(白煙に包まれた背へのひやっこい出来心。)

(冷蔵庫から取り出したオレンジジュースとジンジャーエールの缶は指先が拒否する程度にはキンキンに冷えていた。元を辿るならば、焼き物に精を出して程良い焼き加減を志すあまりの集中力から、喉がひりつく違和感を覚えたことから始まる。烟る喧騒から一旦離れて両手に携えた冷気を館内から持ち出した先、ひとりのクラスメイトの背を視界の隅に捉えた。)───…。(良心vs悪戯心の天秤は一瞬で決着をつけて、抜き足差し足。背後から近寄ったなら、鉄板を囲むクラスメイトの首筋にオレンジジュースを宛てがった。白煙に包まれている状況下と云えども、それが意地の悪い所業の自覚はある為に視線かち合えば一言目は決まってる。)ごめん。びっくりした?お詫びといってはなんですが、これどっちか飲まん?
巽志真 07/27 (Mon) 00:35 No.42
(たまたま立ち寄った鉄板前、あれよあれよという間に男は焼く係を拝命仕っていた。頼られたならそれを振りほどけぬ性は、やれそっちはもう焼けただとかまだ生焼けだとか、気付けば鍋奉行ならぬ網奉行として采配を振るっていた。それも集う面々の腹が満たされ始めれば落ち着きを取り戻す、肉も野菜も魚も、とバランスよく構成された己の皿の上を楽しむ余裕も出てきた。そんな時。)っうお、!?なっ、(なんだ、と続くはずの声は白煙と共に天へとログアウト。驚きと戸惑いを足したような視線は突然の冷たさを齎した存在を振り返ることで把握した、一気に心拍数の上がった胸を無意識に押さえながら。)……ドッキリ大成功の札はいつ掲げてくれんだ?(長く息を吐きながら、それでも悪意があったわけでないと知れたなら表情も和らぎを見せる。)めちゃくちゃビビった。……んじゃジンジャーエールくれ。ついでに乾杯も付き合え。(然り気無く要求を追加し、今度は穏やかな心で飲み物を受け取ろう。差し出した缶は彼女の元に残った方と触れ合うのを今か今かと待っている。)
江坂匡 07/27 (Mon) 12:56 No.47
ドッキリ大成功!いまのご気分は?(マイクを向けるひと、ビデオを回すひと、札を掲げるひと。3人分の所作をエアプレイしたなら、「びっくりさしてごめん」は己の指先の体温が件の意地の悪さを物語っていたから繰り返し。)おつかれさま。焼いてばっかりになってへん?ちゃんと食べてる?(犒いと共に彼の手元に落とした視線で、無用な心配と悟るまなざしは目を弾いて睫毛を揺らす。迷わず右手から差し出した炭酸の温度が共有されるや、空いた指先は迷わずプルタブを押し開けた。)むしろ付き合ってくれんの。やったね。はい、乾杯。(楽器の如く触れ合う音が奏でられたなら、ようやっととばかりにひとくち呷る。甘酸っぱい水分が喉元をたっぷり潤したから、舌先はご機嫌に異国の地の過ごし方をさも答え合わせみたいに)江坂はこっち来てからなにした?もしくはこれからなにしたい?(体温奪う缶を左右持ち替えては空いた掌は結んで開いて。強請る口吻を恥ずかしがる素振りはない。)一個目はその過ごし方パクろっかなってつもりの質問で、二個目は今後遊ぶとき誘う口実にするつもり。どっちか教えて。
巽志真 07/27 (Mon) 21:06 No.54
