いや〜やっぱ雪緒と喋んないと夏終わんないわ〜

(肉に魚介に野菜にスイーツ。かのクラスメイトが居たら贅沢過ぎて感覚が麻痺しそうになる。今夏何度も思った事を反芻しながら肉肉肉野菜肉魚介魚介野菜スイーツ肉ぐらいの塩梅で続けていた食事の合間、碧眼が動いていたのは何も鉄板と皿の上だけではなくて。ターゲットが空くタイミングを虎視眈々と狙い、マシュマロが刺さった串と個包装儘のアルフォート幾つか携えて)ゆ〜〜〜っきお なに食べてんのマシュマロ焼こ♪(挨拶代わりの一言と共に振り仰げばポニーテールの先が揺れた。彼の手元に何があろうとズイと差し出す皿に載せたマシュマロ串は未だ真白、当然とばかりにアルフォートも「はい」と渡して自ら串を火元に近付けつつ)どうしよっかな今夜話しかけんのって思ってたのね、なんとなく。この場所の雰囲気いい感じだし。(卒然と割った唇は今夏最後のビビッドオレンジ纏い、真顔で炙り加減見ながら串を指先で回し)けど、雪緒と喋んないで終わんのはやっぱ寂しいなって思って。(肩竦めて笑ってから片手と口の端から除く歯使ってアルフォート開封。今か今かとマシュマロの炙り具合待つ。)あ、そだ、ヘアオイル使ってる?どう?
スペンサー心 09/25 (Fri) 23:46 No.59
なに食べてんの?からマシュマロまで早くない?(時を巻き戻したかのような玻璃色の南国へひとっとびしてから満喫した連休最終日、微かにはだけたシャツの襟から入り込む風だけが辛うじて秋の訪れを報せる夕刻だった。いいよいいよと二つ返事の馴染んだ舌が戯れめいた異を唱えるが、声を掛けられるより先に視界の端へちらちらと過る虹色を気にしていた事がどうか気づかれないと良い。すみっこでグリルをつつく陰キャを喜んで脱出したら手招きしておいでおいでのポーズ。串にマシュマロを3つ程ぶっ刺したらとろけるまでの十数秒のうちに)俺はなんで心話しかけてくれないの?ってキレてたけどね。理不尽?俺から話しかければいいのかもしれないけど、なんか  なんか……。(語尾に滲ませた笑いはけれど罪悪感を持たずして、眦下げる情けない様相は白煙に紛れていたらいい。躊躇う語尾は出来上がったマシュマロによって帰結を放棄し)うまそう。火傷しないようにね。(開封したアルフォートを一つ摘まみ上げる傍ら等価交換で差し出すマシュマロ串。)あれいい匂いするんだけど何のにおい?髪の毛バサバサでドライヤーせずに寝ても次の日使ったら割と生き返る。もうハゲ予備軍とは言わせないから。(ほらと背中を屈めて毛先を剥けたらトウモロコシのひげとは言わせない気概でアッシュヘアを戦がせた。)
三国雪緒 09/26 (Sat) 11:31 No.65
(勇んだ足先が手招きに跳ねて隣陣取った次の瞬間、思いっきり鼻柱に皺寄せて表情崩し)はあ〜〜〜?!理不尽ってか えっなに子ども?ねえ〜〜子どもじゃんイトコの4歳ちゃん思いだ  (白もやと薄暗がりの所為で彼の表情もはっきりと見えず、言葉尻だけ捕まえてうるせえ文句ぶつけ噛み付いた。けれども食い意地は人一倍、ナイスな塩梅で焼き上がったのは甘い匂いに混じる香ばしさから明瞭で、さすれば文句は早々に放棄してアルフォートにいちごシロップ色の指先伸ばす迄コンマ1秒。「やった!ありがと!」とアルフォートのチョコ面でマシュマロ挟むようにして、三連の内一つを摘めばとろ〜んと伸びつつも御相伴に与ろう。)わっチョコ溶けてきたっ あっ と、〜〜ん!!(注意事項にもこのドタバタぶり。