(規格外の火柱が照らすのは)

(それは肉の山との戦いを終えたあと。其処彼処で花火の輪が出来上がっているのを横目に、一本くらいは風物詩に触れたがってふらっと花火置き場へ。緊張感ある線香花火よりは一般的な手持ち花火を貰うつもりが、つと1メートルほど先でバトンのような筒が転がっているのを見つけてしまえば、自ずと拾い上げる以外の選択肢は消え去った。)……え゛!?(パッケージを見て漸く花火と認識したそれの但し書きを黙読すれば、思わず落ちる喫驚。瞬間、偶々近くにいたクラスメイトと目が合った気がして、思わず飽きっ放しだった口が誤魔化すように「あのさ」と継いだ。)これ、手持ち花火って書いてあるんだけど、2メートルくらい吹き出るらしくてさ。そんなの普通に売ってて良いんだ、と思って。(驚嘆の顛末説明するも、そもこの賑々しさの中では相手の耳まで届いていたかも知れぬ話。「びっくりしない?」との問い掛けは思考の共有でもあった。)バーベキューとか、花火とかもう堪能した?おれ、一本くらいはやろうかなって思ってたんだけど……(当初イメージしていたものとは随分異なる手中の花火に視線落として一時デクレッシェンドするも、つと手筒花火を差し出して)やらない?一緒に。
奈尾秀実 07/30 (Thu) 18:27 No.90
(こちらは火花同士のあつい戦いを終えたあと。腹はとうに満たされて豊富な種類の花火を楽しめたがそれにはもちろん後片付けも残っている。置き場への道すがら、これも頼むと水の入ったバケツに突っ込まれた花火の残骸が十本は増えたとなれば片したくて歩を速めた。しかしクラスメイト捉えたなら片手塞いだままの立ち話を選び口がその名を縁取ったもの発せられず、代わりと飛び出したのは似たような音。)わ゛!?(驚く彼の声に驚いたなんてバケツリレーで水が少し零れた。幸いにも屋外であるから乱暴に足裏擦って証拠隠滅を試み、彼の言葉に耳を傾けた。)うん、どうしたの。へえ2メートルってたっか。いやびっくりしたよ、奈尾のびっくりにびっくりした。そっちのインパクトが強くて2メートルが薄くなってるとこある。でも面白そうじゃん。(引用の口振りは茶化しを隠さず、次いで揺さぶられた好奇心に繋がる言葉も彼の誘いを受けたなら笑いが飛び出た。)俺も言おうと思ってた、やろうよって。花火さっきやったけど(片手のバケツを置いて)そういうやつはやってないから、今日の締めってことで一発ぶちかますか。さすがにここはまずい?(乗り気でしかなければ打ち上げ場所を思案。無事に決まれば着火寸前、彼に向けて)びっくりする?(彼の心構えを推しても三日月に笑う口元は花火よりも隣の反応に期待を寄せていた。そうして夜に光った一筋までのあらましを互い部屋に戻るまでしつこく引っ張った。)
森地康太〆 07/31 (Fri) 23:49 No.108
びっ くりした……。(パシャンと波打つ水音は海より余程近いところから。呼応するような反応に肩揺らして呟くも、手元見遣れば後始末役とは知れるから「お疲れ」と二の句が継いだ。)…おれそんな感情薄く見えてる?分かったと思うけど、驚くときは驚くし、何なら森地が驚いてたのにも驚いたよ、おれは。……それだけ繰り返してれば薄まってないだろ…。(茶化す声色を認識すれば、こちらからのジト目を憚る理由もない。発見と驚嘆まで共有したくせ、何もしないまま置き場へ戻す道はなかなかどうして選び難かった。一緒には純然たるお誘いと言うよりは巻き込んだ感覚だ。)…良かったよ、森地が乗り気で。おれそのサイズはちょっと、一人じゃなって思ってたから。まぁ、こんなの何本もあったら怖いよね……。あ、うん。あっち、海の近くは?(差し出したそれを思惑通りに受け取ってもらえたなら、トントン拍子の流れに申し訳無さが勝って思わず吐露。したけれど。)うわッ!? …いい性格してるな……。する?じゃないよ。今させたんだろ…。(移動した先で膝折り点火準備中、彼の戯れに肩をビクつかせれば、驚嘆に身を引いた勢いで間抜けに尻餅をついた。恨めしげな視線は、されど夜の海をまばゆく照らすほどの火柱を前に再びまろまって、ちゃっかり風上をキープしながら瞳をきらめかす。思わずまろび出た「すごいな…」の感想は新鮮なまま、短い帰路を辿る頃にはほんの少しだけ過去形になって、楽しかったの共有に余念がなかった。)
奈尾秀実〆 08/02 (Sun) 13:22 No.116
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