(なんでもない日が始まる。)

(いつか朝食の場で告げた寝てるだけで満足するとの所感は嘘ではなかった。見渡す限りの絶景も透けるような青さも空の高さも日常を忘れるには充分の要素で、未知の遊びに興じる好奇心もさることながら体内時計が緩慢になっていく心地良さこそ得難い経験だったろう。斯くして時刻は朝食後、今日は何をしようと頭を悩ませる毎日は贅沢に他ならずとりあえずの体でビーチサンダルが白砂を踏み躙る。素肌の上ではためくシャツも黒地にハイビスカス散るハーフパンツもこの気温とともに少しは体躯に馴染んできた頃合。腹ごなしに広大な別荘内を散歩がてら徒行する中庭で眺望する海が本日の快晴を報せている。スイカジュースみたいな薄ぼんやりと甘い1日のはじまりだ。)
三国雪緒 07/18 (Sat) 10:39 No.4
(今年の夏が人生のピークではないかと思える至れり尽くせりが怠慢にも慣れつつある本日。だらしない時間を過ごす事が多かった夏休みも昨年まで、花島が設けた7時朝食のおかげでまだメリハリのある一日を送れていた。しかし、以降の予定を決めかねれば意味もなく別荘内を散策する現状である。この家はなんでも置いてあるのか。そんな好奇心に抗わず、道中にてハウスキーパーより借りた空気の入った浮き輪はアヒル。それを担ぐ装いはシャツにハーフパンツで下に水着を着用している訳でも泳ぐ気も今日はなかったが、体だけはとビーチに通ずる中庭に降り立てば先客の背中が見えた。)三国、いま暇?泳がないでこいつを有意義に使う方法ってなんだと思う。椅子しかないかな。(相手の視界に映り込むようにゅるりと隣に立てば待たずして質問を投げる。両者の目の前にぽふん置かれたアヒルがこいつ。)
森地康太 07/19 (Sun) 16:53 No.8
(でかすぎて移動も一苦労な別荘内でもすっかり慣れきった現今、豪奢な一々に喫驚も薄くなれば夏休み明けが怖い染まりっぷり。今日は何しよっかなと朝食の場で度々上る話題を脳裡で想起しながら踏み出した爪先は然し背に受けた台詞に依り中断し、)この上なく暇だよ。つまんなくはないけど退屈って感じかな。(何せ一日ぼうっと過ごしてるだけでも浄化されてく気がする自然。して退屈をそのまま呼気へ溶かせば隣り合う少年ーーの持つ浮き輪へと視線を上げ)森地は今から  海、じゃないのか。泳がないなら椅子か あとは…(きょとんととぼけたアヒルと視線があった。上から下まで視線巡らせついでにビーサン越しの爪先でつんつん。)あ、あれ。 昔よくやんなかった?ダンボールで河原の斜面滑ったりするの。やわらかい芝生ならこいつでもいけそうじゃない?(こいつとまた爪先でつんつん。)
三国雪緒 07/19 (Sun) 21:55 No.10
俺も。(状況の一致が分かるなり目を細めて仲間だと笑う。)このアヒル借りるくらいに暇だった。今も暇か。(時間もアヒルも持て余していたのは迎えた今の準備としよう。まだうたた寝には早いが最適な微風がとぼけたアヒルを揺らす。耳を傾けながらも視線を落としていたもの、指示詞に「あれ?」と繰り返して顔を上げた。)ああ、それか、やったよくやった。うわ懐かしいな。それいいな、出来ても出来なくても面白そうだし。(大して昔でもない幼少期をしみじみなんて顔して思い出す。そうしてもう一度アヒルを担げば予定は決まった。)ってことで三国付き合ってよ、どうせ暇だろ。暇人同士、暇を潰し合わない?(つい先ほどの答えがあるから決め付けではない。ユーモアはこれっぽちも溢れちゃないが頭は捻ったほうの誘いを差し出す。それに乗るかどうかは十数秒の未来。)そのハーパンってこっちで買ったやつ?(柄からの推測は3秒後の現在。)
森地康太 07/20 (Mon) 21:09 No.14
