(そわそわ、きょろきょろ、おろろろ。怪し気満点。)

(さてフラペチーノを堪能した胃袋を白Tシャツの上から摩りながら、裾に隠れたホットパンツから伸びる足を動かしてやって来るは、)〜〜〜〜〜緊張するっ……(心優しい級友に「行ってくるから!」と鼻息荒く告げた通り、免税品の中でも一等大きな割合を占める化粧品コーナーだった。平素はドラッグストアか或いは黄色に黒字ロゴだったり緑に白字ロゴだったりの大手雑貨量販店で買う事が常の化粧品達、今目の前に広がるのは正しく桁違いばかり。色気付きたいお年頃としてはスルー出来ず勇み足で訪った訳だが、なんせ敷居の向こうは大人の世界過ぎた。)ぅわっカワッ………いいけどゼロいっこ多いっしょ〜………(こちとら1000円のティントリップを買う事だって悩みに悩んだのに、今指が触れているのは4000円超のスーパー有名ブランドのリップ。黒に金のマークが映えるブランド名を冠する口紅は憧れの品だ。テスターを恐る恐る取ってはひょっと肩竦ませて戻す、此れを繰り返す事暫し。未だに足の半分は敷居の外に出た儘で周囲を窺うその素振りが怪し気満点である事に気付かぬは本人ばかり也。)
スペンサー心 07/01 (Wed) 23:36 No.24
(女性が多く足を運ぶ階なだけあって、十分な数のトイレに助かった女がいた。サービスコーナーでわかりやすく場所を教えてくれたお姉さんに感謝しながら、目的も無く歩みだす。集合時間まではまだ時は余りある。光沢が高級感を醸し出すフロアに、不釣り合いなスニーカーがぺたぺたとチープな足音を響かせる。今しがたお花を摘んできたため、スッキリした気分で大きく鼻から息を吸って、)におい、すごっ。(花やらフルーツやらその他諸々が入り混じった、むせるような香りが擽ったさを誘い、防衛本能でぎゅっと目をつむった。そろりと出どころであろうエリアに視線を送ったら、知る後ろ姿がそこに。)……──ここっ!!(三段跳びで駆け寄れば着地と同時、大人の世界に構わない声量で以て彼女の名前を呼んだ。)どろぼうはダメっしょ~~!!どゎっタカッ!(己の認識が得られるなら瞳細めた笑いを含みつつ、たしなめる風に人差し指を振るけれど。かがやくリップ様を前にして叫びと共にのけぞるだろう。)塗る?(慄いてみた割に好奇心が勝って、お試しの憧れをつかみ取り返答をうかがおうか。)
入江小糸 07/02 (Thu) 00:31 No.26
(大人発色も可愛いし、シアーな感じも可愛い。元々低い語彙力が最下層まで低下した脳内は可愛いで埋め尽くされていたから華麗なステップには気が付かず、弾ける声音で呼ばれて反射的に)なに?!(元気良くお返事して振り返った。丸めた碧眼が少しだけ下方に在る慣れ親しんだ級友のキラキラな瞳を捉えて安堵に緩む。)こいと〜〜♪どした へ?どろっ しないしないしないっシーーッ!!(戯れ合いの延長だと分かる言葉も、楚々とひんやりした視線を投げる店員のお姉さんの視線に怯えてツヤツヤな彼女の唇の前にピシッと人差し指を立てて近付けた。けれども誘惑の一言には敵わない。手にした己と同じ名前を持つ口紅486番見下ろし、ついで友人へとそろそろと視線を動かしながら)………塗っちゃうっ?(キラリと悪戯に瞳が輝く。苺シロップ色の爪が同ラインの450番を抜き取って)こいとにはこの色似合いそう!どうどう?いい感じじゃん?(温かみのある深いピンクにほんの少しの青を混ぜたカラーを差し出した。)
スペンサー心 07/02 (Thu) 09:19 No.36
