(ビーチボールは見た)

(一人ぼっち女子の足元目掛けてビーチボールを転がした。作為たっぷりのそれは見事に目当ての足先で止まり、ボールを持ち上げた事を確認してから「それ俺の〜!」唾付けるみたいに声上げて駆け寄る。彼女が振り返れば、涼しい色したブルーの花柄フリルビキニが揺れるもんだから浮つきが収まらない。)ありが……あのさ一目惚れって信じる?あーウソウソ!冗談だってば、ね(ボールを押し付け、踵を返そうものなら先回りして行く手を阻む。)でも仲良くなりたいってのはマジ。ビーチバレーしようぜ、こっちこっち(言うなり構わず手首を掴めば軽く引っ張るように。)
----- 07/13 (Mon) 18:30 No.8
(うざったい太陽vsあわよくば曇天と出会いたいバテてる俺。燥ぐ体力馬鹿らを波打ち際に残して、ビーサンを突っかけた爪先が砂を掻いて気だるげな轍をひく。その緩慢な所作は、虚ろな双眸に疑問符を潜込ませる余地をこじ開けられたって変わらなかった。)待って、先約済だから。(米印、俺達1年1組が。安っぽいマジの宣誓に辟易した嘆息が喉を抜けて、彼女の腕を強引に捕まえようとする下卑た男の手を払う。)嘘つくし泥棒だし、散々な奴にこの子の時間はまあ貸せないよね。(言質を手玉に難癖を放れば、男連れかと勝手な勘違いをしてくれた。拗ねた表情を残してUターンを踏むナンパ野郎の背中はすごすごと丸い。)行きたかった?ビーチバレー。(サングラスの黒縁が顔を覗き込もうと俯いた拍子に鼻梁からころぶ。一部露となるひとみが視線を彼女へと注いでいた。)
葉邑柊 07/14 (Tue) 11:52 No.19
(こんなことは、夏の砂浜だから珍しくもない。しかし当事者になってみると上手な切り抜けを教わっちゃいないから足掻き、まごつく。いよいよ恐怖の波が押し寄せる寸前、鼓膜を打った音が理解よりも真っ先に本能で安堵を感じさせた。並ぶ言葉の数々に頷き、去る背中に向けてはべえと舌を出してさようなら。事件と語るには短い出来事の終わりに頬を緩めたって見上げるやわらかい目の語りかけにまた強張った。虫歯を痛がるような苦い顔。)行きたくなかった。やなこと聞かないでよ。だからありがとーね、葉邑さまさまだよ。(表情と声と動作と全身から問いへの拒否を表せば、彼の登場がどんなに助かったか伝わるだろうか。)葉邑はなにしてたの?そのサングラスはどこで買ったの?うちも欲しい。水着で買いに行けるところ?それとも家から持って来た?今日も暑いね、日陰で休む?(時間を上塗りしたくてレスポンスの配慮が欠けてもお構いなし。)
秋山紘 07/14 (Tue) 20:47 No.22
凄い嫌だったんだ、その顔。おまえ、あっかんべなんかするんだね。(サングラスを鼻先に押当てれば、震えた睫毛だって黒塗りのレンズに覆われた。舌を出してヘイトを匂わす古典的な追討ちが、咄嗟じゃ分かりにくい彼女の思惟を知る切っ掛けになる。)知らなかっただけで、秋山は結構感情表現豊かだったんだ。(語尾を跳躍させるとか明け透けに項垂れるとか、そういうオーバーなリアクションを滲ます風情を見たことがないから新鮮だった。)俺はビーチフラッグが始まりそうな気配がしたから逃げてきた。サングラスは持ってきた普段使いのやつ。紫外線は俺の目に毒。海岸沿いのショップに売ってそうだよね、行く?木陰より楽しそうな日陰だよ。(よくもまあつらつらと話題に事欠かないもんだと関心していた癖、気付けば彼女のペースで会話を投げていた。)そういえば。(それは砂浜を躙って歩き出した頃合い。)一昨日くらいに誕生日だったよね、おめでと。奮発した?
