(仮初の恋を切取る世界は青く、好天。)

(視界を弾く白いひかりは太陽によって注がれる世界で一番熱い視線。巨躯が過ぎて日影づくりの脳がないヤシの木に背を凭れて人を待つ―――8月22日。稀有な気紛れが一言いいねの太鼓判を押すアクティビティに耽るひと日は、最後まで弱音なぞ知らずに終える予感しかない。酸素を供にして波間に漂うべく、ダルサイズの白Tの裾からは黒のラッシュガードを纏う腕が伸び、ボトムスはグレー地に白とターコイズブルーの花柄が咲いたサーフショーツを合わせた。ビーサンとして愛用するMOLOKAI ABYSSのコルク素材を同化させる程、陽光を反射するビーチのしろ砂はまばゆい。)おはよ。宣言通り早く寝られた?(コンクリの熱気から逃げるみたいに待機しているここはビーチと沿道のあわい。南国世界に馴染む鮮烈な色彩を目に捉えれば口端を持ち上げる。青空に彼女の赤がよく映えていた。)夕陽だけじゃなく太陽もオトす覚悟できたor俺にビンタを張らせる刺激を求めてきた。どっちだ。
葉邑柊 08/21 (Fri) 01:00 No.3
ぜんぜん寝らんなかった!(大きく翻す掌に添えた朗々たる声は寝不足を感じさせぬ爽涼さ。義務感と責任感を等分する胸理はけれど疑似恋人へ定めた名を知るや愉悦一色へ切り替わるげんきんさでSHAKAに押し込んだ爪先を弾ませる。白いフレアスリーブが二の腕ではためくデニム地のキャミワンピースはフロントにプラスチックビジューのボタンが縦並び、首に絡み付く黒い肩紐は中に着込んだフラワーパターンの水着のそれで脱げば即のお手軽さ。ラッシュガードもタオルもあれこれ全部突っ込んだレモンカラーのビニバを肩に掛け駈け寄れば、葉擦れの隙間に差す木漏れ日がゴキゲンにポニテを揺らした。)まるっと全人類オトす気できた。(前者も後者も捨て置いたビッグマウスが朱唇を割るも後追い「ちゃんと激辛はよしてきましたが」と付すのは臭いエチケットへの保険。よもや本気で世界一可愛いを嘯く心算はあるまいが剥き出しの肩がそわついて)今日はよろしくお願いします。あなたの彼女です。(深々頭下げる戯れを経て顔を上げたら破顔一笑、早速爪先を踏み出そう。)マリンスポーツしたことある?
小田仁希 08/21 (Fri) 18:07 No.9
なんで?楽しみでって解答は素直に嬉しいけど、予想は服選びとかそっち系な気もする。可愛くしてるから。(揺れる赤毛につられるように掌振って迎える邂逅。耳元すぐ傍まで押し寄せる潮騒が心地よいBGMの役割を担う。)寝不足な脳はチューハイ2杯飲んだ時と同じくらいのハイなんだって。(ネット記事で見掛けた情報。いや飲んだこと無いけど、を建前に掲げる必要がある酒屋生まれの高1男子は飽く迄“らしいよ”を添えて与太話を潮風に乗せる。疑似恋人を演じるらしい目的を授かろうともいつも通りの他愛無さは失い難い。)38億いるおまえの彼氏のうちの1人らしいけど、写真の中の俺は1番目の順位を狙っていこうかな。こちらこそ宜しく。(第一好敵手の激辛に勝利したらしい立ち位置を得たとか情報が伝われば「俺の勝ち」だって餓鬼臭い笑顔が覗くんだろう。)あるよ。家族はアクティブだから子供の頃に連れ回されてた。向いてないものは多いけど嫌いじゃないものも多いんだ。(言いながら進む先はしろい波が海面を撫ぜていく海岸方面。砂粒がまるで水晶みたいに細かくきらめいていて佇むだけでも映えは約束されている。ハウスキーパーの女性が用意してくれたらしい大判のビーチマットを砂浜に敷けば簡単な着替え程度ならそこで済ませられるか。)水中でも使えるデジカメとシュノーケリングの道具は預かって来たよ。
葉邑柊 08/23 (Sun) 21:47 No.35
