(浮かれポンチな足が止まる先は通常仕様のまま、)

(初めて一人で来た空港。普段は家族総出で父の里帰りの為に利用する其処に両親が居ない事が大人への階を踏んだようで、ルンルン踊るスニーカーが人目憚らずキュッキュッと磨き上げられたフロアの床を鳴らす。念の為デニムのホットパンツを履いてはいるものの、一見オーバーサイズの白Tシャツをワンピのように着ているのみに見えるであろう格好で、蛍光灯を反射する生脚2本が某緑人魚チェーンカフェの前ではたと止まった。マスカラ武装した睫毛を上げてじいっと食い入るように見つめる先、)イチゴっ………飲みたい………っ!!(ごろっとかじゅわっとか。なんだかんだで今日まで飲むタイミングを逃していたフラペチーノの誘惑。見つめる先のドリンクと同じ赤いネイルが斜め掛けした黒いサコッシュの肩紐をぎゅっと握る。だがしかし、この先のお楽しみを思えば600円を出し惜しみしてしまう。ぐぬぬと睨み合う所為でちょっとした邪魔になってるとは気付かない。)
スペンサー心 07/01 (Wed) 03:22 No.4
(座ったままの暇つぶしは5分も持たなかった。初めての海外旅行となれば気分は上々だけどもスキップは踏まず、適当に向けた足先はひとりの人物の後ろ姿でぴたりと止まる。声を掛けるには少し遠い距離、校内でもなければ人違いの可能性もあるがひとまず観察するように様子を見届けようともまたも1分経たぬ内に距離を縮めて。そして言葉を投げるよりも始めに彼女の背中をちょんと軽く押したのは、カフェに入ろうとしていたお客が居たから。)心さんちょっと邪魔になってるかも。悩んでる?……へえどっちもいいな、悩むかこれは。(行動に至った理由を話すも咎めるつもりなんてないから隣に立てば季節限定フラぺをプッシュする看板を見つめた。)けど高くない?俺あんまこの店行くことないんだけど、これが普通?(端に表記された値段に僅かに皺が生まれた。彼女の天秤をどちらかに傾けるような助言の思考はなくて。)
森地康太 07/01 (Wed) 06:34 No.5
(元々注意力は散漫気味。加えて目の前の看板とポップに注目し過ぎていたが為に全く以て気付けなかった。体が揺らぐ程では無いにせよ背中に触れた感触に大袈裟なくらいビクゥッと肩を震わせ、レインボーカラーに染まったストレートの金髪を靡かせ振り返れば、)あ(間抜けな音と共にそそくさと邪魔にならないように移動。)やっばぜんっせん気づかなかった〜こーちゃんありがと〜! そーなの悩んでんの!どっちもいいじゃん?てかごろっととじゅわっとってズルいよね絶対飲みたくなるやつじゃんねっ(同じ位の所にある相手の瞳を碧眼が捉えて眉下げて笑った、かと思えば今度はぶぅと不満気にオレンジのティントリップで色付けた唇を尖らせる。高校生に一杯600円は痛い。)たっ (声高に叫ぼうとして店員さんの顔が視界に入れば、はたと内緒話するかの如く口許に手を当て)かいよ…期間限定だとこんくらいの値段ふつーだけど高い…どっちも飲みたいのになんならどっちも飲めな  くないね?!(音量調節機能がぶっ壊れた声帯がきゅっとつまみを回す。キラッキラに輝いた瞳で改めて彼を見つめ直し)こーちゃん、半分こしよーよ!(名案!とばかりに土足で踏み込んだ。)
スペンサー心 07/01 (Wed) 09:56 No.6
