で、結局馬渕は誰のやりてぇことをパクるって?

馬渕。沖縄そばまだ十杯まで巡り終わってなかったら、俺も食いてぇから着いてっていい?(そう声をかけたのは南に茂る独特の葉を持つ木々が朝露に濡れた姿を晒す頃。朝食で満たされた腹を抱えながら問うはこの先の食事のことだった。文化祭準備の合間、太っ腹な級友からの日替わりおやつの供として落とされた過日の会話の答え合わせのように、昨夜沖縄グルメを調べている間に食べたいへと偏り始めた気持ちが道連れ候補として彼を指し示す。十杯の真偽は問わず、ただ単にそう言うのなら美味しそうな店の目星はつけているのだろう、なんてどちらかと言えばおんぶにだっこな理由が色濃かった。それから、もう一つ。)こっちでの土産、どんなもんにするか目星つけてっか?参考にしようと思って。(南国の入り口で彼と交わした会話をなぞるかのような問いもまた、彼に声を掛けた理由の一つ。色好い返事が得られたのなら、二人の目の前にあるのは湯気の立つ麺か。もしかしたらずらり並ぶ土産物なのかもしれないが、果たして。)
江坂匡 09/12 (Sat) 19:57 No.11
そろそろ「ウマい」にリターンがねぇのが寂しくて誰か捕まえるつもりだった。匡引っ掛かってラッキ〜(「#沖縄そば」を付し起動するインスタからかんばせが持ち上がる。捕まえずとも意想外に引き寄せる事叶ったターゲットへYESを言外に示す言葉尻が弾み、「因みに今日は何杯食う気概?」とは同性相手に遠慮知らずで連れ回す算段ゆえか。ドレープ感纏うウォークシャツ、ハーフパンツのセットアップが身軽な風采に拍車を掛けるから、引っ掛けたスポサン翻すのは足取り軽く“早速行こ”との含意。尚モーニングにて腹7分目の胃袋を抱えた儘でのスタートである。)泡盛BONBONショコラ、オリオンビアナッツ、ロイズの黒糖チョコ、ハイビスカス化粧水、くちゃパック…(流暢な舌先が列挙するのは脳裡任せの覚えなんかじゃなくってLINEトークの文面だ。げんなりと眉尻垂らした瞳を彼に差し向けスマホ指差すと)コレ全部姉貴からのリクエスト。がめつすぎん?絶対激辛コーレーグース仕込んでやんの。(力無き弟の身分で示す反骨も言うだけタダと強気な唇が後追ってアーチを描く。「そういやこの前聞いてなかった気ぃすんだけど、匡は兄弟いんの?」と土産の延長に手向けた好奇をネタにする閑話が絶えぬ道中、ハナワ家別荘から凡そ10分後互いの視界に飛び込むフクギに囲まれた古民家は沖縄トリップに味添える風情な佇まいだった。)此処、スープうますぎて完飲必須だってよ。
馬渕一颯 09/13 (Sun) 16:54 No.19
なんだ、どっちにとってもナイスタイミングだったのな。(利害の一致、なんて言葉よりもう少し友情に寄った表現して若干のドヤ顔。「二杯は確実にいける、後は腹次第」と応じる男が纏ったブルーをメインにしたタイダイ柄のシャツを揺らす。サコッシュ引っ提げ頷きを返せば男二人沖縄そばの旅が始まる。)なんつーか……女性からなんだな、っつうのは察せたけど。すげぇな。(呪文めいたそれを読み解きながら、曖昧な形を脳裏に抱く。「お前苦労してんのな……」と同情心呼び起こされる言葉とちらり見えた文字の羅列に眉尻下げて、なんならそのまま軽く肩にぽんと己の手を置くくらいの気持ちだった。)けど泡盛のボンボン?はいーな、俺も候補にさせてもらお。……それめちゃくちゃ辛いやつだろ、フツーに土産の一品として渡しとけ。(帰宅日に土産物屋の前で長考する未来をシャットアウトするかの如く、メモ帳に言葉をぽちぽち書き足して。「今小六の弟一人」とは、あまり語ったことのない家族構成だったか。)マジ?今期待度すげぇ上がってる。(添えられた情報に緩んだ表情はメニュー表に載った写真を見れば更にほころぶ。人気ナンバーワン、と書かれた一杯を指差し注文すればお冷やの入ったグラスをあおる。)俺多分沖縄そばデビューだわ、これが。今までに食った記憶ねぇ。(前述の情報を加味すれば大当たりのデビュー戦のゴングは店員からのお待たせしました、がそれか。二人の前に並べられた器から湯気と共に良い香りが漂ってくる。)