慌てて口内へ放り込めば熱さと甘さが同時に来て暫し悶絶、片手は口元を覆い、片腕は熱さ散らそうとパタパタ忙しなく動いて。漸く飲み込んだ「おいしい」は半分涙目だった。)なんだろ、ちょい甘い感じの……バニラっぽい?ねえ〜〜乾かさないで寝るのが一番ハゲるって!!艶髪ハゲって新ジャンルすぎて   ………、………えっっ(差し出された髪一房におずおずと触れる折、サッと頬が朱で染まったのは見えてないといい。ドギマギと梳いた毛先があまりにもうるつやさらっと指の合間を抜けたものだから、そんな朱色も何処へやら、アッシュカラーに瞠目してもう一回。無意識に自らの後毛も撫でた。)ま   負けた……雪緒のがサラツヤってどゆこと?!しばらく巻くのやめよっかな!!(ムキッと八つ当たり宜しく炙る前のマシュマロ放り込み「ココに感謝して!!」とはあまりにも幼い文句だったか。自らの串でも炙っていたマシュマロを再びアルフォートで挟んだ危険スイーツをもう一つ胃袋に収めた後、)こないださ、来年のココの誕生日ちょ〜〜〜う豪華に祝ってくれるって言ってくれたじゃん?アレ、今からリクエストしてもいい?(悪戯に眦細めて見上げた先へ、「ふたつ候補あんの♪」と宣う声音は軽やかに弾む。)
スペンサー心 09/27 (Sun) 00:49 No.74

うんうんわかるよ舌の皮持ってかれたんよね言葉も出ないよねわかるよ え?なに?飲み物が欲しい?ごめんちょっと今手がふさがってて…(悶絶する様相へ好き勝手アテレコしたらうんうん首肯を添えて理解者面をかますも腔内がてんやわんやな少女へ態とらしく片手に串、片手にゴミを持っている様相で「手がふさがっている」体裁を整える性悪っぷり。然して涙目へ、ぶふっ、と無遠慮な笑声を弾けさせたら漸くと烏龍茶のなみなみ継がれたグラスを差し出そう。)大丈夫?はい。(爽涼な笑顔は一秒後には耐え切れぬ笑みの名残りで鼻を膨らます顛末となろうか。二の舞にならぬように呼気で冷ましたマシュマロを口に迎え入れながら、頭部へ触れる遠慮がちな指先に「抜かないでよ、貴重な毛髪だから」と軽口も滞りなく。)あ、ほんと?やっぱ心サマサマかも。それパーマじゃなかったの?毎日巻くの大変そう…。(屈めていた体躯を起こしざまにレインボーカラーを一房取ってみたら直様驚いたように「うっわ 縄かと思った」と告げるも憎まれ口ばかりの現今は数度目の攻撃が飛んでくる前に「うっそ うそだって」と保身に走ることも忘れない。)今のドキドキした?(斯くして2つ目のマシュマロを手にとる傍らの疑問符は、だって知っててやっているから。問い詰められたら「ドキドキするかなって」と手前勝手な理由付けをいけしゃあしゃあと舌に乗せるが特段悪怯れぬ表情の侭。)うん、言った。いいよ。(何?よりも先に二つ返事でのOKサイン。内容がなんであれ答えは変わらないから、後付の体だがそのふたつの内訳を聞くべく、甘ったるい口に烏龍茶を流し込む。)
三国雪緒 09/27 (Sun) 21:15 No.88
