(ひかる夏にふたり。)

し〜〜ま〜〜ちゃんっ♪(Rosemaryの扉をコンコンコッココン♪と鳴らしたのは、事前に伝えていた待ち合わせの時間よりも幾分早く。「まだ準備してていいですよ!あのね〜」当然未だ支度をしている最中であろう恋人の到着を待ち切れずに早まった行動は、彼氏としてはとても及第点を貰えたものではないだろうが、その表情は扉越しに彼女の耳へ届いているであろう声色からも滲む通り、相変わらず笑顔も尽きなければ、支度中お構いなしになんてことないうきうき雑談おしゃべり。)……なんですけど、え、ちなみに巽さんは甘いものとしょっぱいものだったらどっちが好きですか? あっあとね!そう!今日は撮影のリストも持ってきました!あーんするのはもう少しお腹すかせてからがいいですよね、あと砂浜のやつもある程度日が落ちてからやるとして……(手元の紙を見ながら扉に寄りかかって一人思案すれば束の間の沈黙。背中を預けるドアが動くのが先か、こちらから急かす声が先か、何度目か名前を呼べばその身を扉から退けよう。)し〜まちゃんっ♪まだですかーー?!
秋吉かもめ 08/21 (Fri) 23:25 No.13
(その軽快なノック音は巽の気を急かすに値したけれど、直ぐには扉開けられそうにないから「は~あ~い」の間延び声で返答と急く心地をワンテンポ遅らせる算段だ。)どっちも好きやけど、今日はあまいのがいい。(とか、)そういうん、秋吉は照れへん?(とか、相応の応酬は平静ぶった声音で扉を突き抜ける。級友の魔法を借りて得たバックリボンのついたギンガムチェックのフレアが鏡の前で最終確認の一回転でふわりと舞うのを確認したなら、ブラックにホワイトパールがアクセントの肩掛けバッグを引っ提げた。幾許目かの呼ばれ慣れぬ名を遮るべくして、部屋から踏み出すべくふたりを阻んだ一枚を押し開かんとするけれど。)おまた、
(せ。最後の一文字紡ぐより先、反射的に扉のノブを手前に引き戻し。瞼に乗った星々もご機嫌と同じく上向きの睫毛も、擽ったくて面映ゆさを隠しきれない所為で自然眉尻をハの字に下げた侭、少しの扉の隙間からウェーブがかった髪と共にちょびっとだけこんにちは。素っ裸の双眸は恥ずかしくて、ピンクの丸縁サングラスを耳に掛けたのが妥協点。次ぐ強欲は彼女の特権?)いちばんおめかししたから、褒めてくれやな外行かれへん。
巽志真 08/22 (Sat) 10:31 No.20
(じゃあジェラート屋さんに行こっか!は、支度を待つ間雲ひとつなく晴れ渡る日差しの強そうな窓の外を見ながら。フロントボタンを開け放した紺地に土星柄のアロハシャツの下、白Tは速乾通気性抜群。背中の向こうから聞こえる問いには、鼻先を擦りはにかみながら「照れますよ!」と気恥ずかしさを含んだ笑い声を溢すだろう。ハーフパンツから伸びる足が彼女の登場を待ちきれず忙しなさを覚えてきた頃、開きかけた扉に輝いた瞳、鼻から吸い込んだ息もそのまま一時停止。一度閉まった扉を二度のゆっくりな瞬きで見つめれば、再びは予想外に慎ましく。漸く覗いた顔に丸まった目、ポカンとあいた口は間抜け。)…………… え!?!(沈黙3秒後、上げた声は驚愕一色にして)、 (続く言葉よりも先に動いた足が大きく一歩距離を詰め、力を込めた手が彼女を阻む扉を半ば強引に開け放つことは叶うかどうか。いずれにしろその姿全身を目にすれば)可愛いーーーーっっっ!!!!!(木々にとまる鳥が一斉に飛び立ち、別荘全体が揺れるくらい叫んだ。)南国のお姫さま!?天使ですか!?髪もふわふわ、サングラスも、……あれっ目もキラキラしてる!?(遠慮無しに顔面を近付ければサングラス越しの瞳を凝視。それから身を引き、改めて全身を見遣れば)今日の巽さんすごい!!宇宙一可愛いです!!ありがとう…!!!
