森地のギャグセンみ~~~っけ。

(燦々と照る太陽に透き通る青。いつかの景色をまなうらに想起してしまうのは自然の摂理だろう。肩にフリルあしらわれた黒地のノースリーブにデニム地のショートパンツを合わせてビーチサンダル引っ掛ければ、漂流している目には見えない“それ”を探すべくしてプライベートビーチの砂を踏みしめた。なんちゃって漂流感を出すべくして、大きめの木の枝を片手に携えて杖代わりに立ち尽くす。斯くして花島邸の方角から待ち合わせしている少年の姿がお目見えしたなら、開いた片手で手招きひとつ。)森地。ギャグセン以外にサマリンで忘れてきたものある?流れ着いてるかなあ。(冗談の応酬をさも大真面目装って告いでは、手持ち無沙汰の片手が魔法でも何でもない杖で砂浜に文字いっこ。ギャグセンの“ギ”。)わたしは父親が売れっ子になる方法を沖縄で見つけたいな……。(水平線を大仰に哀愁漂わせて眺め入って、ありっこしない現実離れを宣った。)
巽志真 09/10 (Thu) 21:19 No.1
(高校初めての文化祭を終えた達成感は味わえても寂寥感の隙間は見当たらず、離陸前も着陸後もこんにちはがこんにちはで返って来る何ら変わらない日常だと勘違いは花島家別荘にて気付かされてもこれは瑣末話。白砂を蹴ってから程なく前方に揺れる影を認め、ごく自然とその人を彼女と捉えたなら手に誘われるよう小走りで足を速めた。そうしてまずは仕掛ける。)ちゃーがんじゅう?(うちなーぐちで小さくとも構わない笑いを誘えたならこれ幸い。眼鏡によく似合う真面目な面持ちが作られている事を知るから対して口端から笑みを浮かべつつ、思考を巡らせた。頼まれちゃないのにIPPONに染まった思考に眉間にやや寄る皺は無意識。)………巽さんに対する遠慮?(この場が正にそうであるが首を若干傾げて。それから二文字目を書こうとする手は、言葉なしに彼女に差し出し枝を望む。)ああ……。地球上の巽家以外の人間が全員俺になれば、お父さん大スターになるのにな…。(同じ調子で並ぶ横顔は打ち上げ旅行と言い難い。)てか、巽さんって関西出身、だよな。関西弁だし。
森地康太 09/12 (Sat) 01:35 No.6
ちゃあ………(初耳はせいぜい三文字追随するのにやっと。「友達かと思ったら現地の方でしたすいません」の余所余所しい謝罪は先刻の手招きに起因して、そんな小芝居も持って三秒。己の喉元を通る笑い声は大きくなくても確かにふたりのあわいに響いた。一本皺が眉間に寄るさまを返答あるまでじっと見詰めたなら、然程の感情はかんばせに浮かぬとて、)あー。残念ながらそれはいま、北極あたり。そのうちシロクマが食べるから戻ってこんわ。(軽い口調が断定の形をとるのは必要ないを暗喩して。差し出された手に枝を委ねては、二文字目を捉えんと眼差しは白砂に落ちた。)それは…(ゆっくりとした瞬き二度重ねて、まなうらで描いた景色に思案の数秒)森地がゲシュタルト崩壊しそう……。(片眉引き上げて論ずるところは、父の給与小なり広がる景観。「森地が飽きた瞬間、ガチで無職の未来」は軽口の色合いたっぷりにごちた。)ん?そう。関西。バレた?(隠蔽していた心算など皆無の癖して小首捻ったなら、「父親の仕事の都合で東京に」は彼が父の職を知るから伝う理由。)
巽志真 09/12 (Sat) 18:09 No.9
