琴平、パリピに近づいた手応えは?

(ここは未だ夏空を感じさせる南の島だし、たとえば彼女の髪型がいつもと違ったり、いつもより涼しげな格好をしていたとして。それでも見知った背姿から彼女と判別するのはそう難儀なことではなかった。)琴平!(肩を二度叩いたのち、背後から声をかける。彼女が振り返ってくれることが叶ったなら、その顔貌を凝視しよう。)ははは、突然すまないね。この間買った眼鏡をしているかどうか気になってしまって。(出来上がった眼鏡の受け取りが間に合ったか、もしくは今まで通りの見慣れた姿がそこにあるか、どちらにしたって同じクラスである限り確認する機会はいくらでもあるから、なんの事はないと笑って次の話題に移ろうと言葉を続ける。)海辺に来るとサマリンでステッキを振り回したり砂山を崩したりしたことを思い出すな!あのステッキ、部屋に飾っているんだが異質感がすごいんだ。すごく浮いている! 沖縄にも持ってきたら良かったな。そうだ琴平、沖縄でも楽しんだか?(サマリンであの女と遊んだ時心から楽しんでいるように見えたから接続詞は迷わず“でも”だ。いつだって周囲の人間が自分と同じ温度で楽しんでいる状況を望む男だから、自分が今楽しいのと同じぐらい琴平も心が弾んでいれば良いと思った。そんな思惟のさなかで、そうだ、と思いつきで彼女の目の前にグラスを掲げては)琴平!乾杯でもするか!  かんぱーーーーーい!!(返事を待たないのは有無を言わせぬ勢いで、彼女がグラスを手にしてなければ急かすように自分のそれを傾ける。カチンとガラス同士を優しく触れ合わせたら、寂寞のつけいる余白が無いくらい最後の夜が満たされていることを改めて感じた。)
橘鷹銀河〆 09/27 (Sun) 23:13 No.92
(昼間の気温の高さを理由に後ろでひとつに括ったのは数時間前のこと。雑誌の見よう見まねで編み込みなど初挑戦してみたのだが、少々の失敗は我ながら大目に見ることにした。それよりも、いつもと違う髪型にしたという事実だけでなんとなくテンションが上がるものだ。)ハイ! あっ、橘鷹くん!(背後から肩を叩かれた条件反射で返事をしながら振り返り、その正体に気づけば破顔する。)いえ、全然! そうそう、せっかく選んでもらったのに伝えていませんでしたねすみません。ラッキーなことにギリギリ沖縄に間に合ったんですよ。どうです?パリピに近づけてます?(そうでしたと目を瞬かせ、今現在まさに掛けているクリアフレームの眼鏡のブリッジを持ち上げてアピール。この降って沸いた沖縄旅行出発の前日に受け取ることができたそれは、毎朝起きて手に取るたびにテンションが上がるのだ。やはり自分ではなく彼に選んでもらって良かったと改めて思いながら、移ろう話題についていく。)あはは、ステッキ遊び?楽しかったですね。私も飾ってますよ!というかむしろあのステッキが浮いていない部屋だとしたらかなり驚きますが…….あ、私の部屋でも浮いてますよ。(なんて謎の主張を挟みつつ、)もちろん最高に楽しんでますよ!色々遊びましたし食べましたし……、橘鷹くんはどうでした?って聞くまでもないですね。楽しかったでしょう?(きっとこのクラスの中で誰よりもこの沖縄旅行を心から望んでいた男に違いないのだ。そして多分だけれど、そんな彼と同じくらいにこの旅行を楽しんだ自信があった。)えっ、あ、ハイ! かんぱーーーーい!(わたわたと右手に持っていたコーラの入ったグラスを持ち上げて触れ合わせる。掛け声は自然と大きく高く弾んだ。最後の夜、笑いが引っこむ暇もない。)
琴平るい〆 09/30 (Wed) 23:54 No.152
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