(太陽の片想い)

(燦々と降り注ぐ陽光を遮るようにパラソルの下で一人、膝を抱えて座る彼女を見つけた。その身に纏う胸元にレースアップのあしらわれた黒のワンピースは、裾丈こそ長く膝小僧を隠しているけれど、代わりに無防備な二の腕は白く眩しい。意図せず早足に距離を詰めれば、エメラルドグリーンに輝く海からその視線を奪うように、腰を屈めて顔を覗き込み)コンニチハ。暑いね〜、もしかして日本人?だよね?俺も!今日は旅行?(此方を見上げる瞳に映すのはあくまで人当たりの良さそうな笑みを意識して)てか今一人?もしかして彼氏にほっとかれちゃったの?可哀想に…顔も赤いし っあーそうだ。ここより涼しくて静かな場所知ってるよ、一緒に行こうよ。あっちにあるんだけど、(膝に添えている手首を片方掴めば引っ張るが、抗われるならもう少しだけ力を込めて)大丈夫だって、すぐ戻ってくれば。ね?ほら。
----- 07/13 (Mon) 14:50 No.6
(ご機嫌な星型サングラスを装着し、紺地に白・ピンク・水色と色彩華やかな花柄サーフパンツという風貌をもってすれば、浮き輪を抱えたダサさを差し引いたとてビーチを楽しむ気概に溢れていた事だろう。男らしい真っ黒な日焼けに憧れたものの、紫外線に敗北し真っ赤な肌で半分泣いた日から一週間。学びのしるし白いラッシュガードを羽織りさあ泳ぐぞと波打ち際を目指した矢先、見知った少女が見知らぬ男に手を引かれている光景に立ち会う。到底楽しそうには思えない。)ほっとくわけがないだろう。(そんな状況、気づけば男と少女の間にずいっと文字通り首を突っ込んでいた。歩み寄るすがら耳にした断片的な誘い文句を拾って砕くように繰り出せば、双眸覆う星型のレンズを前髪巻き込みつつ持ち上げる。垂れ目ながらに目力はある方だ。)言っておくがこのパラソルの門限は2分後だ!ウルトラマンよりも早くこの子を帰す事ができるか?できないならば彼女にお構いしないでくれ。  ああ、だがキミは涼しい場所を知っているんだったな。それは是非教えてほしい!今は一人?折角だ、一緒にパッションなドリンクでも飲もう!!(まるでナンパ男をナンパする図だった。馴れ馴れしく肩を組むも普通に解かれナンパ男は去ってゆく。「何故だ…」の声がこぼれた。)
橘鷹銀河 07/14 (Tue) 00:37 No.13
(インスタントに生まれた一見なんちゃって三角関係は、結論どうやらウルトラマンよりも早くどこかへ消えてしまったらしい。強制的に視界を遮ってきた見知らぬ彼よりも、頭の天辺から全身賑やかな格好をしたクラスメイトの方が余程視線を奪ってくるのだから、言葉を尽くさずとも勝者は明らかだ。)助かったわ橘鷹。…あんたはまた、派手な格好してるわね……そんなサングラスどこに売ってるの。(暑かったから脱いだ羽織に再び袖を通す。被る帽子の広いつばを指先でつまんでめくり、覗き込むように顔を見上げれば、後ろで一纏めにした黒髪の後毛が揺れた。眩しそうに顰めた眉と共に問うトーンはどこ、よりもそんな、に重きを置くように)ここ来てからずっと海で遊んでるの?それとも今日はたまたま?あ、(サマリン島に着いて一週間が経った本日、この偶然と言えそうな鉢合わせの理由を推察しつつ、返事を待つより先にもう一言。)まだここにいて。ほら、隣空いてるわよ。(座るレジャーシートの傍らに片手の平を跳ねさせ)
北村伊鶴 07/14 (Tue) 20:48 No.23