(人違いに対する焦りも、控えめながらもはっきり耳に触れた笑いの上書きによって成功と収めた。催促した枝を無事譲り受けたなら、砂浜に“ギャ“の文字が掘られる。元から不要にしたかった落し物が北極との答えに崩れた表情が持つ枝を僅かに揺らし、互いの性格からか平穏なさんざめき。)そっか、俺の遠慮はさぞウマいから大切に食って欲しい。巽さんの中の、俺に対する遠慮はどう?シロクマ欲しがってない?(見返りの求めは一歩通行の侘しさを考えて、問い掛けは半ば否定認めない形だった。巽父の行く末と愛娘である彼女の胸中考えると冗談で済む話ではないが、その軽やかな口振りで口の合間から笑いが洩れ出る。)無職は…。けど意外とゼロつかリセットしたら違う才能に出会えるかもしれない。幼稚園の園長とか…?か、もう巽さんが頑張れ。将来なりたいもんとか、もうあったりする?(そのまま繋がる彼女自身への質問は意味以上に真剣さは含めず、単なる好奇心に駆られ。)バレバレ。ようこそ東京へ。関西弁検定してよ、聞いてて俺の似非。(唐突に開幕させれば深呼吸のくさい演技を行ったのち)ほな巽さん、少し歩くで。(音は彼女を真似てもかすりもしない。)
森地康太 09/13 (Sun) 18:13 No.20
味を占めたシロクマが日本まで来てまうかも。えらいこっちゃ。(与太話のあわいに響く漣に眸を流したところで、獰猛な訪問者が映ることはないけれど。投げた視線を数センチ高い彼まで戻せば、「森地への遠慮もひとくちで食べてもたらしい」は肩竦めて期待に応えられたろうか。筆跡の違う小さなヤが隣に並ぶさまを白波が打ち消す前に右手差し出し、)“グ”。(一文字書きながら独り言にも似た声量が落ちた。して、新たな父の未来を提示されるやその姿を想像して白い歯を零すのも無理はない。)クレヨンしんちゃんの園長しか頭に浮かばんくなっちゃった。PPAP…ああ……また人様のギャグ……。(困惑の様相が右手で頬を掻く。さりとて冗句の範疇に過ぎぬから、直ぐにまなうらは将来像を描かんと瞬きが重なって)安定した職につきたい。森地は?……学校の先生とか似合いそう。(夢も希望も素っ飛ばしたリアリズムも勝手な予想も、顎先にV字に当てた拇指と示指の思案顔が然程の思案もないままに告いだ。「でも父親のこと養うんは勘弁」は思いの外大真面目の色帯びる。)30点。  うそうそ(シビアな採点は悪びれず舌先に冗談として乗るけれど、「ほなはほな」は修正する気迫のない関西弁講座として、踏み出す一歩が白砂を弾く。)
巽志真 09/15 (Tue) 01:02 No.32
(架空シロクマの食欲への称賛は胸中で済ませたが向けた横顔は満足げに笑みを描く。短時間の内に暗黙の了解となった順番で枝を再び彼女に戻し、完成間近の文字を見下ろす。)ここギリギリ波来ないし明日の朝まで残りそうだな、沖縄に俺らのギャグが…。……あ…。え……。(潮の満ち引きを頭に入れぬ淡い期待は、バラエティならば花丸のタイミングで数十センチ前へと押し寄せた波が文字の上部ごと掻っ攫う。状況飲み込めない阿呆の単音を目弾きとともに落とした。想像するに容易い国民的キャラとピコ太郎が脳内を覆うから忍び笑いは音洩れずとも肩の震えは抑えられず、しかし未来図の答えには改めて彼女に視線を届けながら)人に聞いておいてあれだけど、俺もやりたい事とか今は別にないけど先生、目指そうかな。すげえスパルタの。巽さんのが給料良かったら半年に一回ペースで飯奢って、俺はお父さんのライブに毎月行くから。(前置きしてからの具体例は彼女の言葉を受けた戯れを隠さずしれっと告げた。ここ一番の真直さに同調する頷きは対して軽やかな笑いが落っこち、数年先の取引は巽父が無職でない世界線。)いや今の言い方はガチだった。ほな、ほな?(冗談と理解した上で返しは神妙を演じて、赴くままの散歩が始まる。イントネーションを確認するよう彼女に投げ掛け)関西弁って移りやすいって聞くけど、それってやっぱ相手に寄るよな。