(思いっきり怨念込めて睥睨向ける碧眼だけでは飽き足らず、脛目掛けて片足振り出すものの目的地を蹴る前にゴールドのトングサンダルがすっぽ抜けては格好が付かない。差し出されたコップを受け取ってぶすくれた儘唇を寄せた後「……ありがとう」は意地悪の先で救われた人間とは思えぬ程低く唸った。)それはつまり抜けってこと?いまそれ言っちゃっていいの?(ド生意気叩き付けてもアッシュ摘む指先は慎重だし力入れる素振りさえなく、するりするりと感触を楽しむように覚えるように梳くばかり。最後に恨めしく毛髪同士を擦って解放したなら、フフンと渾身のドヤ顔が満面に広がり)崇め奉ってハーゲンお供えして♡パーマかけてたんだけどもうほぼ取れ  ってて、(不意打ち食らって平常心で居られる程タフじゃないから、ぴくりと睫毛と肩が揺れるのはどうか見えないで。然して跳ねた心臓ごと食らった二度目の攻撃には今度こそ反撃の手緩めず、ぺたんこトングサンダルを足の甲狙って思いっきり勢い良く踏み付けんと下ろしたがさて。失敗すれば次こそ脛狙う足癖の悪さも容赦無く、眦釣り上げてバカだのアホだの性悪だの小学生も斯くやな悪態ばかりが唇を突いて止まないのだが、)〜〜〜〜しっ  た!したよバカ! もおぉ……(喧しい声をストップさせるのも彼の言葉一つだった。不貞腐れた顔して凡そ勢いで認めた心臓の中、最後にまた悪態くっ付けて両手で顔を覆えば「弄ばれてるじゃんめそめそ……」の嘘泣きはへっぽこ大根役者も真っ青。はたはたと熱籠った頬冷ますように手で扇ぎながら平素と変わらぬ返答にアハッと笑声が漏れる。)ヘリコプターで花火真上から観る!  か、ディズニー連れてって!(高校生の財力では先ず困難な選択肢の後、今度はそこそこの背伸び要求する唇は遠慮無くニンマリと弧を描き)んで、耳付けてポップコーン買って写真撮りまくって一日中遊んで、  (勝手に進める来年の計画の中で中途半端に切れた言葉の先を惑ったのは刹那、キッと見上げた碧眼は挑発的な色纏い)夜にめっちゃナイスなシチュエーションで告白するから!やっぱヤダはナシだかんね!
スペンサー心 09/28 (Mon) 20:41 No.107
いつの間に死んでるの?あ、死んでるのは髪の毛か っだぁ!!(すっぽ抜けたトングサンダルの軌道を余裕綽々の笑みで見送った数分前からあっさりとしっぺ返しを食らえば足の甲へしこたま落ちた衝撃に思わず串も放り投げて蹲る。じんじんと痛む爪先へ掌を宛行ったら涙目で差し向ける睥睨は自業自得と笑われても致し方無い顛末だった。)さいってぇ。今折れた。骨折れた。粉砕骨折された。何?今俺象にでも踏まれたの?(悪怯れぬ唇が憎まれ口ばかりを繰り返すも屹立して見下ろす頃にはふんと鼻先で笑う幼児っぷり。「真っ赤だよ~大丈夫~?」と同じように掌でぱたぱた仰ぐ掌は確信犯他ならない。いつかは居心地の悪さが先んじてばかりだったが、ぬるま湯に無理矢理溶かそうとした角砂糖のぎこちなさが疾うに払拭されていることに気付いたのは須臾の目弾きひとつ挟む頃だった。)それ知ってる、先に無理難題言っとけば断った罪悪感から二度目は聞いてもらえるとかいうやつ。(ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを駆使されたら端からYESだけを準備していた心持ちも物理的な無理難題を希求されたらムリと一言で切って捨て、恰もしょうがないなという体裁を整えてからの「遠くない?」は迎えたばかりピカピカ16歳が遠い未来へひとっ飛びしたい耐性の無さを露呈する。「楽しそう」「美女と野獣のバケツ欲しい」と茶々入れのさなか、眦の釣り上がった瞳に心臓まで一突きされた心地で場違いな笑声が弾け飛ぶ。)ぶっ  あっはは!(涙の残滓を払った指先がそのままレインボーカラーの頭頂部へすとんと落ちた。)ダメだな俺。単純かも。