三国のこと、もうちょい良い覚え方をしたいワケで。

(一番大きな皿の上、盛り付け三級くらいの綺麗さで様々なものがのっかっていた。赤と黄色、鮮やかなパプリカは適度な焦げ目がつき、きゅうりとクラゲの和え物はぴりりとした辛さがアクセント。その横に焼かれた牛肉と豚肉がどーんと置かれ香ばしい匂いを漂わす。その上にはハーブ塩がまぶされていた。とどめとばかりにカツオの酢味噌和えとグルクンと呼ばれる魚の唐揚げ。選り取り見取りのそれを携えきょろきょろと辺りを見回しまた移動する。それを三回繰り返してからようやく、男の口が開かれた。)三国。……だよな。(薄暗くなってきた時間帯、視界に入った後ろ姿からそうだろうと判断するも、確信を持つまでには至らなかった危惧が間違っていた時用の予防線を張らせた。尤も返答、もしくはこちらを振り向いた姿を見ればそれは不要だったと知る。安堵の息が微かに漂う潮風にのって消えた。)俺もさ、さすがにお前にゲロの印象で止まったまんまって思われんのもあれだったし、よそ様の提供品なのもどーかと思うけど、(誕生日を祝う文字のやり取りの際に窺えた、正直食事の場にはあまり相応しくない単語だけは気持ちボリュームを絞りながらも、ゆっくりと彼の傍へと歩みを進める。隣に立てば高いところにある彼の顔を見上げる形となった。)まあ、三国の印象をそっから上書き保存させてもらいたいっつうワケ。とりあえず、こん中で気になるもんある?(ずいっと差し出す皿の上に佇む料理たちは、花島家のものだから味に花丸はほぼほぼ確定事項。勿論、箸の用意も抜かりない。)ああいうのより好きなものとかの方が覚えときたいし?あ、もう腹一杯なら俺が食う、けど好きなもんは聞いときたい。後学のために。(いかがですか、とばかりにレンズ越しの視線を向けて笑んだ。江坂匡の中にある三国雪緒に対する印象の更新と情報の追加。もし、それが成されたならば。そのことを思い出す度に、漂う香りと空を彩る瞬きがきっとセットでついてくる。そんな一時だった。)
江坂匡〆 09/30 (Wed) 23:48 No.151
え?何?今ゲロって言った?(濃く塗り潰されていく空に白く靄が掛かる一角で、卒然と名を呼ばれて振り返った先の男を視認するや戯けた句がまろび出るが、到底BBQ会場に不釣り合いな台詞だと存知しているので音量だけが若干控えめだった。空港で晒した醜態はまだまなうらを鮮明に焼くから、その単語から芋蔓式に想起する一幕を想起してはぎゅっと目を窄めて)びっくりした、ゲロってあだ名が定着しちゃったのかと思った。なんてね、うそだけど…。嬉しい、ありがとう。おかしくないかな、サマリンで何回でも上書きするチャンスあったのにね。もう明日の帰りの飛行機パスして延泊していく?(不埒な目論見は江坂と同じく潜めた声でぼそぼそと。実行する勇気はないからただの大口を成り下がるが、くしゃりと顔貌へ皺を寄せたら「いいの?」は大皿に乗っかるご馳走へ手向けた台詞だった。)この、なに… これ、唐揚げ?なんの唐揚げだろ、気になる。あとカツオ、沖縄って結構見慣れない魚食べる風習なかった?どれからいこうかな、でもこの和え物も気になる…。(箸を頂ければ横着な指先が食指を伸ばす先を決め倦ねてうろうろ。結局は空腹に揚げ物を詰め込みたい旺盛な食欲が勝ってグルクンの唐揚げを摘み上げたら「うま!」と声が上がるまではきっとすぐ。咀嚼嚥下し終えるまでを待たずに)江坂も食べてみなよ。おいしいこれ。食べ慣れないけどおしゃれな味がする。(江坂にも同様にすすめたら下手くそ食レポの同感は得られるか否か。此の男のために用意された皿なら全て平らげる心算で箸を進めながら卒然たる疑問符にふと眦が細まる。)間違ってもゲロではない。って俺そろそろ自分で言いすぎてゲロイン願望疑われる?どうだろ、好きなものはね、食べ物ならグミとか。結構何でも食べるけどね、あとは 好きなもん?サマリンで好きになったのは海。なんか単純で恥ずかしいけど。(今夏をおさらいするように懐古の視線を海辺に投げたら全く同じ疑問符を投擲するのも直ぐの事。律儀という印象だけが独占する現今、江坂に対する印象は変わらずとも取り戻した先の日常に情報更新は欠かせない。時間が許す目一杯迄、薄っぺらいプロフィール帳の更新は続いていく。)
三国雪緒〆 10/03 (Sat) 15:30 No.175
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