(きらめいた毛先の揺れ動きに思わず喉を鳴らした。はつらつとした様をうんうん頷きながら聞き届けるが、なにがごろっとでどうじゅわっとなのかは全く分かっていない。しかし口角は、先程つい笑ってしまった時から丸みを帯びていた。)じゃんな、はいはい、ごろっとじゅわっとね、うんうんごろじゅわごろじゅわ。てか忙しないな、心さん。(何遍舌に転がしてもごろじゅわの響きが馴染むだけ。それよりも目の前で繰り広げられた表情の色変わりに興味をひかれて小さな笑いが声と出た。純粋な疑問に返って来たそれ以上に透き通る無垢な瞳、キラキラ光線に当てられたけども。)し… しない しないよしないしない。……はんぶんこって、どうすんの。(どもった挙句の否定はもちろん彼女がどうこうではない。森地が異性を意識し過ぎたからであった。一つの物を二人で分ける、女と男で、飲み物を。簡単に頷けない程のやや難関であるもの振るう顔をぴたと止めたなら彼女に窺う。)する?(答えを聞くより先に付け足した二音はほぼイエス。)
森地康太 07/01 (Wed) 20:50 No.16
こーちゃんごろじゅわ気に入ったっしょ。ごろじゅわ言いたいだけじゃん!(キャハハ!と弾ける笑い声は教室だろうと空港だろうと変わらないが、浮き足立つ夏休みの出国エリアでは然程注目も集めない筈。目下は甘酸っぱい誘惑だが、ふるふると左右に首を振る級友に「え〜〜」と不満を衒い無く露わにした。ぶぅと膨れて尖る唇は、――3秒後ころっと笑みに変わる。きゅっと握った拳から肘までを小刻み揺らして)するっ するするする〜〜!こーちゃんサイッコーーー♪♪やっさし〜〜♡(喜びの小躍り。ルンルンとスニーカーが床を打ちながら、彼の肩を叩き)んでっごろっととじゅわっととどっちがいーい? あどっちでもいーい?そしたらじゅわっとしてみよっ(まるで彼の意見は聞かずに店内へレッツゴー。斯くして慣れた口振りでフラペチーノを頼めば程無くして真っ赤な誘惑がひんやりと誇らし気に登場、キラッキラに瞳が輝き遠慮無く彼の肩をぺしぺし叩いた。)やばっ!これはアガるっ!(カシャッカシャッ。携帯で凡ゆる角度から撮影後、)はいっココが決めさせてもらったから、こーちゃん最初の一口いいよ。飲んじゃえ♪(ずいと彼へストロー挿さったカップを差し出した。渋られれば此方も譲れぬとばかりに暫しの押し問答があるだろう。彼が一口堪能したら、今度は自分の番――そうやって繰り返し赤が無くなるまで苺を堪能する気満々だ。尤も彼が厭わなければ、だけれど。)
スペンサー心 07/01 (Wed) 21:59 No.21
気に入ってない。そんなことない。…そんな言ってた?(ごろじゅわと消え入る語尾にいつの間にか囚われてしまったか。意識すれば語感は良さげであるから首を傾げた。夏のよく似合う晴れた笑みに羞恥を切り捨て正解だと知る。「はいはい踊らない」ミニダンシングにはまた笑ってしまうけれど、中断促す言葉と同じく歩かせるよう背中を押しつつなんだか子守りみたいな感覚を覚えた。やって来たじゅわっと。これがじゅわっと。)600円なのも納得するわこれは。イタ、そんなテンション上がる?いっぱい撮んな、俺の分もおねがいね。(なにが凄いなんて全てが凄かった。500円玉じゃ足りないドリンクにしては高値も実物を前に頷くしかなく。それからの時間は彼女が写真を残す様子を見守りつつ、もしも森地の両手が助けになるならドリンク持ったマネキンくらいはなれる。)俺からでいいの?うん、ありがとう。じゃあ、えーと、いただきます。(なんとなく姿勢を正して恐る恐る2秒吸い上げた。弾けた味わいに驚きを隠せず目を丸くさせながらも喉を通り過ぎたなら口を離す。)んま。けど甘いな、俺はもういいから残りは心さん飲んじゃってよ。念願のじゅわっとでしょ、ウマいよ。(あおくさった心情はらしい理由をかざしてスンと隠す。ストロベリー色がなくなるまで彼女と二人の洒落た時間はすぐにやって来る夏の予定が埋め尽くそう。)
森地康太 07/02 (Thu) 07:22 No.35
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