あっはは、暇なんだ。こっちきてなんかした?(会う人間会う人間へ聞いて回るのはこの地での遊び事情。選択肢が多いあまりに選びあぐねる内実こそ男の暇の所以であるから「なんか面白そうな遊びだったら真似しよっかなって」は後付けにて紡がれる事だろう。斯くして暇人二人でマッチングしたらアヒルも交えて朝っぱらから小童な遊びへ興じよう。)あれさあ、ズボンのケツ真緑になんなかった?母親に怒られたよ俺。(潰し合う暇なぞ余りある、故に二つ返事で告げるOKは無駄な巻き舌で。「森地はガキのときやんちゃだった?」は道すがらの雑談に程近く、広大な敷地内を抜けつつある爪先は自然溢れるビーチへ視線を投擲しうまい具合の傾斜を吟味中。)これ?そうそう、着いてからすぐかな。俺あんまり荷物持ってきてなくって、全部現地調達でいっかなって。(はためくパンツの裾は日本じゃ多分選ばない色彩と柄。相応な浮かれ具合を外気へ晒せば「オソロする?」は女子めいたぶりっこを呈して悪戯な戯れ。)
三国雪緒 07/21 (Tue) 11:24 No.18
海行って肉は食べた。面白そうなこと秋吉とか馬渕がやってそうだよな。三国、同室だれだっけ。(配慮が欠けた回答は対同性ゆえの気の緩みが表れた。突飛のない自覚があれば刺激欲す子供心だって認めるよう彼の一言に同意を示したくて友の名を挙げる。「巻き舌上手じゃん」なんて称賛は、しかしからかいを隠さなかった。)なったし俺も怒られたけどまたやっちゃうんだよな、あの遊び考えたやつって誰なんだろ。俺?多分並みだよ、人並み。三国はいつからそんなでけえの。何があったんだよ。(目線を合わせようとすると顎先が少し上を向く。追究するこころには僅かな期待を隠れさせ、普通にしたって拝めない彼のつむじを透かして覗いた。)へえ、そうなんだ。なんか意外てか、勝手に三国は準備きっちりするタイプかと思ってた(外れた推理をからっと笑うのは知らない姿を知れたから。オソロの三文字に条件反射の遠慮が形作ったもの寸前で飲み込み)しようかなせっかくだし。三国とオソロ。色もまったく一緒。ニコイチじゃんって言われるような。(ノリ半分なるようになれ半分。程良い傾斜はまだ見つからない。)
森地康太 07/22 (Wed) 22:11 No.26
高橋だよ。今んとこ塩タブレット口に突っ込まれたりはしてないし、結構快適。(朝食の場で度々賑わう話題を引き摺り出せば粗雑な笑声が響く。揶揄めいた称賛は肩竦めるのは嫌悪に非ずアメリカナイズされていますよのポーズだった。)クソほど暇持て余した貧乏人?だって必要なもん段ボールだし。(斯くして視線を徐に伏せたるは演技がかって所作に違いなく)毎日牛乳2リットル。ジャイアント馬場に憧れて。  っていうのは勿論冗談なんだけど、じいちゃんも父親もデカいんだよね。ちなみに母親も178cm。(直様視線をほどけば衒いない七光りを明け透けに吐露しよう。「でかくなりたいの?」と返すのは必然的に視線を下げる形で無論悪気無い与太話だが果たして。)結構雑なんだよね、そう見えないからちょっと取り繕いたいけど失敗する程度。きっちりしてるのは案外馬渕と見た。(ど?と小首傾げて推理顔。どちらかと言えば森地を同類へ分けている声色で告げた辺りで耐え切れず吹き出した。)っ、だ はっはは。高校生男子がオソロってどう?俺は可愛くって結構賛成。あらぬ視線受けるかもだけどバカになったもん勝ちで推せる。(笑みの名残を眦へ引けば雑談へ傾いた天秤を戻すのは視線の先へ格好の場所を見つけたから。)あっ、あそこ。ど?(視線で指すのはビーチとパーキングの丁度境目に柔らかさそうな砂の斜面を見つけたから。)
三国雪緒 07/24 (Fri) 00:09 No.36
