(それはきっとちいさな悩み。)

……どうしようかな。(母からのおねだりLINEが届いたのは、底抜けの明るさと暫しの別れと相成った直後。ポケモンストアの店先で特大サイズのピカチュウとご対面果たしつつ、癖のない亜麻色の地毛をくしゃり掴んで悩むさまはほんの少し訳あり風情に見えるかも。して、いつしか腰周りに集うちびっこたちに気が付けば、そっと1歩2歩、後退したところで直ぐ傍のクラスメイトの姿に気がついた。)……元気だよね、小さい子って。うっかり蹴飛ばしたらどうしようと思うと怖くてさ。(にがわらいつきの言い訳がましい一言で、小さい子に場所を譲った優しいお兄さんでないとは露見しよう。「買い物?」「それとも何か食べた?」、不慣れな空港での過ごし方ゆえ探りを入れつつ、ほんの一メートル先のディスプレイをチラッ。)おれは、限定のパイロットピカチュウ買ってくるように頼まれてさ。今か帰りか悩んでるところ。
奈尾秀実 07/04 (Sat) 02:34 No.69
(友人との楽しい紙面旅行に行ってきますと別れを告げて再び歩き出した。すれ違った小さな子が嬉しそうに抱くカフェ店員みたいなイーブイをちらりと見て、行き先は決まる。それからちょっと大きい子どもの背中をつい見守ってしまったものの、互いを認識したなら会話が叶う。)大丈夫だよ、子どもって多分きっと丈夫だし奈尾が思ってるよりずっと素早いから避けると思う。歌のお兄さんみたいだったよ。(子供の可能性に委ねた返答は、たとえ根底に不安が陰っていても気配りのある彼が蹴飛ばすことはないと信じた上の冗談。続く感想もちょいと小突くように。問い掛けに反応するよりも彼の目線を辿った先で出会ってしまったピカチュウ。)買お、いま。今買うの。だってすごい可愛い。帰りなんて待ってたらピカチュウ売り切れてるかもしれないし。そんなの泣いちゃう。(悩む彼の後押しよりも惚れたパイロット欲しさの欲まみれ。視線は横、足先はストア。)
秋山紘 07/04 (Sat) 07:07 No.71
予期しない方向に逃げられたらそれはそれでおれが右往左往しそうだな…。……ありがとう?残念ながら、あんな腹式呼吸でずっと歌って喋れるほどポテンシャル高くないんだけど。(ちびっこの俊敏性を思えば新たなる懸念が目の前に広がるものの、懸念も悩みも押し流してしまうような怒涛のアドバイス?に「えっ」と戸惑い半歩引いた。)そんなに好きだった?…ら限定品調べてるか。ひとめぼれしちゃった?いや可愛いけどさ、荷物預けちゃったしなって思ったんだけど……、(躊躇いの理由を挙げてはみるも、彼女の勢いに白旗を振るまでもなく再びピカチュウの群れに近付いた。)おれあっちのキーホルダーにしようかな。小さいし。秋山さんはぬいぐるみ買う?CAさんのもあるみたいだよ。(言い出しっぺではないが、彼女が買うのにここで買わない選択をわざわざ選ぶ事もない。顔上げれば特大ピカチュウとまた目があったから、)秋山さん。(一声呼んでは特大ピカチュウ指差し)ツーショット、撮っておく?(売り切れに泣いちゃうほど好きならば。特に制限がないらしいと確認した上でそんな問い掛け。)
奈尾秀実 07/05 (Sun) 21:28 No.109