心に好きって言われた日から、もう俺の一挙一動で心が嬉しがったり赤くなったり不安になったりすんの見て、なに、……楽しくなっちゃっている。期待してる。たぶん、文化祭の日あっさり友達って言葉使ってきた心になんでだよって思っちゃった日とおんなじ気持ち。(情けなく垂れ下がる眦が笑みの名残りを刻んだ侭重みのない呼気を打つ。手前勝手な情操とは承知の上だがこみ上げる面映ゆさを逃がすように鼻先を掻いてから、それから。)やっぱヤダ。(頑是ないヤダはYESマン極まる男がはじめて行使した明確な「NO」。明後日の方向を向いた視線が自分だけを指差して嘲笑っているような気さえする月明かりへ向けられて)今が良いな。
三国雪緒 09/29 (Tue) 20:39 No.122
(反撃成功で得意気に細まる眦は、平素と視線の結び方が逆転している合間に少しだけ心配する色纏い下がるものの、)うっっるせ〜〜!!そんな重くないし妖精だしフェアリーのフットスタンプだし!!(結局舌戦で撃ち合う喧しさが先行してキャンキャン噛み付き最後には「ちょびっと心配して損したっ」と鼻穴膨らませてぶすくれる始末。如何考えても彼に転がされている気がして、温い微風生む大きな手へ「誰のせい!!」とパンチ繰り出す頃にはせめて赤が引いていると良いけれど。)アハッバレてる。こないだテレビで見たから試してみたんだけど(駆け引きにも満たない渾身の心理作戦があっさりと読み切られては白旗挙げる他あるまい。開けっ広げな背景の吐露から最終的な目的迄告げた先で、よもや笑声とかち合うとは思ってもいなくて丸まった双眸瞬いた。?浮かべる頭上に落ちる感触に益々増える疑問符は、続いた彼の言葉を聞いても解消されない儘で)な、に 期待って、  ……なんでだよって、(それこそなんで?と。帰結が見えないくせじわじわと首元から侵食する熱がまた頬を染め始めるから、せめてもの抵抗に眉根寄せて。何に対しての抵抗かなんか自分でも分からない。まるで彼の中に答えを探すかの如く真っ直ぐ見つめる碧眼がぐらりと揺れる。)  ぇ、(予想だにしなかった彼の「NO」にきゅうと細まった喉奥から空気に喘ぐような戸惑い漏れた次の瞬間、視線逸らした彼の横顔へ限界まで瞳を見開いた。今ってどういうこと?なんで今?震える唇はどれも音に出来ない代わり、伸ばした指先は彼の服の裾を狙って触れたなら其の儘握り込む所存。艶やかな瞳が此方を捉えずとも、愚直な程見上げる碧眼は精悍な横顔に穴開けんばかり)  好き。雪緒のこと、大好き。来年までかかって、絶対惚れさせてやるって思ってるの。(一度防波堤を乗り越えれば後はもう堰を切ったように流れ出す。肉臭いし、白煙が視界の邪魔にもなるし、メイクのよれ直しもしてない。思い描いていたテイクツーとはまるで違うシチュエーションなれども、そんなのは如何だって良くって、)ねえ、あのさ、2回目って1回目より緊張するし、勇気要るっぽいのね。ココも今気づいたけど。だからさ、……ご褒美ちょうだい。(耳の真横に移動してきたらしい鼓動が煩い。でも、狡い言い訳だとしても、今を望んだのは他でもないあなただから。過日は後退した一歩を今日は踏み込んだ。)
スペンサー心 09/30 (Wed) 02:02 No.136
