(焼くものは計画的に。)

(オープンテラスでじゅうじゅうと響く香ばしい音を忙しなく見つめるのは、大きめシルエットのプリントTシャツにデニムのショートパンツ、赤いウエッジソールサンダル姿の少女。)うーん…これはちょっと、欲張り過ぎたわ…。(牛肉、鶏肉、ウインナー、ハム。さらに、サーモン、エビ、ホタテ、とうもろこし、じゃがいも――等々。美味しそうと思ったものを片っ端から焼いていったが、途中から手に負えなくなるのはあまりにも分かりきった未来であった。そして、運よく焼けたところで一人で食べきれる量とも思えず、完全に自業自得ながら頭を抱えた。極上の食材を焦がす最悪の結末は回避せねばと思った少女は、近くを通りがかった同級生を藁にも縋る思いで呼び止めようとする。)ちょっと、ごめん!…これ焼くの、手伝ってくれない?もちろん、焼いたのは好きなだけ食べていいから!(というより食べてもらわなければ手に負えないとばかり、割と必死さの滲む音色で請うた。)
御子柴ともり 07/24 (Fri) 18:22 No.15
(グレーのTシャツ胸元にワンポイント走るサーファー柄が唯一夏っぽさを醸し出し。テーブル上陳列された食材を物色するように視線移ろわせていた折、ものが焼けていく音より一際大きい音量にて背中に届いた声があった。反射的に振り返れば、揺らがない自らの視界に反して、感情が語気に露わな級友の様相がそこに。育ち盛りの男子に食が絡むなら躊躇い無い首肯を落とし、)おー、焼いたのは普通に食う。(さも当然のごとく己が欲を通し呼び止めに応じる。彼女が手にするか既に焼き始めているか、バリエーション豊富な諸々に改めて注視するが一点で静止。些か眉をひそめ、)しいたけはいらねーから御子柴さん食ってくんね。あと焼きおにぎり持ってきたけどいる?もうちょい焦げ目つける。(辺りに漂い始めた香ばしさが脳内を占める単純は、そもそも何故声かけられたのか深く考えないまま追加を口にする。手にする皿上には控えめな焼き目の握り飯数個。おかずは揃う並びだから炭水化物が必要不可欠だ。)
上埜新太 07/24 (Fri) 20:41 No.16
あらっ、本当?助かるわー、ありがとう!美味しそうなの片っ端から焼いたら、手に負えなそうだってさっき気づいたのよ…。あ、ほらそっち!なかなか手が回らなくて…お願いね!(反省の色は見せながらも、肯定を有難く受け取り、早速とばかりに反対側で音を立てるエリアを指さす。上機嫌に次々と焼けていく肉や魚や野菜をひょいひょいと皿の上に乗せていく。焼けてもすぐ新たに別のものが焼けるので、手を休める暇がない。)しいたけ嫌い?分かったわ、逆に好きなものは?あったら優先的に渡すけど。…えっ、いる!いるわ!食べたい…!(思わず野太い声を出して食いついたのは、それまで考えもしなかった選択肢と香ばしいおにぎりが浮かんで、一気に食欲が高まったから。二つ返事でそれを数個ほど頂戴し、網目の上で程よく焦げ目を付けようと。)どれぐらいがいい具合の焦げ目なのかしら…お勧めの焼き加減なんてあったりする?(と、焼きおにぎりの提案の主に問いつつ、今は他そっちのけで握り飯から目が離せない。)
御子柴ともり 07/26 (Sun) 01:56 No.30
すげー、自動鉄板焼機か。(手際よく食材に火を通すばかりでなく、出来上がり次第取り分けていく様子を見て感じたままの一言。彼女の指示に従い場所を移動しながら、感嘆乗せる口吻は上ずった。)あいつは無理。肉、肉食いてー。……さっき、手が回らないって食いきれねーのかと思ってた。(苦い顔貌を隠さず菌糸類の例のヤツを否定し食い気味に希望を重ねる。自らが持参した焼きおにぎりに嬉々とした是が返ってくれば、口を半開きにしつつようやく考え至った心証について一拍後言及。しかし今になって撤回されたとしても乗りかかった船だろう。)ミディアム?まあとりあえず食えよ。(いざ焼き加減と問われるも既に加熱は済んでいるため、的確なアドバイスが思いつかず提案しておきながら首傾げ語尾には彼女と同じく疑問符を添えて。そうしている内に、すぐ焼きに入っていたなら白い煙が立ち始める。呼吸のように芳しい匂いを鼻から吸い込み取り上げた1つを彼女の皿に置き、)んで、醤油かける。(ちょうど置いてあった調味料を持ち、先程期待に答えられなかった分、醤油を少々焦げ目にかけて出来上がりをお先にどうぞ。)
上埜新太 07/27 (Mon) 00:13 No.40
