仁希の頭は硬かった。

に~き~、手切っちゃったあ。(どこに居ようが誰と居まいが彼女を見つけるなり後ろから抱き着き、華奢な肩に両腕置いたなら左右からにょろりと現す。右手の人差し指を油性ペンで赤く塗らした場所こそ切り傷であるが、もちろん偽造だから振り子のように揺らして種明かし。背丈一緒の154センチであれば目前のロゼ色に埋まる勢いは、鼻を掠めるどころじゃなく当てたがる。そんな行き過ぎスキンシップも本能判断で依然互いの顔は見せないまま、声だけが会話の主役。)いつかないつ紘かじってくれるかなって待ってたでしょ。そわそわしてたもん。グレープフルーツの香り?あは、好きな果物第一位になっちゃいそう。(最後にもう一度、頭突きの要領で髪と戯れてから彼女の目の前にと立った。)用はない…くない、仁希なにしてるのかなあって思って。いま何してたの。なにか手伝えることある?(そう言って周囲を見渡す視線も泳がす程度にすぐ彼女のひとみに戻って指示待ち。)着る浴衣は決まった?白着て欲しいかも、絶対可愛いし。あ、でもストライプも着こなしちゃうね。う~んでもやっぱ、仁希が選んだやつ着てるの見るのがいちばん楽しみ!店番っていつ?一緒にしちゃお。(切望を開けっ広げるも最後は彼女の感性への期待とプレッシャーを大いに膨らませよう。偶然を必然とする口振りだって軽やかに、小田仁希の拘束をこちらから解くことなんてあり得なければその場にどれ程留まれたか。)
秋山紘〆 09/06 (Sun) 20:14 No.90
えっ 大丈夫!?(卒然たる強襲はけれど本気のSOSと捉えるやにゅるんと伸びてきた指先を慌てて検分。3秒足らずで虚言と知れば顔だけ後ろへ傾けて「この甘えた小娘」と憎まれ口を叩き、人工的な赤色した指先へ歯形を残すくらいはするだろう。進撃の秋山の気配を感じれば滲み出る笑声とともに「あっは」「くすぐったい~」「どちたの甘えた期なの?」と茶化すふうな声を投擲。背後霊を背負ってゴミ捨ての名目で1gくらいのビニル袋を片手に教室を出る。)バレた?短気だから今にもあたしから齧りにいきそだったよ。なんと今日はアールグレイ。秋だからね あいてっ、(柑橘類とおさらばしたニューミストの存在ちらつかせるが目前へ屹立する姿へ「どしたの?」と笑いの混じった瞠目。行き先も役割も告げないまんま指先を引いて歩き出す。)今はねえ、当日の役割分担表作ってた。浴衣は赤い椿とか着たかったんだけど極妻?って感じだったからレモン色にした。あっすごい、あたり。白も入ってる。ストライプはそしたらあなたとお祭りに行く日があったらとっておこっかな。(噤口知らずのお喋りが呼吸すら疎かにするから数歩歩いたところで立ち止まり大きく深呼吸。「紘の浴衣は?見せにきてくんなきゃ削ぐ。踵を。」と物騒な台詞を差し向け「午後イチと午前だけど、店番好きだからずっとしてたい気分」とそのひとつひとつに答えていけば同様の疑問符を投げて、それから。いずれ少女がその行先を尋ねるのなら指先が招くのはちゃちな逃避行だ。)抜け出しちゃおっか、ふたりで。アイス食べたくない?
小田仁希〆 09/07 (Mon) 20:43 No.103
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