(即興三角関係のお開きまでに要したのはせいぜい1、2分。ウルトラマンだってまだ慌てるような時間じゃない一瞬の終着に、余裕を以ってサングラスを頭に乗せ直す。)ああ、やはり北村だったか。礼には及ばない!キミなら嫌だとしても大声あげたら喉が破れるだろうし抵抗したら腕が折れてしまうと思ったんだ。…困っていたよな?(肥大した北村の虚弱像は問答無用で気にかける対象となっていたが、これか最適だったのか学習する気持ちで確認の疑問符を付随させた。座る少女の窺うように見上げる視線を受け止めたら自然と目線がかち合う。)このサングラスはサマリン空港で買った!南国は問答無用でハッピーなんだな。今のキミもサングラスがよく似合いそうだが持ち合わせは? ……ん?(もう1つの問に返答しようとした折。「どうした、心細いか!」の軽忽な言いがかりと共に、遠慮なくどっかり北村に並ぶよう腰を下ろす。)それから、海は毎日…来たいのは山々だったんだが、南国の紫外線は激ツヨだな!おかげで全身真っ赤のヒリヒリになったんだ、今日が復帰戦だった。 北村、その赤いのは日焼けか?それとも暑い?(日陰でもわかるその赤み、自分の頬あたりをトンと指で示せば顔の話をしているのは伝わるだろうか。)
橘鷹銀河 07/15 (Wed) 20:52 No.38
舐められたものね…他人のこと散々喰種扱いしておいて?(過日のやり取りを引き合いに出せば、根に持つ陰気さはどうにも隠せない。困っていたか、事実を確認するように向けられた疑問符には、やや伏せた視線でうんと小さく淡白な二文字を発するのみ。土産屋に富んでいる空港ならばそのご機嫌サングラスも見つかるのだろうと頷く顔は少し苦笑い。それも、鮮やかに図星を突かれたところでつばの下で眉を顰め手持ちのサングラスを掛ければ)………(思い出したみたいに掴まれていた手首をもう片方の手でさすってから、その手をラッシュガード越しに傍らに座る彼の腰辺りへ擦り付け)はい、あげる。ナンパ菌。フフ。(もし嫌がられ避けられるなら口許に笑みが宿るだろうが、実際の反応や如何に。)激ツヨ……、?あー、どっちもかも。暑いし焼けたかしら、いやね…(先程の知らぬ彼の言葉と確かに熱を持ち火照る顔は自覚有。指摘を受ければ、慣れた手付きで傍らのトートバッグから冷感タオルを取り出し、持参の水ボトルでびちょびちょ濡らして絞って、準備万端。彼へ手渡し)はい、振り回して。全力で!(さすれば冷えん。)
北村伊鶴 07/16 (Thu) 20:37 No.52
おっと覚えていたか…。まあ喰種にも個体差があるようだしな。それに餌が寄ってくるのを待つためにひ弱なフリをしているということは?キミの赫子は羽赫か?(言葉裏の湿気など気にも留めず、むしろ広げてみせる心意気は図太さか底抜けに気が使えないだけか。しかしながら波音に取り紛れてしまいそうな返答には「そうか、また何かあったら最悪呼べ。僕は耳が良いから。」と珍しく元気づけるような意図も見せる。図星をついた手応えを見過ごしつつ、お忍び中の女優みたいだなんだと呑気に北村のサングラスに気を取られている最中。おおよそ腰あたりに触感。)…なにーっ!?僕が感染してナンパゾンビになったらどうする!返菌させてもらう! えんがちょ!!だ!(小学生じみた言い種と所作に、きっとみんな通ってきただろうなすり付け合い。二の腕あたりに拭ったものを擦り付けて、えんがちょ切るための手刀の準備を怠らない。)む!これはなんの遊びだ!?よく分からんが振り回せばいいんだな!?(湿ったタオルを受け取れば手の平にじんわり冷感。こころなしか湘南乃風が聞こえてきた。睡蓮花のリズムでタオルを振り回すがしかし持久力D、早めに疲労が訪れる。)いかん!疲れてきた!なにかテンションが上がりそうな事を言ってくれ!!(無茶を振るのに躊躇はない。)
橘鷹銀河 07/17 (Fri) 23:00 No.61