秋吉かもめ 08/23 (Sun) 11:04 No.28
(いつもであれば脳幹フル回転のキャッチボールも、現今に限っては慣れぬことと他己評価への懸念から鈍った自覚はあり。扉の隙間から視線が交わるそのときまで、自身でも想像つかぬかんばせを呈していたのは間違いなし、さりとて控えめな所作は終ぞ彼の指の力によって破られる。)っわ、(鳥々に呼応するかの如く体躯が跳ねた。詰まる距離には後ろに引けず、ピンクのフィルターを少しずらして漸く双紫は彼のそれとかち合ったなら終ぞその褒辞に耳殻は朱を知る。)30回褒めろってわたしが言ったけど、それ全部もらえる頃にはたぶん全身溶け切ってる。(耳に掛けた髪が波打って、含羞と雀躍孕んだ視線は行き場を失う。とて言葉を失えば羞恥増すことは存じているから、)そしたら秋吉は南国の王子様?土星から来たヒーロー?(紺地に咲く惑星は彼にとびきり似合うから、悪舌みたいな口吻だって本日は大真面目。「仁希に魔法かけてもらってん」は本日のおめかしの種明かしとして、)はい。  一緒に溶けてくれる?(過日の約束を擬えて差し出したてのひらはもう一枚重なるそのときまで指間を開いて閉じてを繰り返し、)冷たくて甘くて美味しいジェラート食べたら溶けても元通りなる?ならん?(ひとつめの目的地を定める暗喩も込めて素敵ないちにちの一歩目踏み出さんと彼の手を引いた。)
巽志真 08/24 (Mon) 00:21 No.39
そしたら小瓶に詰めて持ち歩きますね♪(溶けた巽さんを。言葉遊びとして乗っかるが、いつか見覚えのある朱色の耳朶に眦穏やかに細めれば)巽さん、可愛いって褒められるのあんまり慣れてないですか?耳は全然慣れてないみたい。(言外に赤くなっていることを伝えるようなニュアンスで、過日同様その部分を指でつつき笑った。)! っふ、……そうデス。今日は生まれて初めて地球人の女の子とデートなのデス!がんばりマス!楽しみデス♪(返された例えに思わず噴きこぼれる笑いを一旦飲み込めば、カタコト演じる気分はすっかり土星人。よく知る友人の名前を聞くことと相成れば表情は驚きと歓喜に「宇宙一もらったって言っちゃいましょ!」と更に笑みを深めて、差し出された手を取ろう。ハウスキーパーに告げたいってきますは元気良く、共に敷地を出れば一先ず最初の目的地は定まっている筈。前後に揺らす繋いだ手は早々に機嫌良く)食べて一旦元通りになっても、また照れたらどろどろになっちゃいませんか?今日一日で少しは慣れますかね〜(繋ぐ手に視線を落とせばぎゅっぎゅと握る感覚を敢えて与えながら、そういえば話題は少しだけ巻き戻って)写真のリスト、巽さんはおれとどれをやりたいですか?逆にやりたくないのとかある?
秋吉かもめ 08/25 (Tue) 06:58 No.50
(指先で触れられたその部分から更に熱が上昇する感覚すら帯びて伝播してゆく。もの言いたげな薄目の効力は扨措き、「褒め言葉は面白いが一番慣れてる、うれしいことに」と伝う口先は尖り気味。)っなは、はじめてもらっちゃった。でもいつか土星に帰っちゃうん?それはイヤやな。どしたら阻止できる?(かぐや姫擬えるみたいな応酬を以て交互に絡まった指先の温もりを確かめる。褒辞の報告の提案には首を横に振る理由もなくて、大好きな少女に伝う未来を想起して自然唇が緩んだ。)何回も溶けて固まって、そのうち型崩れしそう…。秋吉はもう慣れた?(指先をそのまま肩付近まで持ち上げて問うては、同じ強さで握り返し。投擲された質問には隣を見遣って小首捻ること数秒、開く唇は重くない。)あーんとかは秋吉ほんまに美味しそうに食べてくれそうやからいいなっておもってた。あとおそろいは純粋にほしくて…、(一度舌先湿らせる為に一文字に引き結ぶけれど、)秋吉とやからって理由でやりたくないことは一個もない。普通に想像だけで照れちゃうんはほっぺにちゅーとか。(秋吉は?と同じ質問を返す心算で大きく夏の気配を肺に取り込んだ。斯くして歩くこと幾許か、目的地の看板が目に付けばそちらを空いた片手が指差した。)あった。行こ行こ。何味にしよっかな。
巽志真 08/25 (Tue) 19:23 No.54