遠足前日の小学生の気分。かわいく見えてるならとりあえず一個目のハードルは突破かな。(何せスペコプロデュースの顔面だからとその戦闘力は今日に限ってお墨付き。楽しみの内訳なんぞ弾む口吻で察してくれと言わんばかりだが)このまんまのポンコツ脳みそで海入ったらお陀仏しそう。救助できる?(ハイが過ぎて海の藻屑となる顛末を想像したら肩掻き抱く所作で相手方の力量へ確認作業。与太話に逐次笑い出しちゃう道行きに「じゃあたしは目とろっとろのハートにしてこっと」と素材としての意気込みは一匙残る大義名分へのそれだった。)ほんと?あんまりアクティビティ好きじゃなさそだし結局あたしのやりたいことに付き合わせちゃったかなて思ってたから、よかった。(得手不得手は存知せぬが嫌いじゃないなら吉と安堵に撫ぜ下ろす胸湛え、マットに荷物を下ろせば着替えは脱ぐだけのお手軽さ。フロントボタン外してすぽんとワンピ放り投げたらホワイトのラッシュガードのジッパーを上げながら)わ、ありがとう!水中も撮れるのやったーだ。ヤドカリとトロピカルフィッシュは絶対見たいんだけど出会えるかな。ウミガメはねえ、レアらしい。(玻璃色世界へ沸き立つ好奇心は噤口知らず。しゃがみ込んで「マスクー、ペンギンのヒレみたいなやつー、シュノーケルー…、これくらい?」道具は指差し確認後試しにフィンに爪先を突っ込めば)うわ これ 超あるきにくい。(よちよち歩きんペンギンみたいなぎこちなさを呈して一歩二歩、見ずとも解る間抜け具合がおかしくって噴き出した。)
小田仁希 08/24 (Mon) 21:27 No.46
目に見えて女子っぽさが増してる気がする。ピンクだから?(まじまじと見て気付く瞼のきらめきだとか唇の潤みだとかを眺めて数秒。「俺は結構好き」を落とす迄の躊躇いなんか豆粒ぽっちもなし。零れた素直な情感だった。)頼まれた写真のシチュが人工呼吸になるじゃん。救助するだろ、最強の呼吸機もあるし海猿にもなれる気分。けど安心したいから手を伸ばして届く距離には居て。(曰く呼吸機を指すシュノーケルのセットを首に引っ提げて放つ言葉は慢心と脆弱さのミルフィーユ。自分の命の手綱をも預けたいような気は拭えなかったし。)トロピカル…洒落た言い方だ。アビスリウム育ててたから俺も熱帯魚は興味あるし浅瀬で見られる珊瑚礁もマストだと思ってるよ。ウミガメ見つけてリアルタートルトークしたいな。(彼女の唇が列挙する期待は自分のそれに等しくて小気味良い。フィンに足先を捻込みながらピングーの妹みたいなたどたどしい足取りを見て笑――ったのが因果応報の始まり。)そんなに?おおげ      っぶ(大袈裟と言い切るより前。立ち上がった足が自分のフィンを踏めば前傾しすぎて早々コケた。)ムズ。陸上生物としての尊厳死んだ。(海水に身を沈める以前に砂まみれになる体躯が声と共鳴して震える。堪えきれぬ笑気が口から抜けていった。うつぶせに転がる身を反転させた後はきっと緩やかに仮初の彼女へとヘルプ求める手を差伸ばすんだろう。このシチュごと1ショット目の撮影シーンに定めようと首から引っ提げたカメラを逆手に持ちながら。)仁希、救助お願い。TAKE1だ。
葉邑柊 08/27 (Thu) 01:27 No.68
ひえ~…。(早々の白旗は羞恥心に負けて顔を覆った。「あざです」と粗雑な口吻は可愛げ持さぬ照れ隠しと相違ない。)カップル特集じゃなくて「海の手引」とかって注意喚起雑誌に乗っちゃうね。そうなんないようにお互い視界から出ないようにしよ。でもニモとか珊瑚礁を前に我を忘れない自信は…。(実はちょっとない。と悪戯を吐露する幼子宛ら双眸の煌めきは海中への期待を寄せて、「さぁ~いこうだぜぇ~♪って?」と声真似付随する。抗議めいた視線を向けるもそ早々な因果応報目の当たりにすれば)わっは、ださー!(軽やかな無遠慮が笑声となって弾ける。弾む語尾も3割増しの燥ぎようも隠蔽出来ぬ侭、砂塗れの体躯へよちよち歩きで近付き砂のこびりついた肩口を払ったろの指先がひゅんと跳ねて)ひええ~……。仁希って ひやぁ~…。(求められたヘルプそっちのけで二度目の覆面、髪色違わぬ色した耳朶が覗く。