ミモザの掟教えてあげよっか？　はい歌って～～（部屋とおんなじ名前のうたは最早お決まり。「歌うまで開けられません」と堂々口から出まかせ、しかし戸一枚へだてた向こうにいる級友との邂逅を5秒と待てなければ、彼女のくちがそれを口遊まずとも勢いよく開け放っていざご対面だ。）なになに、ココどうし　　うわっ（あざやかな髪色を視認する前に祝福は降る。朝食の席でもたくさんのおめでとうをもらっていたから面食らって、目をまんまるくするさまはまさしく鳩が豆鉄砲喰らったそれ。）まって。なきそう…………。（両手は口許を押さえる。おおげさじゃない。泣きそうだ。）わたしはね、いまものすご～～く感動してる。これココがつくったの？ぜんぶ？ちょうかわいい。（差し出されたスケッチブックを受け取ればまずは表紙の感想。それから1ページ、また1ページと捲れば現れる思い出の数々に「あ、これアイス食べたときの！」「え～～～」「うわ、ほんとに泣く5秒前」。）もっちろん、まだ全種制覇してないかんね。日本帰ったらどこ行く？サーティワン？アイス食べすぎか。（帰国までに何度も読み返すだろうし、帰ったら部屋のどこに飾ろうかって悩むこともあるだろう。ルームメイトに自慢することだってあるかもしれない。今までとこれからをつなぐ一冊をたいそう大事そうに抱えれば、「えへへへ」と笑って彼女に控えめな体当たりをかましてみた。最高の誕生日のはじまりへ。）ありがとココ。来年もおんなじのくれる？10冊越えの大作になるくらい遊ばなきゃね。