うるさいわよ、喰べられたいの?(掘り返したのは自分のくせ、いざ深掘りされれば普段よりワントーン低めの声で一蹴したがる我儘。彼にしては少しだけ貴重かも知れない、頼り甲斐のありそうな言葉には口角を上げて一瞥のみ。早々に返菌され、えんがちょで切られれば付いてきた即席名称に思わず噴き出し)っぶ、は、ナンパゾンビ…!?なにそれ、なったらどうなるの?ちょっとやってみせてよ。(無茶を振るのに躊躇がないのはお互い様。「さ、ほら、振り回してナンパゾンビ。」どうやらリズムに乗って楽しみながら振り回してくれているように見受けられる最中、現実問題手渡したタオルだけは濡れたまんまでイッちゃわれても困るので一生懸命努めてもらうとして──事実ほんの十数秒で済むものだが)え?そうねぇ……(面白そうな事に内心の悪魔が舌を出し笑うなら、もう十分だという言葉は狡く背中に隠して)じゃあ、今度デートしてあげるわ、この私が。あんたの好きな所何処にでも付き合ってあげる。ホホホ。ほ〜らテンション上がってきた。楽しみねぇ〜どこ行こうかしらねぇ〜(寧ろ落ちるようなら「上がれ」と食い気味理不尽にキレる自己愛の塊。満足したところで手の平を差し出せば、十分に冷え切ったであろうタオルを受け取ろうか。)
北村伊鶴 07/19 (Sun) 08:56 No.75
(いずれ捜査官になる敵対の運命を決意しつつも一瞥貰えば任せろとばかりだが、おそらく呼ばれても気付かず遊び呆けて後々大ブーイングをくらうのがオチである。卒然と噴出する北村にどうしたと疑問符が浮かんだが、やってみせろの無茶振りには「ええ」と若干困ったような。)それは…  あ゛~~…僕らと一緒に遊ぼうぜ~ビーチの砂浜掘って埋めあいっこしよ~…、ってそれ土葬だから~~ あ゛~~っ(獲物を捉えようと彷徨う両腕を表現し前方にだらりと突き出したが、ゾンビを恐れている男はどうにも付け焼き刃。ゾンビ知識なんて鬼ギャルゾンビしかない。しにたにえんである。加え一生懸命タオルをぶん回すこの時間がサービス残業のように虚しい労働であることを、橘鷹は一生知らなくても良い。テンションが上がる言葉(橘鷹の予想は星アポロ)を待ちわびた末、)……デートか…………。(途端スンッ…と冷感タオルと同じ温度までリアクションを下げた。寧ろ落ちてしまった故に上がれの横暴賜れば、「なんて女だ…」の引き潮。ビーチがさざめいた。)…だがしかし、僕は行きたい所が沢山ある!付き合ってくれるのなら喜ばしいな、一人より二人が楽しいに決まっているし。北村、キミは行きたい場所があるか?(なんだかんだ最終的にウキウキとなったテンション。差し出された手にタオルを乗せて問う。)
橘鷹銀河 07/20 (Mon) 21:38 No.91
ぶ、 っはは!あはっ、ははは!ゾ、ゾンビジョーク…っ!すごい、っくく…、確かに“ナンパゾンビ”だわ…!(即興であるはずにも関わらずどちらの要素も兼ね備え、更にジョークまで交えるユーモラスなテクニックを見せつけられたなら白旗を振る他ない。サングラスを外せば、いよいよ笑いすぎて滲む涙を指の背で拭いながら降参を示すようにもういいストップ許してと未だ笑い引き摺る声で制そうと。浅くはないツボも、だからこそ一度ハマると暫く引き摺ってしまうタイプ。その後も暫く気を抜けば緩んでしまう口許を隠すように片手を添えて、親指の腹で頬を抑えつつ。彼のお陰で冷え切ったタオルを受け取れば)どうもありがとう橘鷹…お疲れさ、(「ま!」と同時にそのタオルを彼の頬へ押し当てる悪戯は成功するか否か。何れにせよ漸く自身の火照った頬に触れさせ熱を冷ましながら)………あんたって、本当にいい奴ね…(いつかの昼食時にも呟いた気のする言葉を改めて。投げ掛けられた疑問符に思考数秒。口を開けば、)あるわ。ちょっと遠いし、どうせなら一人より二人で行きたいと思ってたのよ。途中にあんたの行きたい場所にもどんどん寄り道していくコースでどう?(彼の言葉を敢えて借りた言い回しで理由も添えれば、さて返答や如何に?)