(呑気に微睡む月明かりから現今向き合うべき少女へ視線を引き下げて、眦を下げて笑みらしきものを象る曲線を指先で柔らかく掻いた。)こういうのも心の作戦なの?そしたら俺、まんまとハマってる間抜けな男かも…。(解を求めぬ独り言が夜気に彷徨って消える。一人勝手に踊っているようだと鼻面へ皺を寄せてもきっと少女はそりゃこっちの台詞と詰る権利があったろう、自覚があるから音を忘れた唇の行方を追従するよりもシャツの裾に皺を作る指先に触れた。怯んだような一瞬の躊躇いのあと、逡巡を振り切るように握り込む。)……そんなに見たら減るよ。  冗談だけど。(茶化さずには居られないくらいのむず痒い現今はけれど間違いなく男が男の意志で引き寄せたもの。自己勝手に強請っても容易く手に入る二度目の告白が少女の惚れた弱みと言うのなら、惚れられた側の強みを堂々と行使する振る舞いも厭いやしなかった。陳腐な煌めきだけがふたりの頭上で呑気に輝いている。)うんわかるよ。俺も今 こんなんで、一言「俺も」っていうのにたいそれたことしてんじゃないかって五臓六腑ひっくり返って吐きそうだもん。(少女と比較したらとんでもちゃちでちっぽけな勇気は男からしちゃ何万歩よりも大きな一歩。掠れた語尾を咳払いに誤魔化したら甘ったるい響きが耳朶打つからてきめんに笑ってしまいそうになるが、熱をほどいた掌が細い指先を絡め取る。)文化祭のときは怯んでたし、手に取るみたいにわかる心の「好き」に目をそらしたい気持ちばっかだったけどね、今は違うんだよね。いいよばっかだったけど俺の意志で   …うん。俺も、(過日は怯んで目を背けた、或いは罪悪感故に気後ればかりが先立っていた情操を胸の内から取り出してひらいてみたら驚くほど素直に名前を付けることが出来ていた。生まれたばっかの恋を定義する面持ちを知るのはひとりでいいから、背をまるめてその耳朶に吹き込む。)心が好き。(言ったそばから沸き立つ自覚が背筋からうなじまでを這い上り細胞を刺激する心地だった。非日常の内生まれた感情に引き摺られる気は毛頭無いが、然れど非日常を切欠として生まれた総てをあしらう気もまた無い。一度芽吹いた情操が花咲くさまを目の当たりにしたら「吐きそう」は羞恥心か或いは外気へ放った気持ちの重みを今以て自覚する心地からか、そのまま肩口に額を乗せての弱っちい物申しはどうか白煙に紛れてくれと願う他ない。)
三国雪緒 09/30 (Wed) 22:05 No.147
(疑問符だらけの碧眼が指先に感じた布ではない感触に益々見開いて、彼の顔と大きな手で包まれた自らの手元とを往復する。薄く開いた唇は幾度と無く開閉し)………髪が?雪緒が? どっちにしても減ったら困る、んだけど(音となるのは如何したって可愛らしさとは無縁の揶揄と文句で、けれども戯れと理解した上で惑いながらもふと視線が逸れるのは双眸から明け透けになってしまう隠せない感情の所為。落ち着く場所探るようにゆるゆると揺れる瞳は、結局彼の弁を受けて弾かれたようにまた見上げるのだ。)おれも って、(熱の侵食が止まらない。いつの間にか脳細胞をも染め上げた其れは疑問を期待に変えさせて、緊張に強張っていた頬が薄く撓む。指先に絡む熱はさっきのマシュマロなんか比じゃない程熱くて、でももう冷やすものは求めてない。彼の声が風になって体内の熱を煽っていく。全身巡る血液迄すっかり染め上げた其の情は言わずもがな、)  それって、さ、  っ、(答えを待てない子どもの急いてしまう唇は、不意に濃くなった影と近付くアッシュカラーに気付いて辛うじて無作法手前で噤んだ。初めて見る彼の表情に湧き立つ胸裡は素直に、頬の片側だけが熱くてやけどしそう。)……………自覚遅くない?