(言葉とは裏腹の表情を見せる様につられた笑顔は顔の中心に皺を寄せてくちゃり、おかしそうに。)巽さんと次遊ぶ約束がある限りは残りますよ♪でも予定なくなったら帰っちゃお〜っと。二学期始まったらなにして遊ぼうね?(隣の顔を覗き込むような問い掛けは変わらず機嫌良く。「ところで、」返答を待たずに更にもう一言続けたのはこれまでの彼女から抱く印象より)巽さんって寂しがり?(サングラス越し煌めく瞳を窺いながら。目線近くまで持ち上げられた絡む手とその顔を交互に見比べては、細めた双眸浮かべた笑みは不敵に企む1秒前。その手に自分の頬をくっつければ一瞬すり寄せて満面の笑顔を見せつけることで回答としよう。跳ねるように頷く相槌と同意は同じ数だけ、秋吉理由のNGは無さそうだとの返答を得ればまた思考を少し巡らせつつ)おれもそう!ちゅーは流石になんというか、……まあ、それ以外でいきましょうか。(口籠もり多少の照れ臭さに顔の熱が上がるも、互いに無理をしてまで熟すものでもないとは秋吉の判断。でも、と逆接を挟んで告げた「おれは巽さんとなら全部イケそうです♪」は和かな普段通り眦をくっつけた笑顔と共に伝えた。間も無くして涼しい店内の中、カウンターで暫し味を選びつつ終えた注文。手渡されたのは彼女の物と自分の黄色鮮やかなレモン味。テラス席を確保したところで、両手を合わせて)はい、いただきます!
秋吉かもめ 08/27 (Thu) 11:06 No.69
え。そしたら向こう20年分くらい予約入れとかんと…。(絵空事だって理解したとて嫌だと駄々捏ねるのは相手が彼だからに違いなく、由々しき事態とばかりの口吻で未来をゆする。「放送室ジャック?プールでモップリレー?放課後映画?」を近い将来の計画の序章とした刹那、レンズ越しにかち合った視線に瞠目しては)えっなんで(間髪入れずの切り返しは無意識下の図星が宣って、彼の視線を追随してはその意図を思案するまで目弾き二回。推し量るより先に彼の頬の温度を知ったなら、絵に書いたようなぽかん顔。からの三拍、指先から伝播した熱が僅か頬の色変えて、漸く「ひとたらし…」と唇尖らせるがやっと。店内の人工的な冷気でややに頬が冷えたなら、「NGなし?」と問うたのは自身の名を前置きとして付随させた彼から言質とるふり。注文カウンターでブラッドオレンジ注文したなら、掌中彩るのは赤橙。ふたつ並んだジェラートは立派な夏色彩って向かい合う形で着席したなら、)いただきます。  あっ、オレンジ嫌いちゃう?平気?(自身が腔内に放り込むより先、スプーンに一口分掬ったなら彼の唇の近くへ。羞恥で声の出し方は初心者同然、鼻から大きく息吸い込んだなら、やっとのおもいで)はい。あーん。
巽志真 08/27 (Thu) 21:21 No.71
っぷ、あははっ!おれは20年先まで予約で埋まってる三つ星レストラン?(耐え切れず噴き出した笑いは、本人の表情が真剣に映ったから尚の事。尋ねて直ぐ挙げられたやりたいことリストに丸い瞳が爛と煌めき)えー!じゃあじゃあっ視聴覚室借りて、スクリーンで映画観ようよ!何観るっ?普段はどんなもの観るんですか?(弾む語尾と持ち上がる頬に浮き足立つ心は隠し切れない。否定肯定よりも先に尋ね返された理由について、同じように瞬き二度)催眠解けるのいやがったり土星帰るのいやがったりするから、他人と距離が離れることを寂しく感じやすいのかなって!巽さんは甘え上手ですね♪さては末っ子でしょ。(それは純粋に気分が良かったから、紡ぐ言葉は終始和やかを保って。最後の一言はインチキ占い師みたいに勢い先行で指差し当てずっぽう。合っていても外れていても何方にしろ笑いに帰結する筈。生まれて初めてのタラシ認定を受けるなら素直に丸まった双眸。「今日だけですよ?」と伝えるのは、いつでもどこでも誰にでもを否定するように。)なにしてもいいよ!なにしてもいい?(言質取らせる代わりに尋ね返すはイエスしか欲しがらない瞳で。NGなしは味も同様。一瞬遅れた後、意図を理解して片手OKサインで返事とすれば、早速向けられたスプーンを見、スマホのインカメを起動した状態で大きな口でオレンジを受け入れた。お返しにレモン味も、あーん♪)……!撮れた!けど、ちょっと味は分かんなかった!緊張した〜はは!
