入江さん、水風船何個割った?……冤罪かな、これ。

(手が空いたと自己申告の末、あれよあれよという間にバルーンアート班に混ざったのが始まり。「待って怖い」「嫌な音がするんだけど…」「これ割れないの?」と、不安要素について逐一報告の末フォローされたが、試作品一つ作り終えたところで静かに輪から外れた。いちいち心臓に悪い。)あ、入江さん。何か手伝うことない?(別作業に混ざれやしないかと、逃避先に目の前にいた少女に話しかけたところで、左手に掴んでいた試作のそれが彼女に通ずる色だと気がついた。)今ならこの腕輪もついてくるんだけど……。(ピンクと黄色の風船で作られた花の風船ブレスレットを差し出し、輪っかを示して「ここにはめるみたい」「小さい子用の商品だって」と説明添えよう。彼女がそのまま受け取ってくれるなら万々歳。そうでないならこっそり後で完成品に紛れ込ませようとの魂胆で。)たこ焼き、焼けるようになった?……入江さん、声大きいから、店番してるより客引き当番の方が向いてるかもしれないけど。(過日洞窟の中で聞いた耳劈くほどの叫び声を思い出せば、思わず笑って指摘。手伝える作業があるなら手を出しながら、無いようならば暫し休憩がてらの与太話は「文化祭楽しみだね」から始まって、いくつか目の〝そう言えば〟)おれ、帰ってきてからスパム買って来て、あのおにぎり作ったよ。入江さんは向こうの食べ物、恋しくなった?(思い出になった日を想起しての近況報告は、楽しかったねと楽しみだねがひしめいているから言うことなしだ。)
奈尾秀実〆 09/08 (Tue) 02:04 No.112
(文化祭準備の割り振りは立候補させてもらえる時と、有無を言わさず指定される時とがある。「あっちい~な~!」「キュッキュ言わせたい!」「割るのが本番じゃん!!」離れたところでバルーンアート班が風船を量産するのを見ながら余計な言葉を連ねていく。だからだよと共に手を動かす級友のツッコミが隔離の理由を物語っていた。あてがわれた仕事は装飾に使う折り紙作成。単調な作業ではないからまだ飽きは感じていないが、もう一声刺激があるとはかどるところ、かかった声が気持ちを上向かせ、あっ!と明るい声を成す。)あるあるある~~!奈尾おりがみできる?できそう!!(作りかけの水色したハートを顔横でふる。)……めっちゃいい色~!!えっくれるの?!(同時に目の前与えられたもの見て、自然色に反応するのはかつてのやり取りの影響あって。軽く目を丸める驚きは遠慮というより唐突さへのよろこびだ。もちろん受けとっては「じゃ~ん!」と早速身につけ自慢しつつ、)あれね~~むずい!無理! うんっそっちの方がたくさんやる!1年1組~~、縁日やってるよぉ~~…って!(笑いながら力不足を大っぴらに、彼の笑いが過日によるものだと気づけばあえて客引きセリフは小声を作っておふざけ。手を動かしたり休めたり、1番活発なのは口だけれど、)おいしかったやつだ~!!うっ、あんま考えないようにしてんのに、いわれると恋しくなってくる…。(破顔は途中渋めになってしかし、)また楽しいこと追加保存してこ!(前向きで吹き飛ばしたなら彼の額に完成したハートをぺたり。)
入江小糸〆 09/10 (Thu) 01:27 No.138
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