目隠し三秒で立ち直ったるわ。(某著名人とは駆け離れた強気が風に乗る。彼の手の甲の下に隠された笑みだって見逃さない不躾さがあるから、論争には待ったなし。)エビフライ?塩。(しょっぱいの権化を端的な二文字で舌先に乗せれば、「タルタルならマヨで良い派かも」は否定の意は込めず周囲に溢れる調味料を探すための時間稼ぎに過ぎない。人差し指が徐ろにタルタルソース取り分けられた皿を示す。あそこ。)え、どうやろ。裁縫とかはそんなに。あっ ……、いやでも食べると一緒やから……。(稚拙な鼓舞と自覚済み故に、「潔癖ちゃう?」の確認は剥きますよの合図の心算だが果たして。)クワガタ?むりむり。アイツ、茶色いもん。カブトムシも右に同じ。茶色い。むりむり。戦わすんとか理解不能。(妄想は発展の末に、小学生男子が興じるそれを瞼裡に描いてNOの首振りは重々しい。さりとて、懇願を撥ね除ける理由など地球の裏側まで探しに行ったとて見つかりそうもないから、)任せて。フォーク、スプーン。準備はオッケー?…でもさあ、大人になったらピーターパンに帰りたくなる気がせん?You can flyが通じる間にいっぱい飛んでこ。付き合うで。(右と左にカトラリー携えたなら、銀色が宵の道しるべとなった月に反射した。ピーターパンみたいには飛べなくたって、きっと今日の星空はいまのじぶんたちだからこそ目映い気がしてる。)