うん惚れた。それは、そんなのモンスターボールに詰めたらコンパクトに収まるでしょ……だからおさまるから…(尽きない不安のらしさに小さく笑いがもれたけど戸惑う理由の最後はもっともだと気付く。踏み出させる解決策はなかったが声も持論もなんとか絞り出して、しかし射止められた相手をすぐ目の前にした時、購入以外の文字が浮かばない。彼の言うあっちを視線で追って)小さいのもいいね、いつでも一緒に歩けるからね。うちは絶対ぬいぐるみ。こいつにサマリン島の景色を見せてあげ やめて奈尾いわないで。(買ってしまうの理由を言葉足らずに拒否しお伴を選び始めたもの、名前に「はい」と返事をして顔を上げた。それからはトントン拍子。)撮ってく!撮る!奈尾、お願いしてもいい?(半ば押し付けるように彼に携帯を渡してはいピカチューの合図でピースサイン。)ありがとう、嬉しいしもう楽しい。奈尾も撮る?(良いよと首振る姿も想像出来てしまえば反応楽しみに頬が上がった。そんなカメラタイムの後には1600円をひょいと抱き上げ。)ぬいぐるみじゃなくて大丈夫?(顔の前に購入品を現し最後の確認。)
秋山紘 07/06 (Mon) 21:27 No.120
とか言って、たぶん秋山さんはピカチュウをぎゅっと押し込むことは出来ない。…気がする。(どう?とぬいぐるみを彼女の目の前に翳しながら)持ち運びはそうだけど、ぬいぐるみ置いて景色撮ってる写真見たことある?あれするならぬいぐるみの方が、んっ?…はは、ごめん。(制止の理由は想像に易く、それだけに謝罪もかるいもの。お節介の一端で持ち掛けた撮影を断るつもりはないから、うんと受け取ってシャッターを切るとしよう。)なら良かった。そんなに喜ぶと思わなかったから、今ちょっとびっくりしたけど。3回タップしたから一枚くらいは大丈夫だと思う。…お、れは、……うん、じゃあ。(いつもなら首振るタイミングでも、非日常に片足を突っ込んだ今“せっかくだから”に切り替えられる。同じ要領で彼女にシャッターを頼んでは体の横でピース。のち、面前のぬいぐるみに目を瞠ってから柔く頷く。)うん、おれはこっち。秋山さんがいい感じにピカチュウとバカンスしてるの見て、羨ましくなったら帰りに買おうかな。(冗談の割合高めの結論でキーホルダーを手にすれば、会計後再び話を戻した。)いいフォトスポットがあったら教えてよ。のっぴきならない事情で探してるんだ。(搭乗時間までもう少し。遅刻を懸念した足は自然と集合場所へ向くから、彼女もそうなら連れ立って。出発前のワンショットをもし彼女が求めるならば、タップくらいはいくらでも。)
奈尾秀実 07/07 (Tue) 23:26 No.141
ほら。ほらほらほら(うんと頷くのは悔しかった。商品であれば最低限の力でかわいい赤ほっぺを引っ張り押しつぶしたり。買った後の予定は考えていなかったもの、多少の荷物になろうとも行く先々に連れて行こうとぼんやり思うのは彼の言葉があったから。)びっくりさせたちゃった?ごめん、これからは喜ぶ前に喜ぶよって伝えるから。うん、任せて。腕が鳴るな。(予想と異なる未来に瞬くけれど、心境の一欠片くらいは汲み取れる気がするから野暮に言葉にしなかった。ずっと夢心地のような軽い足取りなのは他の誰でもない自分。喜んで一瞬のカメラマンを担った。)奈尾は絶対に羨ましくなるね、ぜーったい。だから帰りにピカチュウ買ってる姿も、あっちに居るときにまだ買えないの?って半べそかく姿も、うちにはもう見えてる。(同じ割合で冗談めくがそれとおんなじくらいに買わせたろと闘志を燃やした。集合場所への道のり、ストア袋を揺らしながら目線は彼を向く。)どんな事情?いいよ、さっきるいとね話してたの。(ついさっき友人との時間を自慢するみたく弾んだ声で覚えたての情報を共有しよう。それからギリギリ搭乗前、疑問符も窺いもなく彼に放った。)奈尾撮って!
秋山紘 07/08 (Wed) 17:37 No.155
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