森地康太 09/16 (Wed) 22:38 No.44
(彼の口吻に乗せたフラグを見事へし折るみぎわを捉えた眼差しは隣へ、そして再度半分消えた三文字へ。幾度かその導線を繰り返したのち、遅れてやってくるのは)あっはは  森地、フラグ回収がはやい(抱腹絶倒とまで行かずとも堪えきれぬ笑みで肩が揺れた。「もうこれで森地のギャグセンはまたサマリンに向かってったな…」と憂うかんばせすら上手に繕い切れない。)スパルタ?森地が?(幾度かの目弾きが懐疑的に問うけれど、)うわうわ、わたしの給料が父親の収入に還元されるシステム…。(父に搾取される未来と云えど無職回避の未来を複雑とでも言いたげに眉根を寄せたのは建前、「まぁ大人になっても飲みに行ったりできる仲ではいたいよな」は何の捻りもない本音。)ほな。ほな?そう。ほな。(自信失いかけて小首捻って大真面目に繰り返し。行き先の定まらぬ散歩は打ち寄せた波を足先で彼に向けて弾く天邪鬼が訪れ、真っ直ぐ歩けないのもご愛敬としてほしい。)ええ、巽の関西弁なんぞ移らんわい!ってこと?ショック。悲しい。しくしく。(大仰な膨れ面で嘯いた口吻とバレるまで時間掛かるかどうか。さなかに岩場に見え隠れした小さな赤色を見遣っては、「お、カニおるで」。)
巽志真 09/17 (Thu) 21:25 No.52
(何はともあれ笑い話へ変わるなら波に攫われてやってもいいと、水平線を眺め遣る虚無の眼差しとは裏腹に胸の内は満たされる。隣からの疑わしい目線に気付くなり横を向いて。)俺が。まあ無理だけどさ。人に厳しくするのって体力使いそうじゃん。(保守的理由を苦笑いで零したなら一つのもしも話を畳むが、可能性として高い方である残る話の展開は広げるべく口は動く。)公に飲めるまではあと数年、どうなってるか分からないよな俺たち。つって二十歳になっても同じ話してたら面白いけど。もし同窓会で俺がもろカツラでも、そっとしといて。(なろうと心理はあるもの真っ先の飾りない感想だって未来を楽しむように。彼女と二人だけでなく11HRの面々を脳裏に出現させつつ、不透明だらけの予見に笑いが交じった。荒波なんて訪れない時間はしかし彼女の悪戯による小さな裂け目から多少の騒がしさが顔見せるなり、数メートルの間隔開けた並びも遊びであるから歩調は変わらず。)なんでやねん。(離れても分かった演技ならば言葉足らずとは言わせない。似非たっぷりのツッコミを笑って返した後、いつの間にか戻った距離間も蟹の出現場所に先に歩み寄ったなら)カニってどこ掴めばいいか分かる?挟まれたくはない。
森地康太 09/18 (Fri) 23:35 No.62
や、スパルタかっこわらいって意味じゃなくて、森地優しいから想像つかんなあとおもって。でも森地も意外と金八先生みたいになってるかも。(懐疑の原拠を漸く褒辞とすれば、自らの口吻に含羞混じった視線は先まで続く白砂を追う。曇りガラスみたいな向こうの見えないifが可笑しくて、まじまじと彼の頭頂部を眺め入った挙げ句大真面目装う癖して)そんときは「ピッカリ~ン!」使っていいで。マルシー巽父つけんでも。(2ヶ月前から使い古したそれが口先から飛び出るや、堪えきれず小さく肩が震えた。行く先を定めぬ徒行のさなか、離れた距離がそこにあればしっちゃかめっちゃかな足取りで詰めるかもしれないし、再度飛び出たそれを「お、80点」と繕った真剣が評するかもしれない。ふたりのあわいに一匹が登場したなら、岩場に屈み込んで大層なサイズ感ではない赤色に無鉄砲な片手が前方に伸びた。)甲羅?   あっ いて。(カニ爪に弾かれた人差し指が瞬時に引っ込むのもお約束か。「なんやこいつ生意気やな」は傲慢な人間の身勝手。白砂が嘲笑うみたいに足先を冷やした。)