高橋が塩タブレット実行したらたしかに驚く、けどそういう作戦だったりな。今夜辺り来るかも。(級友の名前を勝手に借りて彼の狼狽を引き出すべく若干ホラーチック。クソほど暇した発案者の笑い飛ばしも落ちる視線に途切れて思わずちょっと唾を飲み込んでしまった。)にっ!?……っておい。へえ、もう遺伝子レベルの話か。そしたら普通の家より天井高そう。高い?天井。うん、まあまあまあ…まあな、あとちょっとな。ぎゃくに三国が低くなりたいって思う時ある?(明かしてくれた事情に示した肯いは、そのまま質問の答えとなって繰り返す形となった。繋げたキャッチボールに皮肉も自虐もないからなんら変わりない表情に好奇心だけが揺らぐ。)まぶちぃ?いやいや俺の方が多分しっかりしてるよ。今度部屋来て、証明するし。(ぽんっと生まれた対抗心はルームメイトだからの理由に落ち着けて、決戦の場Geraniumにご招待。カテゴリー選択が正しくとも面白さに傾くのが年頃だろう。)よしじゃあオソロ決定じゃん。それどこで買ったかまた教えてよ、とことんバカになってオソロ用の買いに出掛けんのもいいけど。お、良い場所。(引き笑い収まらない内にまたバカ爆弾を投下しつつお目当ての坂に到着したならアヒルを遠慮なしに置く。「俺、前で良い?」の確認は座った後に向けるとして二人乗りは前提にあった。男子高校生二人の体重預かったアヒルはどんな走りを見せてくれるのか。)いくぞ。
森地康太 07/25 (Sat) 22:13 No.45
小学生の時戸建てに引っ越したんだけど、第一オーダーが「天井高くする」だったらしい。マンションの時しこたま頭ぶってたのかも。(数年前の記憶引きずり出しつつ続く与太話、)んでも姿勢悪いと一発でバレるし、目立ちたくないのに悪目立ちするし、そんな運動神経良いわけでもないのに運動できると思われて勧誘すごいし、あんまラッキー!って思ったことはないよ。(指折り数えれば特段恩恵賜る事のない日常が吐露される。眦下げて笑えば「長身が持て囃されるのは一瞬だもんね」は互い無い物ねだりの様相か。)え、じゃあスイッチ持って高橋と遊びに行っていい?おもてなししてよ。そんでスプラトゥーンやろ。(修学旅行の夜みたいな提案はしっかり者の証明よりもただ遊びたいだけ。「そんじゃ次は夜のマーケットいこ」「そんで現地人ナンパしよ。失敗しそうだけど。」と軽口に終始する内辿り着いた斜面でいいよと一も二もなく頷けばアヒルの後部座席へ尻を下ろす。暫くぶりの高揚覚えながらと肩へ手を置けば「オッケ」と沈むアヒルに体躯を委ねていざレリゴー。緩徐にずるりと地を擦る音立てたビニール素材へ紐なしバンジー宛らスリルを背を撫ぜる。)ぅっ わぁ っははっは!ヤバい!はっや!(男子二人分の体重が傾斜に倣って滑り落ちたらそこそこの速度に込み上げる笑いは風の音を裂いて少年の耳朶へ届くだろうか。)
三国雪緒 07/26 (Sun) 17:07 No.52
(顔も知らない三国家の面々が天井にぶつかる姿を想像した結果の笑声は控えめに落とす。彼の事情を知るごと「へえ」とこぼれる声に感興が交じるのは実情を垣間見れた気がして。)その身長ならバレー部とかバスケ部が黙ってないもんな…てか三国ってバスケ部じゃなかった?やっぱ勧誘されて入った?(所属は知っても経緯や部活動での姿が不透明ならば聞いたばかりの定めを掬って問い掛けた。)なんだ、俺てっきり良いこと尽くしかと思ってたけど、んなわけでもないって分かってちょっと良かった。目立ちたくない時は俺の後ろに隠れなよ。(166-186がマイナスしないって顔した後には取り繕えず笑った。イカにも猿にもなる気概でスケジュールが埋まるから口から覗いた歯は一転して滑り落ちる寸前で噛み合う。スタートからクライマックスの速さに後ろ髪に沿われた彼の笑いに覆い被さって厚みが増す。)っぶ あはは!っはは!これ落ちる!(そうして傾斜の終わりに見事体勢崩れればアヒルが退けと男子二人を雑に放った。大惨事ではないにしろ砂の味を知る。)はあ~やばかった面白かった。よしもっかいな。一人だとどんくらいの速さなんだろ。(適当に汚れを払いつつ坂を登っていく。そうして頃合いを見計らって)一旦戻ろ。三国、お昼どこで食べるつもりだった?