秋吉かもめ 08/28 (Fri) 22:04 No.81
きっともっと人気。(小さく頬膨らませて引き結んだ唇も、結果彼の破顔につられて柔く溶ける。)わ、それノッた。普段は予告見て面白そうやったら~て感じでジャンルはホラー以外が良くて、あ。ちょっと前やとアクアマン面白かった。でもドラえもんとかもみるし…、秋吉はどんなんが好き?(てんでバラバラの嗜好をおもうままに宣うのは相手が彼だからこその明け透け。斯くして自覚のない性質見抜かれる心地は慣れぬ故にハの字象った眉に他意はない。強いて言うなら、たぶん少し面映ゆくて、だからこその口答え。)他人じゃなくて秋吉やから、そうなんの。間違わんとって。  末っ子は合ってる……。あ。でも待って。秋吉もきっと末っ子やとおもう。どう?(果てには尻すぼみの答え合わせと仲間探しの口吻を以て、眼差しが欲しがる侭に答えを舌先に乗せる。「いいで」。彼のくちの中に赤橙が吸い込まれたなら、お返しに手向けられた檸檬をひとくちで。腔内から全身に広がる冷気に双眸を細めたなら、撮れ高確認とばかりに彼のスマホを覗き込まんと。)撮れてた?わたしも冷たいことしか分からんかった…。よし。食べよ食べよ。(ひとくちずつ溶ける前にスプーンで掬っては漸く「おいしい」の所感。体温下がると同時のキーンの感覚にこめかみ抑えながらの声音は静かだったかもしれないけど、)カップルって普段からこんなことしてんのかな…。すごい……。
巽志真 08/29 (Sat) 18:19 No.89
(差し出された幅広い嗜好は、興味関心の領域が底無しの男にとって正しく唆られるものだったから、丸い瞳が艶をもって更に煌めく。何ならこのカテゴリーは、未だ未開拓の地だ。)おれはね、まだジブリとディズニーくらいしか観たことないんです!だから折角なら巽さんの好きな映画を観てみたい。秋吉と観たいなって思う映画、考えといてください♪(ある種特別のようにも思える擽ったい言葉選びは少し前にも聞き覚えがあった。やや照れ臭そうに頬を掻けば)こないだも言ってくれましたよね、秋吉となら有意義になりそうって。この先も引き続きおれとの楽しそうな未来が見えたってこと?(有意義になるだろうと予見していただけだと話してくれた言葉は今でも記憶に新しい。20年先まで予約を取りたくなるくらい離れ難いと思って貰えているのなら、それはきっとこれ以上なく嬉しいことだ。末っ子を見事に当てられた所で驚き瞬く瞳は素直に「えー!なんで分かったの?!」とその目に映る自分を知りたがった。そのスプーンが二口目を掬ったところで止まったのは一瞬。向かいの彼女が普通に食べ進める様子を見てから、自分も続くようにレモン味を口内へ。)……、あー…ね!でもきっと本物さんたちは、お互いにお互いとそういうことをしたいからしてるんだろうなって思います!だから、本人たちにとっては案外普通なのかもですね…!(地球人のカップルはどうやら中々に刺激的らしい。カップの中身が空になったところで、さて次は。)おそろい買いに行きましょうか♪何がいいかな〜コップ?