巽志真 09/19 (Sat) 18:44 No.67
ああ、そっちか。なら正解だよ、俺優しいし。よく聞くじゃん人という字はってやつ…どう見ても支え合ってないだろって思うんだけど、巽さんもそう思わない?思うよな。(早とちりの事実に苦笑いを浮かべつつ、掴み切れなさは卓見だと慢心に頷く。彼女に向いた際、その瞳が真っ直ぐ向いていれば視線の交わし叶わずとも、薄っぺらい反抗期みたいな屁理屈は同意を半ば強引に促す。容貌は模範生であっても中身はきっと、だからこそちゃらけた時間は濃くなる一方。安全地帯の探りを自ら試す指先の不用心は止められず、考えよりも手が出た側面に案じる問いも柔に震えた。)大丈夫?怪我してない?カニも同じこと思ってるかもな、何様のつもりだって。うわ横歩きはや。(そそくさと岩場の奥へとカニ歩きする様子を見届けたなら、再び白砂に足跡を残し始める。蟹の出現で直前の話題を思い出すよりも思う事があるとするなら、)分かってるとは思うけどさ、巽家、巽さんと話してたら俺はすぐ口調だけは関西人になると思うよ。巽志真なら一時間、お父さんなら三十分、んで親子なら五分。ってわけで今からビデオ通話しない?沖縄の海だよつって。(一度は詳細を避けた掘り返しに淀みはなく、身勝手にかけた天秤の傾きはお約束としたがって。お初お目にかかれる未来の獲得はともかく、この時間はもう暫く保障されたい。)
森地康太〆 09/21 (Mon) 14:58 No.79
あっはは 二画目のほう、めちゃくちゃ負担掛けられてるやんっておもう。わたしと父親ならわたしが二画目。(同意の代わりに終ぞ漏れた朗笑には羞恥は襲わない。赤のハサミの攻撃に勝つ武器は冗句も勉学も無意味と知るから、無鉄砲な指先に落とした視線は形ばかりの憂いを込めた。)指一本持っていかれた。(大層よく滑る舌先は何時も通りを伝うとして、)やっぱり言葉が通じんと仲良くなれんな。よかった、関西弁は日本語で。(カニと己を擬える口吻は本気の色合いは非常に薄いけれど、横歩きで去りゆく甲羅を見送っては、彼から後れを取らぬように足取りはほんの僅かの早歩き。先刻の話題に戻るならば幾度かに渡る目弾きこそあれど、)ええ、お父さんが森地のファンみたいに喜んじゃうかも。俺のファンの子!って。LINE交換しようとか言い出したらどないする?(「どないもせんか。」小さくごちたセルフツッコミで自ずと不格好にあがる口角も、彼の一笑に繋がればいい。果たして迎える未来は液晶の向こうではしゃぐ父、苦虫を噛み潰す娘、それから隣にいる級友。空港で話したあの日から友人との縁を繋いでくれた家族にも、今日くらいは感謝したい心裡も嘘じゃないから、海の漣が強気を誘う。)おもろいこと言ってや、お父さん。(それで隣の彼が笑ってくれるなら、これ以上の愉悦はないって、それは詰まるところ過信に近い。)
巽志真〆 09/21 (Mon) 23:58 No.83
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