江坂匡 09/14 (Mon) 16:59 No.28
ヨッシャ、どうせモテねぇなら腹たっぷたぷになるまで連れ回したろ。(過日に空港で交わした応酬なぞり開き直り上等の胃袋を示唆しよう。勿論「帰りは別荘までビーチランしよーな」と後に付す戯れ迄が1セット、一店目以降ノープランにて幕開ける漫歩は気兼ね無い野郎同士の間柄に因り。)そのくせ自分は何処行ってもご当地ぷっちょしか買わねーの。かっわいくねぇ暴君だろ、いる?(曰く暴君不在に付け込み不服を垂らす。剰えあげると言外に語る疑問符を投擲する始末であるが「いや匡が弟ならイイ姉になるわ」との所感は確信的だった。)マジに激辛だと俺絞められっからな〜〜どんなもんか匡の朝飯に仕込んでやろ…(巻き込み大事故を狙う企みは所詮戯れゆえに開けっ広げに呈し笑った。斯くして縁側沿いのテーブルに対面で坐せば然ずと腹4分目まで落ち着くマジックに誘引され、オーダー時にはじゅーしー焼きおにぎりを2つ了承無く注文してやった。)俺も。ラーメンよりバズったら向こうでも店巡らねーとじゃん。 うわっ うまそ!(湯気立つ一杯に揺蕩う黄金色は宣った通り完飲の意欲をそそる。条件反射で漏れた口上の共感を求め視線を一度級友へ投げ遣った後、合掌の末のいただきますは少なからず声を重ねるか。先ずはレンゲで掬ったあっさりスープを一口、とろとろの軟骨ソーキ崩し沖縄そばを一口。)ウマッ……。(如何にも染み渡っていますと言いたげなかんばせがありありと美味を呈す。箸止まらぬ最中、そういえばと先刻に触れた閑話を持ち出した。)弟いんだ。匡は絶対長男だって思った。
馬渕一颯 09/17 (Thu) 07:35 No.48
タプった後に運命の出会いあったりしてな。(からかい混じりの口振りは南の島からの逆輸入、食後の運動までもがセットになった食べ歩きはサンダル越しに感じる熱の違いすら調味料の一つと化していた。)あるだけマシじゃねぇ?けど落差がすげぇ……、いる?ってお前んな簡単に……。(土産物の交換かのような軽さで飛んできた譲渡の誘いに「会いたさはある」と当たり障りない返答で茶を濁す。激辛の洗礼予告を受けた顔がひくりと戦慄く。レンズの補正が意味成さぬほどに目付きの悪化はストップ高。「ぜってぇ回避してやる」と並々ならぬ圧の籠った声が霧散する頃、積極的に腹を埋めてく心持ちの注文が二人分やってくる。)本場で初食いすると後々のハードル上がる気ぃすんな。(ふわりと優しい香りを纏った湯気に勝利を確信するも、視界を白く隠す黒フレームをそっと取り去り傍らに置く。裸眼の人相の悪さは美味しさで上書いてもらいたいお年頃、「めちゃくちゃ美味そう」と素直な感想溢した唇が今度は食事前の口上を紡ぎ早速丼へと伸ばす箸。スープの海に揺蕩う麺をずるる、と啜れば口の中に幾らでも食べられそうな旨味が広がった。)いや……うん、マジで美味いわ。(美味の代償の如く語彙力の低下激しい感想落とし、更に一口。「分厚すぎだろ」と感心孕んだ声色と共に掴んだ肉を噛み締めた。)ん?ああ、割とよく言われる。(互いのペースで食べ進める最中、いただきますの前に置いてきた話題が返ってきた。スープを掬いながら、)弟への土産、この前は甘いもんだったから今回どーすっかな。……やっぱ、腹ごなし運動のルートに土産物屋も入れてもらっていい?(更なる遠回りの提案は気安さに満ちていた、そろそろ丼も焼きおにぎりの乗った器も空になる時は近い。)
江坂匡 09/18 (Fri) 22:40 No.60