北村伊鶴 07/22 (Wed) 20:20 No.106
そんなに笑うか……そんなに笑うか!?(ゾンビから人間へ蘇生するすがらで二回も言った。入学以来、少なくとも橘鷹は初めて目にする彼女の相好の崩れっぷりに物珍しそうな視線は隠せないが、そのうち北村につられて笑い声をあげる。後で鬼ギャルゾンビの動画を見せてやることにしよう。)ああ、お安い御用だよ!また何かあったら言ってく うわあ!?(人に頼み事をされるのが好きな男は優り顔で安請け合いが捗り、完全に油断していたとも言えよう。体ごと飛び跳ね裏返ったような声が出た。北村からの悪戯心を無防備で受けた頬を襲うのは痛覚ではなく恩恵とも言える冷感。頬を押さえながら「なんだ!?どういうことだ!?」と予想外に冷たかったタオルに混乱が起きた。)……?何故今言う? しかもどこかで聞いたような台詞だな…何か思い出せそうだ…、(利用された(?)とは露知らず、無論心当たりがないために効果音ならキョトンが正しい顔で彼女を見る。記憶の回路でつっかえている情報を引っぱろうと思案顔で眉間に指を置くのも束の間。)……おお、素晴らしいな!じつに“計画的”だ!“効率的”か?どちらにしても良い案だ、僕はそれに乗った!(なれない言葉を拙く用いながらも顔貌は非常に明るく希望の満面。)楽しみだな。くれぐれも体調は万全に整えておくんだぞ。あたたかくして首にネギを巻き21時には寝るように!
橘鷹銀河 07/22 (Wed) 23:12 No.110
(虚弱な気管はそう経験のない満点大笑いに耐え切れず、やがて噎せて咳込み。されど血色の良い頬は持ち上がったまま、意味もなく彼の背中を威力ゼロで叩きながら尚も笑った。頬への奇襲に花丸のリアクションが得られたなら満足。冷感タオルの仕組みを示す正確な説明はサボって一言「すごいでしょう?」と、恰も魔法でも使ったかのような言い草で。もし使ったとすれば、それは振り回してくれた彼自身だろうけれど。)今思ったからよ。……ほら、橘鷹の分もあるわよ。はい振り回して。あんたも冷やしときなさい、ほらほら。(記憶を呼び起こそうとする思考を邪魔するように、鞄からもう一枚新たに取り出し濡らして絞った冷感もとい魔法のタオルを差し出しつつ、馴染んでいない響きに呆れながら鼻を鳴らせば)私、誰かと遊ぶのに効率性は求めない主義なの。あんたとなんて特にとっ散らかってナンボでしょう。一日中付き合わせるからそのつもりで。予定は後でLINEで決めるわよ、残さないと忘れそうだから。(風邪予防だかお馴染みズレた発言にも最近漸く慣れてきたところ。「ハイそれは風邪引いた時にやるやつね」流れ作業のツッコミは変わらず淡々と。手渡したタオルがまた温くなってきたところでそろそろ解放してやろうかと思うのはあくまで内心に留め、その時を決して此方から切り出してはやらない意地の悪さはフラれた陽射しに溶かして隠した。)
北村伊鶴〆 07/23 (Thu) 21:53 No.119
(咳き込み方が具合の悪い人のそれなので普通に焦って「おいおい大丈夫か!?」と心配が転がりでたものの、顔色の良さと笑い声という現状に等号結ぶなら“大丈夫そう”。子供を寝かしつけるぐらいの威力を背に感じながら元気そうで何よりだと腕を組んで一緒に笑う。頬に名残る冷感の仕組みをいまだ理解できない男、意味深な返答を頂戴すれば横着と露知らず「おお…!」と双眸輝かせた。北村は橘鷹の中でタオルに魔法をかけれるとんなとなった。)そんな言われるほどの事をした覚えもないが…、 ん?おお!僕の分まであるのか?感謝するよ北村!!(ああもう少しで思い出せるという絶妙なタイミングでも妨害。北村の知略勝ちで、すっかり魔法のタオルに意識を持っていかれると同じように振り回し湘南乃風が吹きすさぶ。タオルがすっかりひんやりした頃合い。)…なんだ、そうなのか!意外だな!てっきり分刻みのネチッこいスケジュールでも立てる子なんだと思っていたよ!いやあその時の気分で動くのが一番楽しいからな、きっと一日なんてあっという間だろう。散らかしまくるぞ!僕は部屋も散らかすんだ!(無礼をぶつけ、浮足立つのを隠さず、理解しているんだかしてないんだかの口ぶりでいらん部屋事情を晒す。記憶力Eの男は彼女の案に大賛成して工場勤務者みたいな流れ作業でツッコミされては口をつくのが北村は物知りだなの感心。タオルがぬるまったら魔法が切れてきたなんてぬかし、彼女に降り注ぐ熱視線はパラソルで遮ったまま、そんなどうでもいいことを太陽が落ち込むまで。)
橘鷹銀河〆 07/24 (Fri) 01:05 No.123
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