奈尾。焦って来て。

(パーティーと言えどドレスコードなければ手伝いを考慮した軽装を飾りあるものとしたい反面、その時間さえも惜しいの狭間で揺れながら前者を捨て、願い出た一番乗りで玄関先にて落ち着かない足先を遊ばせた。何を考えるにしたってすぐにあの日の言葉が覆い被さるから、そうなる度緊張の糸が絡まるばかりで結び目を探せないまま前方に姿見えるなりこちらからも駆け寄って。)奈尾!お待たせ!お手伝いお疲れ様、もうほとんど準備出来ちゃった?なんか途中で抜けるのって良い感じの罪悪感…背徳感?あるよね。(準備自体自主性有りきだったが構わず、平日昼に街へ繰り出すサボりとも似た妙な心地への同調求めた立ち話をそれまでとして、行こっかと歩き出す。けれど散歩であるなら足先は彼に合わせて進めて。)………いま、想像以上に緊張して、て…緊張するの早い?と言うより場違い?うちが意識し過ぎ…かな…?(期待隠せない口振りが追って体感温度を上げさせれば、顔背けた方向にて深呼吸を数回。)
秋山紘 09/23 (Wed) 23:08 No.31
(沖縄に行ったらと、自ら条件に範囲を設けたくせ期日を明言しなかった約束に意識を持っていかれて気も漫ろ。バーベキューの準備を申し訳程度に手伝ってから、水平線が昼間を飲み込もうとしている頃合いに玄関へ。彼女の姿が見えたとて大きな所作で以て迎える事はないけれど、ふと唇は笑んで撓んだ。)お疲れさま。うん、ほとんど出来てるし、サマリンのときより、人多いから。…大丈夫じゃない?おれは秋山さんお腹空かないかな、って事のほうが心配かも。(口にした懸念は其処まで本気でもなく笑い混じり。連れ立って歩き出す一歩目は彼女の動きを目で追ったけれど、のち目線は進行方向へ。舗装された歩道へ出る頃に、あとで砂浜降りてみる?なんて呑気な問いを向けたけれど、彼女の緊張知ってしまえば、投擲した提案は穏やかであれ何処か上滑りの感覚は否めなかった。)……おれは、してなくはないけど、たぶん秋山さんほどじゃないかも。(そっぽ向いた隣をちらり。ついこの間、誘いに幾度も頷き返してくれた顔ばせを見れば、垣間見せた期待値も緊張感も俄に上昇するものの、いつもと異なる姿を前に毛先ほどの余裕が息だけの笑みを落とした。)考えてた?(ぽとり落とした不親切な疑問符を、今日のスタートラインにしたい。)
奈尾秀実 09/24 (Thu) 22:49 No.45
空かない。……うーん…、じゃあ今からのデート、うちのお腹が鳴ったら終了のお時間だね。どのくらい持つかドキドキしてて。(冗談と分かる声音であれば間を置かない否定も同じ調子ですっぱり言明したが、大いに現実なり得るとなれば腹を軽く摩りながら腹の音が告げるかタイムリミットを笑う。そんな肩肘張る必要ない談笑も今日ばかりは意識して口を動かす。やおら触れる声は心地良さもたらしてくれるのに、返した首肯は生返事にも似た力無しで数度繰り返された後、重み傾く胸中を知ってようやく隣に視線を向き直し。)奈尾のほうがしてると思ったのに。言えばちょっとは落ち着くかなって思ったけどぜんぜん…。(一致しない現状への惜しがりはまだ少しはあるゆとりが言わせたもの、向けられた質問を受けたら危うい空白も飲み込まれそう。しかし反して頷きは彼が見過ごさぬよう緩やかな動きで。)考えてた。いっぱい。たくさん。でも、多分そんな難しいことじゃないから、奈尾がうちにデートしようって誘ってくれた意味。だから、ただね嬉しくなっちゃった。(探るように挟まれる合間は問いの答えとして誤りないかと不安で、表情盗み見る視線を同時に。一歩ずつ踏み込んでいく心地はやはり不慣れに扱えぬまま、それでも胸底の積もりを明かす口に過剰は無いと伝わって欲しい。)あと、奈尾の憧れうちが本当にしたいなって。覚えてる?