「こういうの平気系なんですか?あたしは平気系じゃないですが…」と口に出さぬが花の奥ゆかしさを把持せぬ要らん事言い。数秒遅れて差し伸べた掌はなんだかちょっとそわついて)ばーかだ。(重量持たぬ暴言はレンズ越しの笑みで相殺。よっこらせっとその指先を引いて起き上がらせたら今度こそ海中目指してヨーイドンだ。緩慢に半身浸かったのち、「せーのでいこね」と若干緊張した体躯はけれど躊躇いなく水中にドボン。透き通るような青い世界に暫し瞬きも忘れそう。) ?  !!(咥えたシュノーケルの酸素を肺腑へ送りながら肩を高速ツンツンしてアピール。ニモ見っけ!)
小田仁希 08/28 (Fri) 00:09 No.74
注意喚起雑誌は半永久利用されそうだから長く見て貰えるけどね、概念上のロマンス劇場は閉館って感じ。…早々に自信を飲み込むじゃん。はしゃいでいいから、ついでに俺の手も引張って引率してって。(ちょっとで済む程度の自信のなさじゃないだろうと察知すれば対策を波に乗せて講じる。唐突なサービス精神が鼓膜を打てば、トーンの高いその声真似はツボを突いて腹筋を震わせた。)そうそ。その時俺はシュノーケル咥えてる筈だから多分「ウォー」しか吠えられないけど。(馬鹿を言ってる方バカな目に遭ったんだろう。軈て、砂の熱さに辟易したまなざしが拗ねたように細まるけど。そのさなかに赤色が視界の端に映ればそっちに関心が寄る。あれ、彼女はハイビスカスのピアスなんか咲かせてたっけと思わせるような耳朶の色めき。)今日のテーマは付き合い立ての恋人ごっこに修正するかな。朝食でも呼ばれ慣れてるだろうにね、名前。(平気じゃないらしい彼女の心の内訳は照れてるってそういう捉え方でいいんだろうか。「彼氏役としては意識された者がちだし。」変化の波を起こした理由を晒しながら指先が繋がる拍子にシャッターを押す。主演は君で、俺は助演で監督でカメラマンなんて街角に流れる曲がテーマでもいいと思えたなつの日だった。身を沈める海中にて、視線の先に揺蕩う極彩色の魚達と彼女を見比べるのは共に感激を分かち合いたい心の発露。遊泳するニモと新たに現れたドリーを追うようにまだ爪先つく地面を歩けば、その先に珊瑚礁の群生地がみつかる筈。彼女は我を忘れていないだろうか。)
葉邑柊 08/28 (Fri) 14:53 No.76
呼ばれるひとによって全然違うよ。特別感が。(全く女心をわかっておりませんね、恰もそう宣うかの如き弾劾は指先からひょんと面貌を覗かせ付き合いたての初々しさっぽさを模してるつもり。今日のテーマとやらに乗じたのが明白な所業は昂じた照れを紛らわせるための手段でもあり、「あたしも意識されたい。」と欲しがりの様相は手数足らずを披瀝する。笑うつもりがないのに笑っちゃった、称するならそんな調子で崩された相好は見どころのワンシーンになれているだろうか。)  、~~~、(青の洞窟宛ら玻璃色の世界では言葉を交わせないのがもどかしいくらいの感動と絶景。喋れないと解っていても動かす口元からは白い泡だけが立ち上り、幾度も頷く姿に吹き出しを付けるなら「きれいだね」「やばいね」ってそんなところ。ドリーまでいる!と指差す青と黄色を追従した先、鮮烈な碧に映える赤やピンクに輝く珊瑚礁を捉えたら興奮昂じて前言通り我を忘れフィンの爪先を蹴って飛び出し――てから、直ぐに我に返って戻ってきた。ゴーグルの奥にはえへと悪怯れぬ笑みが透け、今度こそ急かすよう葉邑の指先を引っ張って。清澄な碧とカラフルな色彩は飽きを知らず、思い出してシャッターを切る所作を向けたら撮ろって合図。目に見えるもの全てカメラに収めたり或いは水中の葉邑を切り取るさなかにウミガメは無理にしでもヤドカリは抓んでみたい。浮力に甘えて一区切りまで海中を堪能し水面へ顔を出す頃には逸る唇が開口一番。)すっっ …ごかったね!?すごいきれい、すごいたのしい!どうしよう!
