(青い空、白い雲、きらめく水面にそれだけ映ってほしい)

(もともとの目的は浜辺で達成していた。まだ陽が高ければ、涼やかに波打つ海に足をひたして数分。もう少し夏を味わいたくてバシャバシャと先に進んで、前後不注意がたたり岩か何かに引っかかったのかもしれない。ジ・エンド。)ウッ?!?!(ただでさえさみしい胸元の解放感に気づき声をあげた。すぐに青い顔して自らの両肩を抱いたのは、うすら寒いからではない。)……おねが〜〜い!!!おねがいおねがいおねがい!!――、あッ?!(小気味よくシャッターを切るカメラのように、数度猛スピードで瞬きしながら辺りを見回す。数メートル先に鮮やかなグリーンアップルカラーのビキニが、白い泡に持っていかれていた。さっきまでは背中で結ばれていたレースアップの紐は無残にほどけている。そいつが自由に遊泳してしまう前に誰でもいいから拾ってほしくて、体勢そのまま歩を進めつつヘルプミー。だいぶ近づいたところで勢いつけた一歩、水底のくぼみに裸足がとられるなら見事に嵌る。それでも依然腕に力を入れて、段差ゆえに眉尻下がりの情けない顔だけ出した、どうしようもない状態が一丁あがり。)
入江小糸 08/01 (Sat) 11:50 No.4
(海での遊びに敏くなく、ぎらつく太陽に当てられた白砂も踏みたくないと消去法での遊泳はクラゲの如く浮かぶだけ。時おり水中でラリー楽しむ輪からビーチボールが波に浚われやって来るから投げ返すも、その場を動かなければ存外涼に勤しんでいた。地元の海ならば海藻なり枝なりが漂っているがここはサマリン、景観を邪魔する物は一切見えなかった。つまり過去形。肩に何かが触れて目線を落とせばその顔に怪訝が滲む。いやそんなまさかの半疑は切望に等しく、おじおじした指先が細い一本を摘まみ掬い上げれば重力逆らわず垂れるシルエットと鮮明な色が映る。)あ。(やけに冷静は予想もあったから。しかし視界をずらした先にて不自然状態の姿を見つけるなり顔ごと逸らす勢いはもぎるに相応しく。)い 入江さん?あのこれって いや俺どうすればいい?ごめん俺が取っちゃって。てかだいじょうぶ、じゃないよなうん、うん……入江さんの?(何が正しくなにをすべきか判断付かずでも口だけ達者は意識を指先に戻さない防衛も兼ねて。散々彼女を前提した言葉を並べ立てた後に遅れた確認がそよ風に乗って彼女に運ぶ。向けた片耳が暑いのはまだ冷やせない。)
森地康太 08/01 (Sat) 13:06 No.5
(水中でこけるだとか、ビッグウェーブに乗ってしまうだとか砂浜に投げ出されるような事態にならなかったのは不幸中の幸いだろう。何をもって現時点でラッキーを語るのかまったく知らないけれど。肩よりさらに上も水にひたし、海面に髪の毛がちらばるのもお構いなし。さて運が傾いてきたのか見覚えのある色と相手を見つけて、)あたしの~~~!!!(首まで涼しいのに叫ぶ半べその表面はあつい。状況把握を試みるクラスメイトにまずは激しい自己主張をひとつ。答えはもう出ている問いに対して顔の中心にぎゅっと力を集めてわめきだす。)だいじょうぶじゃないよ!!ちょうだいつけ、(“どうすればいい”に思わず返す正直なところ。しかし短絡的な思考ですら失言に気づけば、たちつてとのてを言わないでヒュッとするどく息を吸い、)うそうそうそ……や、ちょうだいはほんとだからこっち来て!(迂闊な自分に絶望するなら顎までつかりかけ、しょっぱくなる前にくぼみの縁に足掛け抜け出そうとするも現実はそうもいかない。要望投げては視線の合わない彼に「もりち~~……」とダメ押しの弱声絞り出しながら、そっち方向に前のめりになって。)
入江小糸 08/02 (Sun) 23:05 No.30
え゛っ…ははっは ンン゛!(“て”を先走って思わず彼女に視線を戻したところで先程よりも水に隠れる状態に気も息も抜けた。しかし笑ってる場合かと誤魔化しの咳払いはまた斜め後ろを向きながら。言葉の手招きに何よりも口が動く。)いや俺だって渡したいけどまずステップ考えようよ、考えなしにやってマズいことになったらマズいじゃん。ええと、まず俺が目つぶってちょっと近付くか って分かった分かったって!いい?俺そっち向くからな。てかコレって取れるもんなの…。(順序立てと称した心構えの準備もか細い入江の鳴き声に最優先の事項をひっくり返す。近付く中で出会う前の彼女に懐疑向けてしまうのは、思春期の面映ゆさみたいなもので。そうして片腕の長さを配慮した上での最短距離はクラスメイトの間柄ではたぶん少し遠い。)じゃあ入江さんが取ったの確認したら、俺また後ろ向くから……って足引っ掛かってる?大丈夫?痛くない?え、どうする?(異なる違和感に懲りず指示待ちの疑問を難なく投げ掛けるも、これ以上距離詰められない現状に片手の若葉を精一杯に伸ばす視線は海底に追い遣った。)先にこっち解決しよ、そしたらもうちょっと近付けるし。取れる?むりでも取って。(穏やかな海でも波はある。それが障害になるかどうか。)