森地康太 07/27 (Mon) 20:34 No.71
そう、背丈だけで勧誘されてほいほいいいよってしちゃったけど俺運動神経人並みだし、今や幽霊部員だよ。(二つ返事で入部したしっぺ返しは休日返上の試合と幽霊部員の肩身の狭さ。遠い目で告げたら「森地も部活やってるんだっけ?」は一学期分の足りない知識と記憶のすり合わせ。ノルマ宜しく増えていく遊びの予定はそのどれもを熟す気でいるが今更ながらの気後れが先んじて「暇なときでいいからね」と気遣いめいた予防線。斯くして5歳児の遊びへ興じてみれば想像以上のスリルが背筋を駆けていく。)っだぁっ !!?(綺麗な着地望めぬのは予想の範疇だが半ば放り出されるようにして倒れ込めばざらつく口内が妙におかしくて笑いが込み上げた。もっかいやろうがハモれば破顔一笑、一人で滑る森地が放り出されるまでをカメラロールに収めもすれば今度は俺が前ねと操縦席へ座り、声が枯れるまで或いは体躯が悲鳴を上げるまで。遊び疲れた夕暮れ時の餓鬼宛ら心地よい倦怠を湛えて立ち上がれば)今ジャンキーなものが食べたい気分。帰り道にバーガーなかった?いっそ日本を恋しがってここらでマックか丸亀でもいいな。(廉価なファストフードを並べ立てたらぼろいアヒルを拾い上げて選択を委ねよう。どちらにせよその答えに一も二もなく頷いて砂塗れの体躯を引き摺る、何でもない日が心愉しい昼下がり。)
三国雪緒〆 07/28 (Tue) 11:14 No.83
なあどこ見てんの。俺はなんも入ってないよ、放課後遊びたいし。(身長差生じても目線は合っていた筈なのに、思い馳せるような眼差しに笑って片手を振るえば意識を寄せた。空白部分は疑問を投げた数だけ埋まっていく。すれば物理とは違った距離も縮まったとの捉えが図々しいとも構わず、彼の心遣いに返す本音。)だからいつでも暇なんだって。常夏に来てまで悲しいこと言わせるなよ…。てかマリカーってある?(肩をすぼめた演技は気遣いなしの催促が2秒で剥がした。アヒルに投げ出されて作ったかすり傷もこの場なら大笑いの一因にしかならない。撮り手や操縦士を代わる代わる大いに楽しむその場所はサマリン島を感じるには不向きだろうが、そよ風よりヤシの葉を揺らす声が男子二人分とは紛れもない事実。起き上がるなり感じた身体の重さは不思議と疲れとは感じない。そうして更新されたカメラロールを眺めたなら満足げに綻び、切り替え早く促した昼食の案は決めかねる。)バーガーの口になった瞬間にとろ玉の舌になった。うどんで。(すっかり汚れたアヒルを横目に5歳児を思い起こした次は生まれ故郷を恋しがろう。互い暇を持て余したばかりに過ごした時間は語ればバカと言われるか。それでもきっとこれも青春。丸亀への道中、ふとした気付きは今日一番のか細い声。)アヒルしぼんでる?(破れたなんてそんなまさか。)
森地康太〆 07/29 (Wed) 23:13 No.109
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