刺激的な夏の一幕を存分に感じたわ、っつー気分。(清涼を通り越し冷涼。それも首筋から伝わり全身へと回った体内信号は刺激という大雑把な表現も決して外れではないだろう。物は言いようというやつだ。)いーよ、巽ってこういうこともすんのなって一つ賢くなったし。……お陰様で。焼き役やるとな、好きなもん然り気無く多めに焼けっから役得なとこもあるし。(此度もまた、クラスメイトの新たに知った一面を上書き保存しながら、「何か取るか?」と箸の代わりにトングを掲げて問う。カチカチと鳴らすは威嚇ではなく誘いの音。)おう、乾杯。(首筋から手元へ。心地よさはそのまま触れ合った音の広がりに呼応する、喉を通り抜けるしゅわりとした刺激に瞳を細めた。)それっぽいことったらウクレレ。まだヒヨコレベルだけどな。やりてぇのは地元の、チェーンとかじゃねぇカフェ行きたい。(弾むような彼女の口振りに乗っかるように。リズミカルな返答は明かされた意図にふは、と漏れた笑い声にて一時停止。)素直にどっちも言ってたわ。ウクレレしてるとこはまあまあ見てみてぇかもしんねぇけど。(好き勝手な感想述べた口に再びジンジャーエールを投入し、ついでにホタテも。)なに、カフェ付き合ってくれんの?(互いにレンズを通す視線を交わらせんと緩く顔は下向きに。)
江坂匡 07/28 (Tue) 17:26 No.62
夏やから。ちょっとふざけたくなる季節なんかも。ちなみに江坂はなにをさりげなくたくさん焼いた?(見掛け倒しの眼鏡を指の腹で押し上げて、その奥に宿る年相応の幼心で彼を見据える。好みを問うた声が婉曲的になったのは、ご機嫌の影響で饒舌となった唇が頭を整理するより先に動いたから。トングのポップな音は耳触り良く、「そしたらそこのカボチャ食べたい。おねがい」と存分に好意に甘える心算で紙皿を持つ腕伸ばした。)おお、ウクレレ。南国ぽい。いい。(瞼裡で南国の民がウクレレの音色に合わせて踊る。長めの瞬きのち、「それに合わせてわたしはアロハダンスでもしよかな」は冗句の応酬に過ぎない癖に、声振とかんばせは真面目一色で一致。そうして、その声色に最初に混じったのは僅かなはにかみを隠し通す算段の笑い声だった。)あは。ネタバラシしてから質問したら、気遣わせるかもっておもったから。  わたしがウクレレ持ったらギター侍みたいになれへん?ウクレレ……ウクレレ忍者…?ウクレレくのいち……?(某お笑い芸人のパクリを想起するがまま眉は情けなく垂れるけれど、少し上向きに眼を投擲すればかち合う視線。自然口角は左右非対称にあがる。)付き合う。江坂がいややなかったらやけど。いいの?(皿に乗ったカボチャを齧る。甘く焼けた一口は腔内に広がってゆくから、相乗効果で眸は煌めいた。)
巽志真 07/28 (Tue) 23:56 No.72
夏だもんな、ならしゃーねぇ。ん?まあ肉だよ肉。(浮かれ気分を季節のせいだと冤罪生み出し、鳴らした音に寄ってくる様子に上機嫌な笑みのせて。ご所望通りの品をそっと紙皿に置き、なんならごり押しのように多く焼いた肉もおまけにつける次第。)俺もぽいじゃん、て軽い気持ちだった。けどウクレレ買っちゃったし、もうちょい上手くなりてぇ気持ちが芽生えてきてんだよな……。お、いいじゃんそれ。隠し芸になるな。(薄くなってきた白煙ほどの軽さで同意を示し、「んじゃ俺音楽担当するわ」と今現在ありもしない隠し芸大会のための立候補。まあ今は夏なので、そしてここは南国なので。浮かれた会話が現実になろうがなるまいが楽しければそれでいい、そんな心地だった。)ウクレレ忍者……くのいち……夜闇に潜んでウクレレを……かき鳴らしたら忍んでねぇな?(ここまで大真面目な口調で応じたものの、耐えられなくなった唇から笑いをこれでもかとまぶした吐息が漏れる。)侍から姫とかじゃなくくのいちに行くんだな。(持ち上がる口の端を隠さず、喉を潤したのちに始まるのはこの夜を越えた先に待っているある日の話。)俺は全然。映えるようなもんよりこう、地元密着、みてぇなカフェの方に行きたくて調べてる最中だけど。そういう感じでもいいなら、そーだな。巽がいいならお前のどっか空いてる日貰うわ。いい?(互いに互いの気持ちに決定権を委ねるような物言いは似た者同士と言い換えても良かった。緩く首傾げ二文字で問う最終的回答。)