森地康太 08/03 (Mon) 20:26 No.38
(かたや弱々しく鳴き、かたや視線定まらず。場を整理しようと順序を紡ぐ彼に投げた一声に効果は見えて、ひとまず解決に向かって進みそうな提案を受ければ、「森地〜〜!!」と頬の筋肉を上げて喜ぶ。今泣いたカラスがもう笑う。)うっ、うん!!守ってる!う〜ん、ゆるかったんかな……。(己の動きを牽制するような指示の勢いにやや気圧され、胸に当てる手に力を込めなおした。できる限りこちらへ近づく動きがあるなら水面は無秩序にゆれる。正直紐がほどけた瞬間は知らないから想像の域を口にして、)……あははっ!逆にあたし落ち着いてきた。ビキニもらう!そしたら〜出るのがんばるから手伝って!(出会い頭から今まで、ぎこちない距離感や言い草は見てとれた。くぼみから足が抜けない自分と、端的な要求を向けるクラスメイトと。状況を笑いとばすのんきはけして安全地帯にはいないけれど、同じ温度で焦りをあらわにしてくれる相手により変な冷静さを手に入れつつ。手を伸ばしてそれから。無事布一枚が戻ってきたのを確認し、ゆっくり片足ずつ上げる。その間視線は感じなかったので、先ほどの言葉通り後ろを向いたのだろうと次のステップを始め、)でけた! ど??(ごそごそと所詮詰めるものが少ない装着はあっという間に終わる。明るい声音とともに背中を見せつけて結び目の安全確認だ。)
入江小糸 08/05 (Wed) 19:29 No.54
(名字を呼ばれた事よりもその声と表情で心裏をめいっぱい表す様に目を細める。彼女との時間は始まりで初めてなのに忙しないとの確信は裏に隠して。)それは良かった、俺は当分落ち着けそうにないけどな。うん、分かった。じゃあなる早でちゃちゃっと着けて。ちゃちゃっと。(明るい本音に物言いたげな顔を浮かべられる余裕が森地にも徐々に戻って来る。なれば急かすような言い回しもちょっとした仕返し。そして見ずとも彼女の手に渡ったと察知するなり首の垂れ具合は一層深まりこの瞬間は石造と化した。再び上がる目線は彼女の声に誘われ、確認作業の合図に器用に結ばれた個所をチラ見。)しっかり結んであると思う。多分大丈夫。これでまた取れたら新しいの買えってことだ。(あんまりシャレにならないから適当な笑いで掻き消したならやっと適正な距離まで詰め、事足りるその場所でようやく彼女の目を見れた。)あれ、まだ引っ掛かってる?もう抜けれた?(身軽に見えてしまえばそう問いつつ、片手を彼女に差し伸べる。そうなら引っ張る為の綱代わり、違えばそっかと下ろすだけ。布一枚の波乱も過ぎ去れば寄せては引く波が気持ち良い。)入江さんこの後なにすんの。遊ぶ?なら俺も一緒にいい?一人だと海でクラゲするしかなくて空しいからさ。もうそんな力ない?(気持ちを測った疑問は眉を下げながら。)
森地康太 08/06 (Thu) 20:41 No.65
わかってる、わかってる……よ!ちゃちゃっとちゃちゃっと~~♪(手伝いを要求したならもう行動への気持ちはかたまっているところ、気分は今やろうとしてた片付けを親からせっつかれる子ども。口をすぼませて小さな反抗心をのぞかせた勢いのまま、語尾に合わせて彼の手からビキニをかすめ取った。大丈夫との言葉で問題ないことを確信すれば首をふり、)ね~???取れたらほんと~~にゆるさない……。(あまりにも正当なアドバイスに同意しては視線を落として水面と、透けて見える足元を視界に入れる。出っ張ったひっかかりからは脱出しているからあともうひとふんばり。タイミング良く手を向けられ笑みと共にうなずいて、)うん!!いけそう~~だけど、助けてもらう!!(「ありがと~!!」と、引力により大きく躍進し、やっと地に足ついた心地で礼を告げた。)クラゲする森地ウケる~~!!から力もどった!一緒にあっちいこ~~!さっき貝がらあつめたんだけどやっぱもっと欲しいんだよねっ。(すっかりただの遊ぶクラスメイトの距離になって。彼のこれまでを聞きウシシと口元にこぶし当てながら笑う。問いかけはおまかせと身勝手にとらえ、お誘いという名の連行で砂浜の方へ。そばにあるその二の腕を触れるくらいの力で引いてみる。)
入江小糸 08/07 (Fri) 23:39 No.74