自動鉄板焼機!いいわね、それ…!日本に持ち帰って、ビジネスチャンスに繋げられるかも…?(彼から受けた刺激により需要を度外視した思い付きに目を輝かせ、千手観音を憑依させるぐらいの心地ですぱすぱと手を動かす。)あいつって。普通に好きだから有難く貰うけどね。まあ、私も塩キャラメルとチョコポテチとは仲良くできる気があまりしないけど。あぁ、それもあるけどそれ以前に、物理的に手が足りなかったのよ。上埜のおかげで使える手が4本になって心強いわ。(自身の無計画と無謀さはしれっと流して、新たに参戦する腹に溜まりそうな食材に既に涎が垂れそうな勢い。)ミディアム好きよ、よかった。じゃあ…いただきます。(と皿に置かれた焼き加減ミディアムのおにぎりにかぶりつこうとしたが、その前に醤油をかけてもらえば今度こそ完璧な状態でいただきます。)んむっ…!…はふ、っふへ…これ、最高すぎない!?特に、この醤油!焦げ目と合わさって最高のハーモニーを奏でるこの感じ…これこそ悪魔のおにぎりの称号に相応しいんじゃ…?(むしゃむしゃと効果音が付きそうな勢いでかぶりつき、瞬く間に空っぽの皿の出来上がり。)はぁ、美味しくて夢中で食べちゃった…。焼きおにぎり、盲点だったわ。(思わぬ刺客の美味に衝撃を受けながら、ぽつり。)上埜も早く食べてみて、美味しいから。
御子柴ともり 07/28 (Tue) 02:13 No.58
(存在が危うい造語に好感触呈す彼女の所作は、意気込み通り更にスピードアップ。最早感心湛えた眼差しでその様子を眺める名付け親だった。)へえ、どっちも女子が好きそうなのに。特に好きなのあるわけ。……食い専門だけどよろしくな。(最近クラスメイト揃って同じ食卓を囲っているとは言え、レパートリーの素晴らしさに話題が掻っ攫われるのが常だからか、それぞれの好き嫌いの深堀りはできていない。彼女の苦手を知るも朝食に並びそうでない組み合わせに、参考にする位の温度で音を落とす。数は増えたが役に偏りが激しいアピールを早い内に。そうして食い専門ながらファインプレーを決められたのは、前のめりな食べっぷりを見れば明らかで、瞬きを数度重ねる間に、眼前現れた綺麗な皿。)そんな食いっぷりと食レポならおにぎりも天使になって喜ぶ。(余りにも簡単に彼女が平らげるなら続く手付きは素早い。「おう」と返すやトングを手にしウェルダン一歩手前のそれを取って、)――、あつッ!  いや、熱くね?よく食えたな。御子柴さん手の皮厚い?(無論食べるためには素手で掴む、前例を見て安心し口をつける。端的に言うと熱に負けた。自然握り飯は落ちるも皿で受け止められセーフ。疑惑の視線と可能性を級友に向けて。)
上埜新太 07/29 (Wed) 22:28 No.78
(人の目があるからか、今日は特に調子が良い気がして――調子に乗って手を動かしていたら、そのうち痛い目に遭いそうな予感。)だって…しょっぱいのと甘いのが一緒になってるのよ!?口の中がパニックになるわ…。特に好きなの…あんまり考えた事ないけど、今食べたくなったのはベリーソースのフレンチトースト。……えぇっ?ひっくり返すだけでも!私の分のお肉も沸けるから!(その時々で好物がコロコロ変わる可能性も高いが、一先ず今の大好物を嬉々として答えて。彼の宣言は潔くて好ましいが、どうにか手を動かしてもらおうと肉を餌に交渉を試みて。けれど早々に焼く仕事そっちのけで夢中になった刺客、焼きおにぎり。)物凄く褒められた…?そうね、これは悪魔より天使のおにぎりと名付ける方が相応しいわね。上埜考案、天使の焼きおにぎり。…売れる予感しかしない。(無駄に大真面目な顔でおにぎりを見つめ、それを口に運ぶ彼の反応を期待の眼差しで見つめていたが。)あらっ、大丈夫?えーっと…ほら、とりあえず冷えたペットボトルでも触っとく?……そんなに熱くは……ううん、嘘言ったわごめん…今になってちょっとヒリヒリしてるし、よく見たら赤くなってる…たぶん、食べるのに夢中すぎて忘れてたんだわ…。(本当に手の皮が厚ければよかったのにと後悔しても後の祭り。彼に冷え冷えのペットボトル差し出した後、自身も別のそれを手にして暫し掌を冷やそう。本日の教訓ひとつ、熱々の焼きおにぎりは適度に冷ましてから食べるべし。)
御子柴ともり〆 07/31 (Fri) 19:08 No.101
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