一緒に憂えるオチかな、巽さん。

(夕食も終えて時刻は間もなく21時を回る。集合とたった一言送信したのはソファに存分に沈み切った後であれば瞬間、走者二人だけの一番乗りも容易く冠した。天井に掲げたスマホでピン芸人だと知れた彼女の父親を検索にかけようとも、芸名もおろか本名も不明であると思い出す。)ピッカリ~ン。(妙に口に出したくなる言葉12位は持ちネタなのか、はたまた愛娘だけに向けたものなのか。答えとなるヒット数を確認する前に二番乗りになった彼女を見つけ、若干背を起こして手招きした。)こんばんはへたっぴさん。最近はどう?トイレ掃除まだしてんの。親父ギャグは日々生まれてる?俺の聞いて、今日の。麻婆豆腐を食べるマンボウ、「ウフ」(言いたい欲の発散は迎えとともになんてことなく笑って向けた。そこから全く淀みを知らずにつらつらと並び立てるも、今夜の本題を思い出して「あ」と言葉を止める。眩い丸坊主が頭を過った。)見よっか、早速。俺ほんと楽しみにしてた。待って、ちょっと整えるから。(手のひら向けたなら二度の深呼吸を行った後、状態は完璧だと目配せ。)
森地康太 08/13 (Thu) 21:08 No.337
(真っ暗だったパンドラの箱がLINEの通知で眩く光る。二文字に導かれるようにしてスマホだけをポケットに突っ込んだら、スリッパの音だけが鳴った。べったで到着したことを悟ったなら、招かれる侭に「おまたせ」と息をついてソファに腰ごと沈め)トイレの神様、わたしをおもろくして、と思いながら掃除してる。親父ギャグは、ん?……っふ、 ふふ。(肩の震えすら表に出さぬようにと笑い噛み殺した体躯は不自然に跳ねた。「突然やめて」「これから森地見ても麻婆見ても思い出すから」と訴えかければ我慢し切れぬ笑いが終ぞ溢れる。)…冷房一旦切っとく?(は、ドン滑りを予感して敢えての七分袖から飛び出た腕を撫でての一言。とて本日のメインディッシュはとうの昔に決まっていたからスマホ取り出して人差し指がスクロール。それではレディースアンドジェントルメン。準備はいいか。)「志真チャ~ン!サマリン島はいかが?パパは夏バテでこのありサマー!凛とできへんパパからでした!」(再生終わるや、ばつ印で通常LINE画面に戻って。次。次いこう。)「志真チャ~ン!海外のいい男はおった?でも貞操観念は大事にせなあかんね~ん!お?そっちは星がきれい?でも日本でのパパの頭の輝きも負けてへんで!ピッカリ~ン!(前回同様の所作である。)」(スンッ…。かんばせの色失った眼差しから数秒遅れて重々しく一文字の唇押し開いたなら、憂いる準備は存分に出来ていた。)森地のほうがダジャレのセンス、あるな……………。
巽志真 08/14 (Fri) 19:09 No.348
これ以上面白くなってどうすんの。笑いにストイックじゃん。(トイレの女神もべっぴんならまだしもユーモア祈願は初めてだろう。父のみならず娘の言動も癖になる予感はひとまず置き、そんな彼女の笑いを掻っ攫えた事に口元は満足そうに笑みを浮かべた。快適さ抜群の室内温度が一体どこまで下がるのか。いっそ氷河期も望ましい。彼女の指先が動けば、謎に溜まった唾を静かに飲み込んで待ちに待ったその時がようやっと訪れた。)………うん(まだあると分かれば声出さず、二本目を黙って見たならば)……ふ…ッ…はは!だめだ俺、ピッカリ~ンに弱いわ。なんだっけ、ありサマー?うん、うんうん上手いと思うよ。てかピッカリンってお父さんの持ちネタ?(一度嵌ったツボは早々抜けられないと濡れた目尻を拭う。父親の明るさであったり対する彼女との高低差や背景諸々が、申し訳ないと思いつつも動画の中身より多分に笑いを誘うから。爆笑に届かぬくとも思い出し笑いに選ぶなら断然に彼の父親に間違いない。)俺の?やばい。巽さんのお父さんとダジャレ対決したくなった。(閃き顔で非常識も甚だしいが本心であれば噛み砕けず転がった。それから徐に立ち上がって)海行こうか、俺笑っちゃったけど。ごめんもうちょっと巽さんを留める。(これでおやすみこそ憂いに値する。誘いの不自然を自覚するから苦笑いを浮かべたって押し通さないとも言わない。彼女の返事を待つ間、これまたふと掌を差し向けた。)ハイタッチ。ウェイウェイ。(そうして鳴った音はなんとも小気味良かった。)
森地康太〆 08/15 (Sat) 04:20 No.359
どうしよかな。誰かからの“面白い”の褒め言葉が7つ揃ったら願い事叶うとかない?(冷静なかんばせを繕って絵空事ひとつは人差し指を天に向けて提案の様相。)いますごい、心ん中で「お父さん良かったなぁ…」とおもってる。ピッカリンは持ちネタで、これもセットで…。(一度開かれたパンドラを再度開ける気になれぬ指先は代替として自身の旋毛から髪を引っ張り上げる所作をこれと称する。彼の指先が眦の海を掬う様相を見留めたまなざしは安堵にも似て柔く溶けた。勝負の行方は扨措き、瞼裡で級友と父のファイトのゴングが鳴れば)ぷっ。  待って、ダジャレ対決してるとこ想像したら笑っちゃった。(率爾として唇の隙間から漏れ出た朗笑に喫驚の色が自身で宿るちぐはぐさ。「今のところは森地の一歩リード」は親子関係が一筋縄でいかぬ高校生の思惑にも起因するけれど、確かに眼前の彼をたのしいひとと認識することにも由来した口吻だ。先んじて彼の尻が浮くなら視線は自然仰ぎ見る形となって、空調の風を受けた後れ毛が靡く。)まだ空にかえるカラータイマー光ってないから、行けそ。(すいと大仰に視線を胸元に落としたのも束の間、それより数センチ前に二枚の掌が魅力的に此方の二枚を誘ったから。)テンアゲしていこ。ウェイウェイ。(ちょっとばかし込めた力は軽快な音としてふたりのあわいに響く。まだもう少し、3分のリミットには程遠いことを教えるみたいな音だった。)
巽志真〆 08/16 (Sun) 01:22 No.371
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