秋山紘 09/27 (Sun) 01:04 No.75
……いいけど、おれ、秋山さんと話してるとき、煩悩増えてるから。一回目は聞こえないふりするよ。(即座の否定に負けず嫌いを感じて薄く笑った。108ずつ増えゆくらしい煩悩の一つを示す口吻ばかりが冗談みたいに響いた。静けさの中、点在する間が緊張感を上乗せしていく。胸中の吐露は、だから結局半分くらいは強がりだったのかもしれない。)…ごめん。してない訳じゃないよ。全然してる。けど、この前、デートしてほしいって言ったときの方が、してたから。(デートとは名ばかりであっても、その名目こそが重要だとの相互認識の上に成り立つ特別と意識する緊張がある。端的な問い一つに返ってくる言葉の量は比べるべくもなく多いから、うん、と相槌を数度繰り返した先で、眉落として情けない笑みが浮かんだ。)ありがとう。考えてくれて。…言うことやること、中途半端だなって思ったんだけど、考えたり、悩んだりするのいやじゃないって言ってくれたから、秋山さん。だったら、考えてほしいなって。…これも煩悩だな。おれが、秋山さんのことばっかり考えてたのもそうだけど。(交わる視線に眼差しは和らぐ。開きかけた口が、唐突な物申しに「え?」と小さく漏らした後、記憶探るような思案顔が目弾きを経て彼女を見遣った。)……答え合わせ、おれじゃなくて秋山さんがするの?…うん。……あ、ちょっと待って。(驚嘆と笑み入り交じる顔ばせそのままに頷いた後、ポケットからスマホ取り出し、逡巡孕む操作を少しだけ。「持ってて」と徐に彼女に自分のスマホを手渡したなら)覚えてなかったけど、思い出したよ。
奈尾秀実 09/28 (Mon) 02:53 No.95
(腹減り虫の音に対してスルーとは年頃の恥じらいで頂けないが、名指しの理由受ければまごついたも静かに頷いた。欲した同等に返す謝罪はいつもの彼であり、この日へ繋げてくれた数週間前の胸中知れれば少しでも落ち着けたような気がして。)中途半端じゃなくてもっと楽しみになったよ、沖縄行くこと。そりゃあちょっと寝れない日も、勘違いの可能性に穴掘りたい時もあったけど。(中途半端と示す全ては把握出来ないものの、浮かれた心境は事実で続けてちくちく刺すみたいに寝不足とモグラ化す手前の打ち明けは遊び。)……その、秋山さんのことばっかり…ってうちに伝わって大丈夫?(熱と変えるに十分な言葉への問い掛けも意識してしまう現状が生む。後ろ手に組む指先は心を反映してもぞもぞ動くけれど、後の手中に収まったスマホに思わず小さく傾げた。しかしそれをお守りみたく両手で包み込んだなら彼の前に改まって立ち直す。)奈尾のことが、好き。好きで、奈尾の彼女になりたくて、奈尾に好きな人出来たらいやだなって思ってたのが、もう前からうちだったらいいのにって考えたりもした。(いつしか予感を抱いて欲しくて散りばめるようになっていた。寄せる気持ちを垣間見せた自覚あれば、言葉に出来たこの瞬間は答え合わせにきっと相応しい。ただ一点、生じた隔たりあるとすれば)告白されるの憧れあるって、奈尾が言ってたこと覚えてて。これ…録音を…?(彼に近付きながらようやくスマホを見た。まさかのすれ違いが気掛かりであってもおかしさ混じる笑いを零す。)
秋山紘 09/28 (Mon) 19:24 No.104
…秋山さんに対して思ってること、他の人に言うのは変じゃない?あと、……おれ、今日そういう話をしようと思ってきたよ。(眉尻落とした情けない笑みをそのままに、空っぽになった両手に夜気を忍ばせて彼女に向き合った。緩慢な歩みはいつしか止まり、双眸に彼女だけを映してしまえば世界に静寂は訪れずとも、彼女の声がやけに鼓膜に響いて、何某か返そうとした唇が呼気に小さく震えた。)……おれに彼女が出来たらちょっと寂しいって言われたとき、ちょっとだけなんだ、って。勝手にがっかりしてた。秋山さんは、好きな人がいるから協力してっておれが言ったら、出来るんだなって。…おれは、同じこと想像したら、本当は寂しいんじゃなくて嫌だったし、出来ないなって思ったよ。(彼女の声を心の中で反芻すればするほど、じわり顔ばせが熱る感覚は否めない。あの時を振り返りゆっくり順を追った唇が、うんと小さく確かめるみたいな相槌打って、ひと呼吸。腹を括った傍からよもやの疑問符が飛び出るから呼気ゆるめ相好崩して笑った。)うまく録れてなかったみたいだからもう一回、って? 言わないよ。(自ら強いた過緊張が解けてしまえば、冗談めかした可能性を一拍置いてすぐさま否定。彼女の手元で光放つ画面のロックをそのまま解除したなら、白に浮かぶ黒い文字列は夜闇に浮いて見えるだろうか。)おれの方が、たぶん、先に好きになってたよ。(画面上の文字を諳んじた訳でなく、胸間をそのまま発した声は緊張よりも慈しみを把持して届いてほしい。重ねたからこそ言葉少なになった好きの形を以てして、好きの意味合いを取り違えさせない彼女の言い方に気付くから、どうしたって敵わなかった。)
