えていなかった。)その間はなに。やべ泳ぎに行こうと思ってたわの間?(日除けの帽子にワンピース、サンダルの姿は当然濡れる為のものではない。視線を彼の足元へ落とせば、歩幅を揃えて歩く遊びをしながら)なにすんのって……あぁ、こないだのね。上埜が鉄板の前から全然動かないところは見かけた。私は水鉄砲で遊んだわ。(片手人差し指と親指で鉄砲の形を真似てバンと撃つフリ。)ちなみに二学期始まったら海なくなるけど、そしたら何して過ごすの?海がプールになるだけの話?
北村伊鶴 08/24 (Mon) 22:25 No.500
はあ。全員にそんななわけ。(今後の努力を匂わせる意気込み聞いて、落とす溜息のような響きに含まれるは感心とも呆れともつかず。彼女も同じ人とてまるで異種間交流の心地故に、問い掛け多めの会話が続いてゆく。程良い雑音はその手助けとなろう。運動部所属するにあたって水分補給は自然な行動。加えて相手に分け与える意識もままあればの動きだったが、はじめ従うも固まるクラスメイトに些か怪訝な目線遣り、)まだってどういう、俺が買って開けるだけ開けといたら北村さん来たから。…あー、もう1本買っとけば良かったか。たくさん水飲むんだな。(事実を説明する傍ら己の範疇にて至る結論に頷いた。その手付きに力強さ感じないならペットボトルを取り蓋開けて、稼働が続いた喉を潤さんと。「すげー、エスパー?」思考言い当てられるや薄っぺらい賞賛を浮遊させ、)御子柴さんが千手観音だった。俺も水鉄砲は拾ったな、負けた?(見えない弾の流れを目で追い断定的な問いひとつ。)日本にも海はあるから時々行く。プールは部活で。(ルーチンを報告しながら眺める白い爪先と砂。ふと指差す先には、)そこ、カニいる。(陸だからこその発見の皮切りか。)
上埜新太 08/25 (Tue) 13:55 No.509
(据わった双眸を向けながら、YESかNOの代わりに返した言葉は)そんな学級委員みたいなこと。(面倒臭そうに肩を竦め)上埜はいきなり動くから、他の人より考えてることが読めないのよ。(まるで見当違いの気付きを得ている様子の級友に否定の句を紡ぐより先、差し出したままのペットボトルが本人の元へ戻りそのまま飲み口を共有した所を見て)……なるほどね。そこら辺は気にしないタイプと。(呟き、また一つ理解を深めるに至る。当人がそれで良いなら此方が煩く口を出す事もないだろう。潤したばかりである筈の唇が早速乾いてきたのは気のせいであれ。)当たるんかい。北村さんも行く?は、北村さんも一緒に泳ぐ?って意味だった?(「私、泳げないの。」そもそもの前提を補足として添えるのはある種自己紹介代わり。結果が見えているかのような断定にも近い疑問符には素直に口を尖らせて拗ね)うわ、負けたと思ってる聞き方する。足に当てて、頬に当てられた。私の勝ち?(問いと共に彼の腰に人差し指を突き立てれば脅しのようなポーズで)本っ当に水が好きね……あんたの前世絶対魚、 っわ。(意識は傍上から砂浜へ。膝を抱えてその場にしゃがみ込み、横方向に歩く蟹を人差し指でつつきながら呟いた「生きてるカニ、初めて見たかも」はある種箱入りの証明にも成りかねない。)
北村伊鶴 08/26 (Wed) 20:13 No.529
(依然崩さぬ表情のもと、疑問を呈したものの自ら帰結導いては彼女の得心を前にして、)? おー。(間延びした声を発し、いずれはそこら辺を察知するだろうか。)それは普通に、電話で声だけ聞こえんの慣れねーから顔も見るかってやつ。(自身の行動起因くらいは理解しているが故に。エスパーと今さっきから仰ぎはじめた相手の輪郭へ言葉と共に視線送る。「泳げそうと思ったことはねーな」と追記事項貰うなら海中に誘わない最大の要素を述べた。勝負を顧みる様子を見れば、それは自身にも重なるところ在り。足、頬、と水鉄砲の軌道を知り終いは己の腰が次の標的。過日、級友から少年と評された童心が戯れに触発されむくり頭を擡げる。)引き分けだろ、んで  負け。(勝ちを否定する口は端だけ上がり、躊躇無く斜め下に位置する彼女の額を指鉄砲で撃ち抜いた。)水つか泳ぐのが、(軽い訂正に続いて言い切られそうな表現に質問加える未来もあったが、遮ったのは何気ない気付き。立ったまま浜辺と、小さくなった姿に影を落としながら、)もしかして水族館とかも行ったことねーの。魚の種類知らなそうだな。(世界の違い感じる物言いに食指を動かす。)
上埜新太 08/29 (Sat) 00:26 No.564
あは、原始人みたい。LINEも文字打つの面倒臭くなっちゃう人?(文明の利器に不慣れな印象を抱かされた所で零した率直な感想は他意無し。でも確かに、と続けるのは北村の中での学びとして)上埜とはLINEとか電話より直接顔合わせて話した方が私の精神衛生的にも良さそう。あ、この人本当に何も考えてないんだなって安心出来るというか…(通話での唐突な切電を思い返し、一人顔を苦く歪めた。腰への脅しが一切効かなかったことより、上埜の人差し指が額に突き立てられた事実に瞠目し一瞬怯むが、直ぐ頭を横に傾けて指鉄砲から逃れれば)どうしても負けさせたがるわね!?(負けず嫌いが発揮、腰に突き立てていた指鉄砲を開き熊手もとい牙に変身させれば「死ぬ間際に上埜の腰を噛みちぎったから道連れ!」ガブ、と噛むみたいに爪を立てた。戯れに立った砂埃が落ち着いた頃、砂浜の上には丸い影と長い影がひとつずつ。)あー水族館…いやでも水族館で蟹は…気にしたことないかも?大体クラゲとかペンギンとか……あ。(話途中、目先に転がっている細い小枝を手に入れれば)ねえねえ、(此方を見下ろす彼を眩しそうに見上げつつ手招き。しゃがむ傍らの砂浜を軽く叩いて、小枝で砂浜の一点をぐりぐりほじりながら)アリ地獄。小さい頃やらなかった?