葉邑柊 07/16 (Thu) 21:10 No.53
(するよの返事を乗せた舌を今度は彼に見せた。すぐ引っ込めた後、見つけてくれた面にオーバーではないもの確かに喜の感情を口元に浮かべる。)うん、けっこうね。葉邑はテストの順位が良くて運動は苦手かなって思ってるけど合ってる?あ、あと帰宅部でしょ。三つは葉邑のこと知ってるつもり。(一学期を振り返り答え合わせを求めるも、立てた三本指の背筋はしゃんとしていた。全部を拾い上げて回答してくれるから絶え間なくうんうん頷き、目にとっての毒を浴びることを選択したお誘いには「すぐ行く」と感謝がのめって。砂を踏めば不思議と視線が落ちたけれど、新しい話題の投げ掛けに黒のレンズを見てから数度瞬くまでは一瞬。嬉しい不意打ちの模範はこれ。)ありがとう。ううん、まだだけど欲しいものはいっぱいあるから真ん中辺りで一気に買う。葉邑こそおめでとう、10日の誕生日。奮発する?手伝うよ。あ、もうしちゃった?(冗談の軽さで申し出ては意外性を伺う。そうして前方に現れた建物に「ショップってあそこだよね?」と確認。)
秋山紘 07/17 (Fri) 22:16 No.60
(何で俺に返ってくるんだろうって疑問が腹の底を擽ってむず痒くさせてくる。)俺にベロ向ける要素どこに見出したの。そうだ、舌の色で健康測ってやろうか。(いや可笑しいじゃんと指摘を刺すその心は戯れに興じて、口角は秋山と揃いの角度。)嫌だな、まさか俺が20mシャトルラン逃げ回ってたの見てた?それとも体育祭で気配消してるから?秋山はテストの時期になると憂鬱そうに見えてた。(葉邑柊における三本柱に首肯を示す。たった3つぽっちではなく然れど3つもよく知ってるなと感心は深い。)家庭科部って何してるの。ずっと不思議だった。(上辺以外の彼女をどれ程ぽっちも知らない現実を抜け出したがる疑問符が問いを増やす。先んじて歩き出した手前、振返るように彼女を見た。)まだ。俺は計画的じゃなくて衝動的だから、奮発したい衝動がきたら買い漁るはず。何色好き?黒もいいけどグラスに色入ってるのも華やか。(手招きする先は彼女に確認仰がれたショップ内。種類豊富なグラスを眺めて、内1つを手に取る。)これは浮かれポンチ。(戯れの1手は近未来的なサイクロプス サングラス。)
葉邑柊 07/19 (Sun) 10:47 No.76
え、やだはずかしい。うちは目の色で元気かどうか分かるよ。うん、葉邑は絶好調だ。(蘇生の恥じらいが転じてレンズに隠された彼のひとみを探す。診察完了までが戯れのワンセットだ。)どっちも。だけど逃げてた方が印象深い。いい隠れ場所はあった?憂うつだね、テストきらいだもん。葉邑もうちも人間観察わりとイケるね。(互いの抱いた可能性に本人の肯定がもらえるなら笑って結論を導いた。それから続く興味を都合良く解釈するのは髪揺らす風速よりも速く。)入ってくれるの?!うん、あのねお菓子作ってることが多いかな。厳しくないから大丈夫、ぜんぜん大丈夫。おいで。(紹介もそこそこに決定的な勧誘を最後に付け足した。結果どうなろうと砂浜を軽やかに蹴って、入店した先の手招きは英語ばかりのこの地ではまたも大変助かると寄って行く。)どんな色も好きだけ(浮かれポンチを見た間。笑いの声は二人の内に留まる音。)おもしろいネーミングしないでよ。あ、これにする。(そう言って黄色いサークルレンズを手に取ってから先程の1手目を指差し)買ったらつける?(葉邑が。とは目で語ったつもり。)
秋山紘 07/19 (Sun) 19:03 No.79