(惑い悩み結果の見えない長期戦に挑むと誓った過日から、未だ10日程度しか経っていないのに遠い昔のよう。五音の音列は世界で一番眩く輝く宝物、彼の額が肩口に埋まっているのを良い事に原形留められない顔は一等幸福にとろけた。憎まれ口叩きながらも自らの腕を広い背中に回し、キュッと力込めて「大逆転ドラマじゃん!」と喜色が幾重にも重なった声が弾ける。艶やかなアッシュへ寄せた頬は直ぐに離して、照れ臭いからもう少しだけ互いに互いの顔を隠させて。)ねえもっかい言ってって言ったら吐いちゃう?(揶揄混じりの悪戯な一言と共に腕解き、適う事なら彼の瞳覗き込んでくしゃりと相好崩して破顔一笑。衒いなく満面の笑み広げて「あのね」とビビッドでお喋りなオレンジが我慢出来ずに)雪緒、大好き!(南国の太陽のように全身を焦がす恋情を有りっ丈詰め込んでもう一度。聞き飽きたって言われたって、何度でも。今確かに届ける場所許され駆け出した気持ちは、愚直な程真っ直ぐにあなただけ見つめてる。)
スペンサー心〆 10/01 (Thu) 01:36 No.157
(自分より余程狼狽呈する姿を見れば不思議と鼓動が落ち着いた。解答を探るような瞳のゆらめきも、弾かれたように持ち上げた睫毛の奥にある挑発的な瞳も、熱っぽく潤んだ双眸も。今以てその全てに抱いてしまうのが不本意ながらの愛おしさであれば諦観混じりの嘆息を打つ。喜んで五臓六腑を差し出す覚悟があった。大きな子供みたいにまるまった背中がぴくりと跳ねる。)そんな憎まれ口叩く?今。(渋面はけれど不本意ながら図星を突かれた自覚があるからこその表情。肩に乗っけた額を少しだけ持ち上げたら横目に伺い見て)俺だってこの気持ちの置きどころ探してたんだからね。今日心が話しかけてくれるかどうかって賭けだったからずっとドギマギしてて肉食い損ねたしどうしてくれんの。たらふく食わせてよ。(理不尽極まりない文句だって甘えたの表出に過ぎず、破顔一笑で弾け飛ぶ声に釣られてふっと空気がゆるむような笑みが零れ落ちた。男より余程男らしい抱擁にぎこちなく固まる体躯も含めて「そういうとこが好き」と告げた内実は伝わるか否か、伝わらなくても構わないしこれからは惜しみなく伝えていける権利を把持している。然して先回りへ気付く数秒後、互いの顔が見えない状態で目弾き1つ重ねたら胸裡にふつりと沸き立つ底意地の悪さが露呈して、屈んでいた背中を伸ばしたら額同士をこつんと触れ合わせる戯れ。)一回で良いの?(皿まで食らった花毒で吐くなら本望。強請った癖に耳朶打つ告白がむず痒く胸の水たまりを打つが何かと一歩先ゆく少女へ抱く小憎たらしさは否定出来ないから、衒いなく好意を晒す無敵なテラコッタ色を食んだのは衝動よりも自覚が先をゆく確信犯。もっともぉーっと意識して、もっともぉーっとドギマギしろって呪いのようだった。)ちょっと黙っててくんない?俺が好きって言い終わるまで。(それくらいは出来る?と我慢出来ない駄々っ子を宥めるような視線が空気が揺れる程度の笑みで細まったら、白い煙に紛れるだろって楽観的な目測のもとビビットなオレンジへ食いついたのは二度目の不埒。拙いキスに後追いの羞恥心を自覚してくしゃりと顔中に笑みを散らしたら今度こそ。世界中に知れたって構わない好意を、世界中でただ一人知っていれば良い少女に。)好き。
三国雪緒〆 10/03 (Sat) 22:45 No.178
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