北村伊鶴 08/30 (Sun) 14:43 No.592
そこまで……、いやめんどいわ。(始め首捻りやや否定を翳そうとしたところ、沈黙の間に自己考察入れば終着は肯定。安心、との前向きなワードに対して渋み孕む面差しが視界に入り、内実知らぬ鈍感は矛盾を感じて、)んだそれ。まあそしたら北村さんになんか言いてー時は連行だな。(今後の方針を自身に落とし込む。勝敗決したと判じた後は態々追い討ちかける事なく手を降したが、)なんとなく  うわっ、(一方で彼女は違ったのを感知した頃には、疾うに腰はやられ被害者面の声が短くあがって。「しつけーな」と眉根やや寄せ少ない語彙より拒否を選び取りながら、攻撃的な手首を掴み己から剥がした。)へえ。女子が好きそうなやつらな、(王道未経験ではない事実に相槌溢しては綺麗と可愛いに惹かれる情緒を想像する。なに、と今度は彼女が何やら見つけたかと目線を向けて、)少し。ここら辺アリいなくね?つーか、……ほら。(無作法に開脚状態でしゃがんで片膝に肘乗せ覗き込み。いつの間にか歩み進んでおり水際、丸くなる2人。して現況より導き出される可能性を示唆した瞬間、深くなった穴から海水が滲み出る。)海水出てくっからアリ地獄じゃなくてミニプール。あ、泳げなくても気分味わえんじゃね。
上埜新太 08/31 (Mon) 09:25 No.608
だからあんたは言い方がいちいち物騒なのよ。優しくして。(そもそも彼の中で自身を連行するほどの用事が出来るのか、些か想像がしにくいとは現時点内心に留めておくとして。両者相討ちと相成ったか、剥がされた手も責務を全う出来たとして本人は一満足。)上埜はそもそも水族館とか動物園とか、そういう施設に興味ある?あ、(尋ねてから一拍置いて、改めて挙手。目が合うなら指されずとも再び開いた口から連ねる言葉は何処か心理テストのようにも形式ぶって)ある日クラスの友達に今度一緒に遊ぼうよ、と誘われました。ただしその子に行きたい場所を尋ねても上埜と遊べるならどこでもいい、とのことです。さてあなたはその友達とどこに行く?なお海、プール以外。(お答えください、と片掌を上に指先を回答者へ向けた。)ん?…おぉ……(降りてきた視線が示す先を見れば、底から滲み出る海水がカサを増していく。ミニプール、と聞いて上がった口角と共に鼻から息を洩らせば、持っている小枝で益々穴を掘っていきながら)ここにきて一ヶ月くらい過ごしたけど、砂遊びしたのはほぼ初めてかも。……あ、はい。あんたのこれね。(もう一つ割れた貝殻を拾えば彼に手渡し、穴の前から少し横にずれて)掘って!もう少し大きいプールにするわよ!(いつの間にか探さなくなったパラソル。直射日光で火照った肌を伝う汗も今だけは放っといて、もう暫くは陸地での遊びに付き合ってもらおう。)
北村伊鶴〆 09/01 (Tue) 15:30 No.625
(彼女の要望や指摘は未だ真意掴めぬ事の方が多い。今後の学校生活において関わる可能性が無でないなら、他人の感情の機微に疎い性が取るべき行動は自明故の宣言だった。)そんなに。魚も動物も嫌いじゃねーけどなんか、(嫌悪の薄さに比例して特別表情筋動かさず首を捻る。少し離れた場所からも聞こえる、海で燥ぐ声とは異なり、落ち着きさえ漂う遣り取りに時偶挟まる音は興味を引きやすい。)……、……山?  そいつが誰かによるだろ。(海とくれば。反射で転がり出るアンサーは我ながらそうじゃないを察し条件付随させた。じわじわと砂の茶が色濃くなる様に視線は注がれて、)俺も。十分自然で遊べるよな。(想起するは1ヶ月の体験。まだ終わりを迎えていないが過ぎれば懐古に似た心持ちで眉間の皺を消す。角の無い心地の最中に手渡された道具を受けとって、)っふ、手でもよくねーか。(自然己の掌と大きさ比較して口端より息がはみ出た。効率重視ならば後者を使用するけれど、今回はちまちま貝殻を使わせてもらおう。きっと2人遊びに相応しいから。やがて掘り進める果てでは彼女が足を浸す位の水浴び場が出来上がろうか。体休めに残り少ない水を飲み隣にも分けようと容器傾けては、はたと手を止め落ちる声、)――あ、そういうこと。…気にしたか?(浮遊していたずれのピースが1つかち合った。)
上埜新太〆 09/01 (Tue) 21:07 No.629
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