小田仁希 08/29 (Sat) 14:28 No.86
彼氏面を剥いだ後には寂しくなりそうだな。(配役に則り宛がわれた特別感も悪い気はしなかったけれど、漏らした言葉の欠片にだって本音が孕まれた。眼前でひとり隠れんぼを興じる細っこい指の隙間から覗く彼女の瞳は「瑠璃ガラスみたい」だと思惟が口に出る。「小田の言う意識ってどんなの。」シャッターの押下はきっと彼女の破顔に間に合う筈。花が咲き綻ぶ瞬間に居合わせたみたいな奇跡をタイムラプス映像に納めてやった心地。)ビーチでおまえがはしゃぎながらペンギン歩きしてた姿は可愛いと思ったけどね。(水平線の彼方まで漲る海の浩々たる様が心を開放的にしたのかもしれない。躊躇知らずの唇が真実に基づく例え話を謳う。弱っちょろい指先だけじゃ頼りないと判じた左手はきっと急かしたがりの彼女の掌をきちんと捕まえたがるだろう。魚の影をウミガメと重ねて指をさしてみたり、珊瑚やヤドカリを添えてのツーショットをカメラに納めたりと一頻り楽しむ合間には遊泳力Eの実力発揮して水を飲込んで拗ね切った顔を晒す一コマもあった筈だ。)今日で終わりは惜しくない?明日、朝早起きしてまた泳ぐのも有りだと思った。次こそウミガメ探してさ。(目元にかぶさる前髪を掻揚げて、肺一杯に空気を吸い込んだ後の破顔はきっと揃って愉快めいた風情だと尚良い。)タイマー掛けてもう1枚くらい海での写真撮ろ。その後は陸に上がってアイス食べてだる絡みしてるシーンも。(浅瀬の海面に突出する岩場に置き去りにしたカメラのタイマーはきっと10秒後にシャッターが下りる。)
葉邑柊 08/31 (Mon) 13:43 No.104
……可愛いっていわれたときの可愛い返しってどんなの?照れて、こんな顔しか出来ない。(ペンギン歩きの可愛さはさておき一見渋面にも捉えられる表情はその実当惑が8割だった。ヤドカリみっけて大満足の笑みは3歳児、水飲んじゃった間抜け面を指差し笑い飛ばせば鼻から水が入り込んでの泣きっ面。)ぜったいいく!知ってる?ウミガメって北島康介の3倍速で泳ぐんだって。(頬に張り付いた毛先を払って笑う。不足を訴えるばかりの現今その提案へ乗じぬ手は無かった。明日朝のリベンジ誓った所でカメラが数える10カウント、シュノーケルもゴーグルも取り払った顔貌がピースサインする一瞬前。視線向けたる横顔へふつりと湧いた衝動の果てはよりによって映像リクエストの中でも真っ先にNG指定されていたものだった。)あのね、(肩に乗っけた指先降ろしての二の句は無機質なシャッター音が耳朶に届いてから。)とっても楽しくて横見たら柊がいて もう超大好き!て思ったからつい…しちゃった…。ふ、(悪戯がバレた子供のような或いは自分で自分の所業に驚いてうっかり笑いが出ちゃったようなそんな笑み湛えて、「NG指定なら秒で写真消しますので…」は粗末なアフターフォローだが限定彼女を免罪符に許容されてくれ。)アイスなんにする?あたし真っ黄色のソフトがいいけどでも、柊が好きなの選んでいいよ。(着替え諸々を済ませて屹立するアイススタンド前で向けたるはわっかりやす~いご機嫌伺いの台詞。湿り気をふくんだ毛先が夏風に棚引いて、マンゴーソフトを差す指先が弾んだ。)
小田仁希 08/31 (Mon) 21:57 No.108