ソレ実は俺の隣の匡と恋に落ちてましたっつーオチない?そういやお前と水着美女ウォッチング果たせなかったな…。(有りがちロマンスを宣えば然ずと手向けるまなじりに猜疑が籠る。サマリンに残したひとしずく分の無念を喚び起こせば忽ち色めく胸中は分かり易く、にやけた面を下げた儘)お前どんな顔が好きなん?ちなみに俺の姉貴、顔だけはかわいーよ。(さて譲渡とて厭わぬ暴君を引き合いに出すのは此の辺り迄。鼻腔そそる一杯の前じゃ一度閑話も散らして互いに夢中になるから、彼の口上に同意だとかんばせ持ち上げる頃に漸くギャップ振り翳す男の顔とご対面した。お、と漏れ出る音吐は然ずと。)ギャップじゃん、お・と・こ・ま・え。(まあ放つ口上は虚言では有るまいが、野郎同士じゃおちゃらかす語気なのは否めない。ややあって其々の一杯に添えられたじゅーしー焼きおにぎりに齧り付けば此れ又、)え? うんま。(食レボ0点のストレートな所感が早く食ってみと訴求した。)やっぱ?面倒見良いもんな。後はホラ、そういう所が弟想いで最高の兄貴。(土産もとい献上品の列挙にかんばせ顰める己とは段違いの思慮に満ちた男だとは常々の印象にて。最後の一口分麺を啜った後、丼掲げ黄金色のスープを飲み下せば完飲したっておかわりが欲しいくらいだった。斯くして容易く平らげるブランチタイムは一時休戦する代替に水平線臨むビーチ沿いの漫歩へと成り代わる。)なら匡、ドンキ行かない?ご当地でしか売ってねぇお菓子も玩具も揃ってんだって。(甘味を除く候補案はスマホ頼み。フリックする傍らに連れ立つ男に視線遣れば画面差し出し、写真連なるシーサーロボは高1男子とてやや感興をそそられてしまった。)
馬渕一颯 09/20 (Sun) 17:49 No.73
(想定外のオチに頭を振り否定の意を示すのは男にしては素早い動き立った。「帰り道に観光客いそーな浜辺も追加すっか?」とは、なんやかんやで彼とのやり取りを楽しむ気持ちが確かに存在しているが故だった。)顔。……あんま意識したことねぇな、笑ったのが可愛いのとかはいいんじゃねぇ?(どこか他人事のように落としながらも「写真ねぇの?」と彼の姉の顔ばせを気にする素振り。言葉のキャッチボールは食欲に叶わない、食べることを優先した指先が常ならば視界に広がる黒いフレームの無い世界で沖縄の味に舌鼓を打たせてくれた。)……そりゃあどーも?男前に男前言われんのもいい気分だわ。(同じくらいの語気をそのまんま返した唇は再び麺をすすりに戻る。炭水化物の美味コンボをきめながら、チャーシューの旨味が染み込んだ米も一粒残さず胃へと収める。ふう、と満足げな吐息がこぼれた。)同性同士ってのもあるかもな、……いつか反抗期とか来んのかと思うと色々複雑なんだけど。(満たされた余韻のままにぽろりと本音を吐露しながら再度眼鏡を着用する。伊達だから見やすさは変わらぬはずだが、さっきよりもしっかりと彼の表情を認めることが出来た。気がする。)お、いいなそれ。逆に空港とかじゃ売ってなさそーな庶民的なやつとかのが好きかもしんねぇ。(腹ごなしの運動が次々と追加されてゆく。シーサーロボの突飛さに爆笑した男は息を整えるのに余念がなかった。けれどいざ実物を目の前にすれば「案外……アリに見えてきた」と土産としてか自分用としてか定かでない台詞を吐いて立ち止まったりなどした。──財布は軽く、荷物は重く。腹はまあまあ軽く。)付き合ってくれてありがとな。……んじゃ次行くか。(こうやって肩並べ、他愛もない会話やおちゃらけに振ったやり取りも彼となら楽しいと確信持った胸中のままに次を促した。例え再び語彙力の滅んだ美味さの表現しか出来ずとも、土産に延々と悩もうと、体重が増えようと。楽しい、が根付いた記憶は何度だって思い出して語りたくなるものになる。)
江坂匡〆 09/22 (Tue) 22:53 No.91
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