奈尾秀実 09/29 (Tue) 22:19 No.125
(侵食と言うには心地良いほど彼の選ぶ言葉が胸に落ちて焦がしていく。まだ、隣を歩くことに理由が必要だと感じた思い出に交ざる心境は初めて触れるものばかりで、一音でも零したくなければすっかり耳の傾けに意識を集中してしまった。距離間保ったままに、重なり合う寸前まで歩み寄るような時間に彼の面貌差す紅が合わせ鏡に移ってしまう。)すっ…… もう言わない絶対に言わない…。さっきのがたった一度の告白でした…(反射的に形作った口は手前勝手に閉じた後、へそ曲がりの気恥かしさを彼に押し当てながら目線は指先を追うから下へ落ちる。現れた並びを辿ったけれど、その折、耳朶に柔く触れた音が何より引き込むから自然と上げる目線は彼に留まって。開けた空白を詰め、スマホごと彼の片手を両手で掴むなり軽く引きながら踵も浮かせば14cmの差が少しは0へと縮まる筈。そうして近付けさせた頬への口付けは突飛になればいい。)ほら追い付いた。(事実は不透明で先も後も分からないが、起こした行動により同順位だと言い切りは定位置となる隣に並びながら。)もしね、本当に奈尾のほうが先でも今はうちのほうが好きが大きいかも。だって奈尾と話したこととか、思い出ずっと覚えてるしもっと欲しいって思ってるもん。だからこれからもあそ…ううん、デートしようね、したいな。……ええと、じゃあ奈尾。(再び歩み始めながらちゃっかり彼のスマホは手の中で左右に揺らし、欲もひっくるめて露に向けたが言葉の終わりは名を呼び、彼の意識をこちらへ寄せようと。)これからは、彼女として、よろしくお願いします。(小さい会釈の余所余所しさはいっそのこと笑いがあふれた。関係性の変化が目に映らなければ実感薄めが本心でも、奥底で感じるこそばゆい温もりだって事実。迷子になれない一直線だって理由が不要であれば愛おしいその人の手を簡単に掬えても、もどかしさで頭を悩ませたいから。恋に気付いて、叶えた日。黄色はしあわせの色と、ふたりの色。)
秋山紘〆 10/02 (Fri) 21:31 No.165
(胸中では明白な感情も、声に出す瞬間齟齬を恐れて様々な注釈を入れたくなるのが常だった。確かめるような口吻はそれゆえだったけれど、映じる頬の赤みに気がつけば瞠目ののち眦は和らいだ。己の熱りを棚に上げて小さく笑う。)どうして?嬉しかったのに。……あ、じゃあ、やっぱり録っておけば良かったかも。惜しいことしたかな。(過日と同じような声色の疑問符に、素直な感想と冗談めかした物言いがくっついた。心配性の思考回路で人の顔色を窺っては、悪い想像を膨らませる悪癖は彼女に対してはもう違った。勝手な決め付けでなく、感情の一つ一つを知りたいと思うからこその問いは好きを共有した後だからこそ意地悪く響いてしまったかもしれない。交わる視線に背筋に緊張が走り、手元への感触も近づく顔もどうしてかスローモーションに見えた。触れたと思った瞬間には離れていたのに、おそらく一瞬香った彼女の匂いが数秒前の距離感を妙に自覚させるから、彼女の主張への反応もままならずに口は間抜けに開くだけ。口許にあてがった拳にかかった息の熱さに、隠せない羞恥心を自覚するしかなかった。)……おれだって、あわあわしてるところはそんなに、見られたくないんだけど…。(数秒彷徨わせた視線を隣に戻し、少々不満気な声色は拒絶ではなく含羞から。ふう、と深呼吸めいたひと息で平静なんざ取り戻せやしないけれど)…そうかな。本当にそうだったら、おれは、悔しいより嬉しいから、それでもいいかも。でも、大事なことはおれも忘れないし、もっとっておれも思ってるのは、秋山さんも分かってて。秋山さんがおれと何処か行きたいとか、したい、やりたいって思うこと、たぶんおれも、それいいなって思えると思うから。(珍しく前向きな発想に過ぎる先刻の口付けは意識的に思考を逸らして、「バンジージャンプとかは、ちょっと待ってって言うと思うけど」の注釈も笑い混じり。持たせたままになった端末の光と称呼に誘われて、ん?と小さな短音のあと、持ち上がった双眸が彼女の声に和らいだ。)こちらこそ、よろしくお願いします。……お腹いっぱいになるの、もう少し後でもいい?(なぞった丁寧さがこそばゆくて無意識に笑気を共有。緩慢な歩みが、意識的に賑やかな夕餉からまた一歩遠ざかる。我慾が満たされるほどもっとが芽生えてしまうと知ったから、繋いだ指先を絡めて引いた。胸裏にじわり広がる熱も、ふたり同じ色をしてたらいい。)
奈尾秀実〆 10/05 (Mon) 21:30 No.188
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