(泣面を眺めては吹きだし序に足を攣りかけたし。二人の間には須臾の地獄絵図が広がっていたけどバカ丸出しの風情みとめてバカだねと言い合うようなオチも悪くない。)速。俺が浦島太郎だったら竜宮城に着く前に海底2万マイルに沈んじゃうな。(彼女からのLINE通知を念の為の眠気覚ましとして頼りたがる「起きたらLINE入れてよ」の甘ったれ文句は得意じゃない早起き行為の保険だった。自らの瞬きの速度さえちょっとした永遠かと錯覚したのは肩先に乗っかる熱に気をとられた直後。頬を押さえかけた掌を宙に留めたのは触れるのが勿体ない気がしたから。)あのさ、(佇む呆然顔をおちょくるみたいに心音が波打つ。水面を滑る眼差しは面映ゆそうな風情を含んで、微熱を持余していた。)今の写真は消さないし報告もしない。  勿論これも。(見せびらかすのは勿体ないと判じた意識はどこかのタイミングで彼女に告げたろうけど、今は不意を衝く悪戯に向けた制裁を施すのが先。彼女の両頬を片手でひっ捕らえることが叶うならば、逃がすまいとしたその頬に鼻先を寄せた。NG指定の分岐ルートを経て、仕返しに満悦した笑みを滴らせた癖、彼女のご機嫌窺いだってきっと享受する。)じゃあ俺はトッピングを選ぶ。焼きマシュマロかな。食べられる?(尋ねる頃にはパラソル付きのウッドテーブルを挟んで向こうの彼女の口元にスプーンを差出しているかもしれない。焼きマシュマロに絡めたマンゴーソフトは互いの嗜好のドッキング。テーブルの端に乗せたカメラが泡沫のロマンスを切取る合図を送った。)
葉邑柊〆 09/03 (Thu) 20:59 No.132
(乗り出した体躯が元通りになる頃、恋の齎す反射熱が煌めく陽光より余程茹らせる心地でうなじを追従する。濡れて束になった睫毛の下から伺う瞳は然して間抜けな声を最後に瞬きを忘れて、それから。)……このさき誰とキスしてもあたし柊のこと思い出しちゃうの、癪だな。お互いさまだと笑い話になるけど。(耳まで燃える音がした。差し向ける渋面は可愛げひとつ把持していないが触れた部分が未熟な心臓になったみたいな感覚が白昼夢じゃないと知らせるから、口元まで海に浸かってぶくぶくと発する憎まれ口位は許されたい。「なんで?」「貴重な素材なのに?」「もしかして白目むいてた?」と内実を知るまでは勿体無い精神で疑問符を散らす道行き、パラソルのレインボーカラーがはためく影に隠れたら思いっきり甘ったるい顔で笑った。)大好き!甘党なの?冬に燃やして食べるのも好き。一番好きなのはチョコ。(ひとくちちょうだいと強請られるためのソフトクリームが溶け切っちゃう前に、差し出されたスプーンへ遠慮なく齧りついたら甘く香る舌先で笑う姿が今日をはじめた瞬間より余程彼女然として切り取られているだろう。お返しにとスプーンを手向ける姿もまた然り、不埒な指先が鼻先にイエローカラーを擦り付ける悪戯も。じょうずに擬えた今日を帰結する頃には生まれ立てのさみしさが埃っぽい晩夏のゆうぐれを染め上げる。自覚的に掛けられたピンクのフィルターを取り払って尚その希求が許されるならその時は。)明日からも名前で呼びたいなと思っちゃった。だめ?NG事項じゃないといいな。
小田仁希〆 09/04 (Fri) 23:39 No.140
name
color
pass
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