秋吉かもめ 08/31 (Mon) 01:04 No.101
任せて。(てのひら握りしめてとんとんと二度程胸を打てば、その選択権を喜んで受け取らんと。彼の照れは確と伝播するけれど、表情筋緩めたらもっと面映さを自覚してしまうから眉根寄せた挙句、唇尖らせて投擲する視線はわざとらしい。)うん。秋吉には見えへん?(答えを強請る口吻は横柄に映っても構わぬとばかり。兄弟構成は予想の範疇に過ぎぬけれど、大当たりと知るや鼻鳴らして得意満面。「だってひとに愛されるのが得意やん」はこの数ヶ月の付き合いで知る為人から生まれた確信だ。僅かな沈黙に小首捻ろうともただ腔内のオレンジだけしか判らないから、)?どうかした?(本物への見解には成程と首肯したとて、靄がかったように理解は及ばず。「未知の世界…」と大仰にごちるみたいな口振りは自分でも何だかおかしくって、ちっちゃな吹き出し笑いとなった。斯くして次なる目的地を求める足柄が浮くのは隠せそうもなく、平素と同じく冷静取って付けたかんばせとどうにもちぐはぐ。近くの小物ショップの前通り掛かれば、こっちこっちと繋いだ指先を引く我儘っぷり。)マグカップいいな、 あ、みてみて。(持ち手部分がピンクとブルーのイルカを模したそれを指差しては、「かわいい」と素朴な所感をひとつ。けれど、弾む心裡は店内を見渡す視線に成り代わるから、)わ。ビーサンおそろもありちゃう。(いちご、いるか、サングラス、カメ、パイナップル、エトセトラ。付けるモチーフを選べるビーチサンダル見つけたなら目弾き煌めいて、どう?と首傾ぐ様相はらしくもなく優柔不断。)
巽志真 08/31 (Mon) 18:15 No.106
見える! 見えるけど…(一拍置いた後、逆接を挟めば僅か落ちる視線。濁る言葉の続きを選んで、再び上げた表情は浅くハの字眉を象って)巽さん、秋吉だからって特別扱いみたいな言葉をよくくれるから、すごく嬉しいですけどでも…たまにちょっとだけ勘違いしちゃいそうになります……。(言葉にすると尚更勘違いしている事実を自覚をさせられるようで、居心地悪そうに視線を一旦横に逸らした後「だから、」)嬉しいけど嬉しくないです。(難しいですね、と苦笑いで締めた。気にする問いに一瞬ハッとし「同じスプーンで食べるの緊張しちゃった!」と照れ臭そうにたはは笑いの後慌てて食べ進めれば、今度はこちらが頭のキーンに悩まされよう。南国ならではの海洋生物モチーフのグッズが立ち並ぶ中、マグカップやキーホルダー、文房具エトセトラと順に見て回った先、関心の先はソレに絞られた。)ビーチサンダル!!いい!!ね、これ買って履いて写真撮ろう!?(合わせたモチーフはカメ。これがいいこれにしようと繋ぐ手を揺らしながら彼女が選ぶのを急かすのはご愛嬌。やがて会計を終えたところで店先に併設されているベンチで撮影用に履き直せば、無事ペアルックビーサンの足元ツーショットが収められようか。)これからきっと、毎年夏が来るたびに今日のこと思い出すんだろうな〜♪(まだ暫く脱ぐ気もなく足をぶらぶらしながら。ふと見上げた時計台の針はまだ日没まで遠く)まだまだ沢山遊べるね!(つい嬉しくなって隣に共有を求めた。甘えんぼ同士の非日常はまだ終わらない。終わりたくない。)
秋吉かもめ〆 08/31 (Mon) 22:38 No.111
(彼の双眸の行く先をただ静かに追っていた。そうして視線の先が己となれば自然かち合う眼差しも、表情の意を汲みたくてけれどそんなに万能でもない。ふたりのあわいに沈黙が在ることに慣れなくて、呼吸すら響く心地だった。彼が苦く締めた声が耳介のなかで反響しては、思案されど纏まらないそれに眉根が寄るのは自責に近い。)──そう(水分欲した喉元は端的に紡ぐがやっと。ショップの中を練り歩いてふたりの意識が合致したなら、数多のモチーフを吟味せんと、)カメにしたん?え~、待って待って、……イルカにしよっかな(繋がった指先がゆらゆらと判断急いたなら、猶予を求む割に決定までは然程掛からず。ビーチサンダルに履き替えれば、快然たる心地に爪先がゆらゆら。時計台を仰ぎ見て抱く所感はきっとおなじだから目映い太陽に沈まないでと願うみたいに「うん」と頷いた。斯くして忘れたくない一日、どれだけ回り道をしても22日は限りがあったから、指先の鼓動がまだ繋がっているとき。何でもない風采で、けれど何でもない訳じゃないことを伝う。)ごめんって最初言いそうになったんやけど。でもそれも違うなって。(「だから」と続く順接は僅か震えて響く。)おもってないごめんも変な言い訳もしたくない。でもわたしと話すんがイヤやなとは思ってほしくない。(「わがままなんはごめん」は尻窄み、指は溶けて減らなかったけれど繋いだ指先を握る力は存外弱い。いちにちの終わり、おやすみの挨拶で離れゆく指先の感覚だって全然、慣れていなかった。慣れたくなかった。)
巽志真〆 09/02 (Wed) 23:55 No.125
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