清水さんちょっと。

(使わない段ボールの切れ端を小脇に教室をぐるりと見渡し、探した姿が例え作業中であっても掛ける言葉は決まっていた。)清水さん。暇そうだし捨てに行くの手伝って。(横暴を当てても悪気なんて一切ないような顔で彼女が隣に並ぶのを待ち、よろしくない反応でも「はいはい」とその手首をとっ捕まえて連行。そして無事に連れ出し成功となるなら開口一番に目的を明かす。)なあ、あと何日?俺の誕生日まで。どこのケーキ食べに行くか決まってる?まさかの食べ放題?(詳細を知りたがる物言いも、彼女が隠せば食い下がる事はせず。見慣れた横顔を横目に、数日と控えた誕生日と間近となる文化祭への予感が混じる胸中は過ぎる侘しさも浮沈させたが素知らぬ眉は動かない。)俺って、一学期はそんな清水さんと話さなかったんだって今気が付いた。親しくなったの思いっきりサマリンだしな。まあ二学期もよろしく、席も前後だし。清水さんと馬渕で挟まれて笑い疲れの腹痛になりそうだけど。(春の振り返りは今があるなら軽い笑いを連れつつ。改めての縁を結ばせた場所は順当に歩を進めて人気の少ない校外ゴミ置き場。開けた窓から賑わいが零れている。雑にも段ボールを置き場に放ち、一仕事を終えた。)付き合ってというか、付き合わせたけどありがと。戻るか。日曜日どこ集合にする?(並みの会話で平坦の往路に対して復路も同等だろう。彼女の居る日常をほんの少し、だれよりも味わいたかった放課後。)
森地康太〆 09/05 (Sat) 01:00 No.69
(景品お菓子のパック詰めなる単調作業は睡魔を誘き寄せたから、名前呼ばれた瞬間肩揺らしてこんにちは世界。暇に見られたとて仕方ない有様と認識した上でぇえ~?と渋ってみせたのは暇じゃないアピールに近いそれだったけれど、ひっ捕らえられるがままに廊下に出たなら相好崩した。)んははっ!森地なに?楽しみ過ぎて数数えれなくなっ……あれ待って今日何日だ?あのねー、考えてて!まだ全部は決まってないんだけど、結果ケーキっつっといてケーキじゃないかも!(とっておきの一日にしたい希望ばかりが先んじて、“盛大なお祝い”に思考燻ぶらせていたけれど、期待される心地は悪くないから顔ばせは喜色一面。ちらり見遣った隣りの顔はいつもと同じに見えたけれど、見慣れていたはずの制服姿が何だか新鮮で笑えた。)うっわ!だからだ?何か学校で見ると森地新鮮だもん。ね~~~!!もー一番前なの運悪過ぎない?って思ったけど、何だかんだ楽しそーだから生きた!てかそれ腹筋鍛えれんじゃない?!(腹痛レベルに笑っている姿なんか想像できないからこそ戯れめかして、「授業中寝ててヤバそーだったら椅子蹴って起こして」とついでみたいにお願いするうちゴミ置き場まで踏破した。)んははっ。いーよ、あたしも喋りたかったし。駅集合にしよ!(ざわつく校内に紛れた挙げ句外まで出てしまったなら日曜の予定だって人目憚る事無く相談できた。けれどきっと教室の中じゃそうはいかない。手ぶらで同行した現今思えば思考回路のシンクロを都合よく想像するから、戻る道行きの速度は落ちる。)
清水立夏〆 09/06 (Sun) 23:49 No.95
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