江坂匡 07/30 (Thu) 01:42 No.85
(豪勢なおまけに鳴る喉は止めるより先、いただきますの合図と共に割り箸で腔内へ。時間をかけて咀嚼、嚥下。のち、「おいしい、ありがとう」は網奉行の采配に手向けた謝辞として。)そしたら1-1クリスマス会でもやるときは、一緒に隠し芸エントリーしよっか。(未来のことは知らぬ存ぜぬではあるけれど、反対側の季節を空想すれば喜色が眦に滲んで頬は柔く緩んだ。何と言っても右に同じである。)なは。確かに。でも相手の五感を錯乱させられるかも。どこにおるんや?って。(ジャカジャン。弦に触れたことすらない楽器を腕に持つ所作で出鱈目な音を唇で奏でては、)だって自分でウクレレ姫とかゆったら、ちょっと。  ちょっとあれちゃう?(自身を司る職としては不釣り合いと憶えたそれを曖昧に誤魔化して頬を人差し指のフリーエッジでひとかき。)わ。そういうとこ、わたしも気になる。コナコーヒーみたいなやつ、サマリンもあるんかな。わたしもお散歩しながら調べてみよっと。(現今未知の領域であるから近い向後への期待値はフルゲージ。二文字への答えは、端的な同じ二文字以上にない。もちろん。)いい♪(首肯と共に髪が風に靡く。鼻先擽る白煙も潮の気配も心地好く馴染んで、トングを網上に伸ばして問うた。「もう少し食べる?おなかいっぱい?」──何と言っても、夏なので、そしてここは南国なので。いつもより少し豊かな表情も、いつも通り饒舌なのも、まるごと季節に罪状押しつけた。)
巽志真〆 07/30 (Thu) 23:19 No.95
(やや弱まった熱が残る具材をじわりと焼いてゆく場より視線を緩やかに移す。)言ったらマジでそういう会が開催されそうだよな、このクラス。んじゃお互い踊りと楽器の練習だな。(そんなかろい声色はこの夏飛び越えた先にて待つのか否か、その答え合わせさえも遅れてきた南国からの土産となるのかもしれなかった。だって、未来は誰にも分からない。)あー、こう音を反射させてくみてぇな?んで相手が混乱してる間にズバッと。……いやウクレレだったら違うな、ばこんと?(ほどけていくように大真面目な空想が現実へと引き戻され、しまらぬ効果音を発した唇がよくわからんと言わんばかりに半開き。)はは、そんなもんか。……まあ俺も自分のこと王子とか言えねぇな、って今気付いた。(その称号が相応しい男は自身ではないだろう。同じ側に立つようにして風に笑い声を散らせば、何となく話題の終着点だったかと悟るのだ。)そうそう、そういうの。雰囲気込みで楽しみてぇっつうか。マリリンさんとかにその内聞いてみるつもりではいる。(語る未来予想図は己のためだけのものから、共に楽しむためのものへと姿を柔く変える。「良さげなとこあったら教えてくれ」と乞うた唇は、さっき放った二文字とおんなじものが肯定の響きを連れ戻ってきたなら薄く持ち上がった。次いで、)了解。……食う。残ったやつ俺らで食い尽くすか。(二人分、よっつの瞳が視線を交わらせた後、薄く棚引く白煙の向こうへ落とされる。夏を謳歌する第nラウンドのゴングが鳴ったのは、きっと今。)
江坂匡〆 07/31 (Fri) 22:17 No.106
name
color
pass
0文字