グラス越しに分かんの?っはは、絶対ヤブじゃん。勘のいいヤブ。(彼女に藪医者のレッテルを貼っつけて、自分の口端には笑みを貼っつけて。後、じゃあ診てやり返そうと腰を屈めるも安いグラスレンズじゃどうしたって色彩が鈍った。)秋山の目は何色?グラス越しだとよく分からない。折角初めて隣合ってるのに勿体ないね。(正味これが出会いにも似た自分と彼女の相互認識は成績と運動成績が精々のレベル。案外やんちゃな事だとか花柄が似合う事だって今日ようやっと触れられた彼女らしさなんだ。黒グラスによって曇天世界に落とされる中、興味本位は疑問符を持出す。)隠れる相手間違えて全然逃げらんなかった。森地だったんだけど。(背の順的に隠れられない選択ミス。)勉強好きじゃないんだ、おまえ。なら最近ハマってることは何。俺は夜の散歩。(是はここに来てからの趣味。)部活見学する前に入部届け書かせないでよ。入らないけど。遊びに行くよ。お菓子って、秋山も作れるの?女子っぽい。(放課後の校内に漂う甘い香りの正体を後から知って表情が和らぐ。)水着の色に合うね。俺用にしようとしてる浮かれポンチはどこ行く時につけさせるつもり?(彼女が手に持つ黄色のグラスを横から攫って自分の物にしながら鏡を見る。代わりに、浮かれポンチメガネを彼女に装着しようとしながら。)
葉邑柊 07/21 (Tue) 15:10 No.98
(多少でも身長差が埋まるなら彼に目を見させたくてサングラスのブリッジに指先引っ掛けずらそうと。叶えばなんとなく格好つくし失敗しても成功の体とする。)茶色だよ、黒に近いかも。見える?見えた?見て。(勿体ないをきらって勝手ばかりの口が彼に無理強いを求めた。短時間だろうが知れた彼を思うとなんだかんだで見てくれるの判断はおごりだったか。)森地のスタンドだけどって顔してたら逃げれたかも(アドバイス顔したジョークはすんなり声に転がる。)うーん、ん~~。あ、小糸より早く起きて準備急かすの最近楽しくなってきてる!(嘘でもなければ語尾に強く力を込め。それから新しい質問に真意があると勝手に悟って汲み取って、頬を上げた。)いーよ、葉邑にお菓子作ったげる。甘いのは大丈夫?マドレーヌにしようかな。(余裕見せた選出がいけなかったのか。気付けばポンチり選んだサングラスだって彼にお似合いだ。)普段使い用にしてくれると嬉しい。それうちのだからね、葉邑はこっちだからね。買うよ(言うなりご試着のままレジに直行。これとあれと指差せば互いに付けたまま買えるのもサマリンが寛大であるから。おまけにタグ切ってねってハサミも渡してくれるなんて。)今日はありがとう、お礼と誕プレ兼ねてサングラスはうちからプレゼント。今日も夜の散歩する?うちも行く、着いてく。この夏終わるまでに100の葉邑を知るからまた教えてね。(隣り合う心地に名前を付けるならやっぱり浮かれポンチしかないと分かった。)
秋山紘〆 07/23 (Thu) 00:15 No.112
無理かも。まだ黒。………あ。(腰を屈めた矢先、彼女の指先が保たれたソーシャルディスタンスを瓦解させた。 一部明瞭になった視界が睫毛によって隠されたひとみの端くれから色彩を読取る。)見えた。見えるって。秋山は人の目見て話せるタイプだって人柄も込みで見えてる。(「見る」の秋山式三段活用が凪いだ水面に波を立てるように笑いをそそらせてくるから俯いた。)森地に超常能力を与えしエネルギー体だったんだ、俺。何の能力かな。攻撃無力化とかいいかも。(秋山は何がいい?と問うて言葉を遊ばせるひと時に走る列車は常時脱線傾向。家庭科部の印象だけでざっくり想像するに、匂いを追跡して体の養分を奪う系を宛がってやる気概。)あーあ急かされて慌ててる入江までセットで姿が浮かぶけど、可哀そうに。あんまり遊んでると今に仕返しが来るんじゃない。(鶴の恩返しの対義、入江の呪怨返しが発動するんじゃないかって是は口先に転がす戯れ。)平気。牛乳飲みながら食いたい。バターが染みてるしっとり系が好きだな。これは期待を込めた強請り。……まさか日本に帰ってから?(かろく告げられた是を額面通りに受取るポジティブは軈て白い歯を零して破顔。)近未来デザインを普段使いにできる男なんかサマリンの浜に俺しか居ないってよく分かったね。スペースサイバーも腰抜かすじゃん。有難う。(欲しいのほの字も告げてないサイクロプスサングラスが彼女の手から授けられるから笑った。)夜の癖にグラス掛けたまま歩くような馬鹿になるつもりだけど。付き合う?二つ返事で来るべき。
葉邑柊〆 07/23 (Thu) 22:31 No.120
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