シーーッ、ひひっ。(自身の指と同じように、たいしたことない抑止力の注意はもはやじゃれあい。彼女にならってジェスチャーの指を作れば歯を見せて笑った。)塗っちゃうちゃう~っ、ここの此処をココで~(口ぶりどおりの興味津々な瞳に、ぱちりと自らも照準をあわせ同意を上乗せ。ルージュの名前を言葉遊びのごとく口ずさむなら友人と、その唇と、リップスティックを3点チェックで指差しながら語尾をはずませる。適当に手にしていたひとつはとりあえず置いて、おすすめを受け取り、)かんわいい!!……、見て見て!(一瞬みずみずしいそれを見つめ逡巡。雀の涙ほどの理性が直塗りを回避させて、テスター用の綿棒的なやつを使って塗り塗り。ぱっと顎をあげては雑なできあがりを披露する。上も下もリップラインからはみ出している。)それも夏ぽくて似合いそうだし、ここにもいっぱい色あるから全部似合いそうじゃん、ほら!(次はそっちの番と言わんばかりに。明るいオレンジまじりのカラーはイメージによく合う、一方で常々鮮やかな級友を思いにやにやと口角上げてぺたっ、と。同シリーズの414番つきテスター以下略を彼女の手の甲にくっつけた。)
入江小糸 07/03 (Fri) 12:24 No.54
ココのココをココで〜♪(語感が気に入った。キャイキャイ弾む声音でついぞんざいになるルージュの扱い、つるりと指先滑ってあわや落下の危機を何とか空中でキャッチ。心臓から冷や汗が出た。「っぶな〜〜……」と恐る恐る棚へ戻すも、視線奪う友人の声にパチっと瞳を向けて、)っっ〜〜かんわいい!! けどこいとまじ塗り方ひどい!!(キャハハ!と甲高い笑声を高級感漂う空間に無遠慮に落としながら、己もテスター用綿棒を摘む。何も付いてない先端で相手のリップラインを辿るように滑らせれば、応急処置は完了。青みピンクは唇の中に収まった。満足気に碧眼細めた己の手の甲を鮮やかに彩るカラーがテンションをぐいぐい上げる。可愛い。)ギャンカワ!!えっねえねえ今日のココのメイクとぴったりじゃんっ??(自画自賛もなんのその。夏に浮かれたオレンジメイクを格上げしてくれる上品に弾ける色合いを躊躇無くテスター用綿棒で塗ったくれば)こいと、……なんかうちら大人になったね♡(急にお淑やかに喋ってみたり。他にも興味が向いたものを片っ端から指先へ引っ掛けてはお試ししてみる事暫し、すっかりケバく完成した顔に笑って自撮りに誘うのも時間の問題か。――尤も「ンンッ」と牽制するお姉さんの咳払いが背中を刺せば、逃げるようにその場を後にする未来までがセットだが。)
スペンサー心 07/03 (Fri) 16:36 No.58
(ここはとっても楽しい。おめかしをしている間、危険感じさせる声が鼓膜をたたけば眼は愉快そうににやける。しかし出来栄えはどうやら笑えるものだったらしい。つやつやすぎる唇を上下すり合わせて、)ん~~っ、ま!色気ってやつよ。 んふふっ(ぱっと口開け得意げに謎理論をほえたあとは素直に仕上げに従った。くすぐったさに笑い声を漏らす。ほめ言葉が飛び交うなら機嫌はとんとんと上がっていき、比例して偏差値は下がっていくばかり。)ヤバ!!あたしらモテてしまう!(ピンクとオレンジで最強の組み合わせになってしまい、調子に乗る指は遠慮知らずにハイライトやらシャドウやらに伸びる。)ん゛っ、……そうだわね~♡(咳払いしてはくねくねと体を揺らし、キラキラケバケバの彼女に続いてお淑やか女子その2を演じてみるものの、普段が普段なため滑稽さが先立つ。「あっははっウケる~~!!」むしろ今の今までたぶん静観してくれていたお姉さんの忍耐力が限界だったか。結局、見つかった泥棒のようにかけ足で去りながらの言い草に、反省の色は皆無だった。)
入江小糸 07/05 (Sun) 21:12 No.107
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