(恨めしそうな声音に重ねてもう取れるなよと胸中にて青空に放った。小さな手をしっかり握って救出を難なく終えれば全ての問題解決に表情から安堵が滲む。)どういたしまして。足痛くない?(再三の確認はしつこいようでも怠らず、よく見えない足元に自然と目線が落ちたものすっかり晴れた笑い声が耳に触れるなら上げるのも流れのまま。)ウケるし力戻るしさっきクラゲになって良かったよ。貝殻?きれいな貝でもあった?きらきら光ってた?(浮かぶだけの時間が彼女によって意味が成されたから良しとした。続け様の質問に混じった女児に向けるような音に他意はなくて、視界に映す彼女の素直さが眩しかった。まとう幼さに目を離せない。)いいの?そんな力じゃたぶん俺、簡単に波に攫われるよ。(そうからかい交じりに笑うのは先導加減について。陸に近付くから波も大した事なければ真っ赤な嘘とは丸見えだろう。)入江さん、貝殻集めてなにしようとしてんの。もっとって、なんか作ろうとしてる?……ネックレス?(彼女の考えは森地の枠に治まる訳もなければ率直に問い掛けた後になんとなしの予想は、彼女をどれ程理解しているかの答え合わせにもなる筈で。)
森地康太 08/08 (Sat) 02:52 No.79
(予想外のことが起こっての動揺は波にさらわれてどこかに行ってしまったよう。「今のとこは!!」と善意を含む問いに笑みをくずさずしっかり断定を返した。彼のひとり遊びの例えに影響されて、先ほどまでは自分を隠すベールとしてしか認識していなかった水と手の平でたわむれつつ、)森地はクラゲでも毒なさそ~~。いろいろ!ちっさいピンクとか白とかの貝がらがあっていい感じ!ぶお~~ってできそうなのもあった!(陸に行けば実物と出会えると踏み、言葉で齟齬無く伝えるつもりのない感覚的な答えを意気揚々と。誘導の動きに不足を指摘されて、もう先は見えているけれど張り合いは生まれてしまうから目頭をきゅっと細めて、)あたしのせい~~?!なら~~……、おりゃ!!(彼の隣に位置していたところ、その後ろ背に回り込んで浜辺に向けて手を押し出す。体格差により効果のほどは度外視の自己満足。やがて不意をつかれるのは、)エッ、(目を見開き視線はウロウロ)そっ、それは~~~~、ちがうちがうネックレスじゃない!…チョーカー!チョーカーつくんの!!  う゛っ……だれにもいわないで……。(それは後日の話に向けて。人にあげる用としてこっそり作るはずのものがまんまと暴かれるなら、言う通りになるのがなんだかしゃくで微妙な予定変更。迷子になっていたしょぼくれ目線は最後下へ落ちていった。)へへっ、かわいいでしょ~!!(――そうして帰ってきた元の場所。自分のチョイスに正解得たがる承認欲求のかたまりが、小さな貝たちを摘んで彼に見せつけるのだ。)
入江小糸〆 08/09 (Sun) 18:50 No.97
(無傷の答えへの安心も一時で、比喩した生物に付加された特性はまさかの瞬きを繰り返す。特別意味はないと理解する半面、その安全性は男としてちょっと悔しかった。)分かんないよ、むっちゃあるかもしれないじゃん。ぶお~ってほら貝?え、本当?どこ?俺も見たいてか吹きたい。(赴くままの表現は十分に伝わるから言葉足らずではない。込み上げる笑いを下唇噛むよう押し殺すものの、心惹かれる発見にたまらず詳細を求めるついで、小さなロマンも零す。引っ張る力が強くなる事を予想したゆえ後方から働く作用に「うわ!?」と洩らしたが実際30cmも進んでいなかった。海中散歩よりも泳ぐ目線に対してただ一点見守って。)チョーカー?へえ、貝殻で作るってオシャレだな、思い出にもなるし。うん、もちろん誰にも言わないよ。…ってことは誰かへのサプライズ?(これは他意ある問い掛け。彼女の平常乱すような試みも急降下を目の当たりして「ごめん」の謝罪だって微笑ましさが顔を覗かせる。)もうなんも聞かないから俺も貝殻集め手伝っていい?それか城でも作ってようかな。(綺麗とか可愛いを判別する自信もなければ、ほら貝の期待が交じる予定を上げては足が砂浜を踏む。案内してくれる場所まで着いて行き、小さい指先が見せるもっと小さい夏の色に同意を頷きで示し。)可愛い。てか貝があるなんて全然見てなかった。入江さん探すの上手だな。(それから邪魔にならない程度にチョーカー作りの一端を担う指は摘む度にいちいち彼女に見せては)これは可愛い?
森地康太〆 08/10 (Mon) 00:33 No.101
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