（ロマン詰め込む念願を小脇に抱えて屹立するBergamot前、夏休みにご近所の幼馴染へあ〜そびましょと誘い文句放る小学生同然の風采は口先との間にギャップ孕まず）立夏〜〜〜。あ・そ・ぼ。（お待たせ代わりの口吻が彼女を引き寄せる事叶うなら、対峙を果たして「ハイ整理券」と宣う唇が益々ワクワクに浸ってアーチを描く。指先解けば掌に乗るしわくちゃメモ切れに乱雑な“楽しみにしてた”の文字。）もう材料ぶち込んで来たから俺の方は準備万端だけど、お前は？レジャーシートの準備した？（過日のナイトウォークを喚び起こし、どうしたって誘発される笑声はにやける唇のあわいから零れ落ちる。アイボリーのビッグTは踵翻すとストリートスナップのペイント絵を刺繍したバックデザインがお目見え。）立夏が運動センスあんのは知ってるけど、コレで案外ノーコンだったらウケんな。（共に繰り出す庭先、秘密のフレーバーが眠るアイスクリームボールを芝生へ落ち着けるや戯れの口吻にて挑発の一手を指す。ガチじゃないのにガチぶって手足首回し、さて多感なロマンが幕開ける。）

ホントにずっと持ってたっつーの、さっき書いたなんてまさか。（黙っていりゃ幾らか格好付けられただろうにド正直の脳裡は黙っちゃいられない。但し7文字の羅列は真意に他無いから、お揃いと知って唇は喜悦浸したカーブを描く。さて曰くレジャーシートが絡まるうなじへどれどれと下心ゼロの視線放り、）コレがレジャーシートに化けんの？全然じゃん、ボーダーかわいーのにな。（わきわきと蠢く指先が戯れる末、肩紐だけじゃ査定も儘為らぬのが正直な処。故にやわな引力に悪戯な笑み手向け「あったり前、脱ぎ捨ててもいいくらい。」と暗示される波打ち際へ飛び出す其の時は恐らく躊躇なぞ皆目持さない。）ワハハっ、ば〜〜か誰に言ってんだよ。コレは立夏ノーコン説が濃厚だな。手は確かに優秀っぽ、小学校の時ドッジボールで敵蹴散らしてた？（かろい笑声が乾いた空気を震わせたってサッカー部たるちゃっちい気位は顕在だ。作為的にオーバーポーズで構え、「そ。窓ガラスぶち破ったらマリリンさんの雷が落ちんぞ」お約束を案じおちゃらかすが先ずは1本目、己の足許目掛け転がる球体を目下に収めるや何なくリターン。）おっ上手。何味にしたかはヒ〜ミツ。立夏、そういや実弾射撃は出来たん？（ボール転がし乍クエスチョンを投げ合う理想型と相成れば、球体の中身を勿体振る調子の良さが如何したって隠伏出来なかった。）

いや待て、先入観がガチガチ過ぎて折角かわいくてもレジャーシートに見えんじゃんコレ。もう一個はどんなん？　あ、タンマ当てるから。（今の処“かわいいじゃん”を宣える自信は正味20パーセント。既成概念を逃げ口上とするバカ正直も纏めて笑い飛ばされる信頼有ればこそで、脳天から爪先迄を映じ思案顔にて「分かったパイナップル柄だろ」とのアンサーは脳裡で仕立てる割とガチ回答。）今の内にサインしとかなくていい？（戯れに乗じるシビア面で大ボラ叩くも破顔する迄には間も無い。）そういう奴の偶にって可愛いじゃ洒落にならねぇって相場決まってない？ワハハっ、つっよ。ミニバスから勧誘なかったん？聞いて、俺ボーリングすっげぇヘタクソだから。（下手こいたで済めば可愛いモンだと彼女へ注ぐ瞳に猜疑の色が灯る。弱点も易々と晒す間柄なれば「いつでも逃走する準備出来てるよ俺」と彼女へ罪着せる事すら厭わぬクソっぷりを呈すが、）っだぁ〜〜〜ッ！？（まあ実状ときたら蹴り上げる爪先が素っ飛んだボールをきちんと逐う顛末だ。足裏が球体の感触掴めば足許に侍らせてから彼女目掛けてコロコロと転がす。）こういう楽しみは後に取っておいた方が燃えんじゃん？立夏が電話で言ってた内のどれかだよ。うわっ、いーな。口動かさず集中できた？（とは通話をなぞる戯れのクエスチョン。耳打つメロディにバッと両手拡げ、何処にでも蹴って来いと言外に語る構えで自ら吉岡里帆になりきった。）人生で一番夏を満喫してっかも。ヤバ過ぎ、日本帰っても暫くはかぶれてんぜ俺ら。

かっかわいいです。（噴き出しかけた唇のあわい塞ぐも締まりが無く、舌先三寸のカワイイが咽喉震わせれば尚深まるにやつきを押し止められなかった。耳許で揺蕩う2輪の向日葵が眦を彩れば、心象の中で着せ替えた彼女の水着姿にああ、と納得が落ち）それはマジの可愛いが出っかも。ひまわり畑を自分のモンにしそーだもんなお前。（其のまばゆい花弁と均しい瞳を映じ乍宣う所感にて彼女のパーソナルフラワーを独断で認定。向日葵と戯れる指先を視界に収めた儘だったから吊られてフープをなぞり「1個ずつ。痛くて泣いた」との嘘っぱちに唇がカーブを描いた。彼女相手にエンドを持たぬ閑話が唇を突き四方に飛び回る傍ら、転がす球体だけは彼女の足許へ狙い澄ますコントロール力にて「いー感じじゃん」「うそ撤回ヘタクソ」ぎこちないトラップの度に酸いも甘いも吸わせる軽口を注ぎ幾許。）は〜〜あっつ。もう食いたい、開けてみて立夏。（2人のあわいを幾度往復したか、足許にはべらす球体の傍へしゃがみ込めばおいでと手招きにて誘引しよう。してお披露目叶えば瞳に映るはエモーショナルな天然ピンク、ドラゴンフルーツソルベは存外鮮やかな出来栄えだったから感嘆の呼気は反射的に洩れた。）危険なカンジっつーよりかわいい出来だな。食お、今日のGlinterは何味？（翻る踵並べて愛飲中のドリンクを手中に収めた後、せーので口に放るソルベは真夏にそぐうさっぱり風味で手向ける「ウマっ」が共感を希求しただろう。あれもこれも欲しがる閑話はピンクが溶けゆく迄もう暫くは興じていたい。）